本書『Solaris ボリュームマネージャの管理』は、Solaris ボリュームマネージャを使用して、RAID 0 (連結方式およびストライプ方式) ボリュームや、RAID 1 (ミラー) ボリューム、RAID 5 ボリューム、ソフトパーティション、トランザクションログデバイスの作成、変更、使用など、システムにおける記憶装置の要件を管理する方法について説明します。
本書は、システム管理者および記憶装置管理者を対象としており、Solaris ボリュームマネージャで行うことのできる管理作業と、Solaris ボリュームマネージャを使用してデータの信頼性と可用性を向上する方法を示します。
本書は、次のように構成されています。
第 1 章「Solaris ボリュームマネージャで行う作業の概要」では、このマニュアルで説明する概念や作業に関する詳細な「ロードマップ」を示します。この章は、このマニュアルの全体的な内容を把握するのに役立ちます。
第 2 章「記憶装置管理の概念」では、記憶装置管理にまだ精通していない読者のために、一般的な記憶装置管理の概念を紹介します。
第 3 章「Solaris ボリュームマネージャの概要」では、Solaris ボリュームマネージャについて説明し、この製品に関連する重要な概念を紹介します。
第 4 章「Solaris ボリュームマネージャの構成と使用」では、Solaris ボリュームマネージャ製品を理解するための全体的なシナリオを示します。
第 5 章「状態データベース (概要)」では、状態データベースと状態データベースの複製について説明します。
第 6 章「状態データベース (作業)」では、状態データベースと状態データベースの複製に関連する作業の実行方法について説明します。
第 7 章「RAID 0 (ストライプ方式および連結方式) ボリューム (概要)」では、RAID 0 (ストライプ方式および連結方式) ボリュームについて説明します。
第 8 章「RAID 0 (ストライプ方式および連結方式) ボリューム (作業)」では、RAID 0 (ストライプ方式および連結方式) ボリュームに関連する作業の実行方法について説明します。
第 9 章「RAID 1 (ミラー) ボリューム (概要)」では、RAID 1 (ミラー) ボリュームについて説明します。
第 10 章「RAID 1 (ミラー) ボリューム (作業)」では、RAID 1 (ミラー) ボリュームに関連する作業の実行方法について説明します。
第 11 章「ソフトパーティション (概要)」では、Solaris ボリュームマネージャのソフトパーティション分割化機能について説明します。
第 12 章「ソフトパーティション (作業)」では、ソフトパーティション分割に関連する作業の実行方法について説明します。
第 13 章「RAID 5 ボリューム (概要)」では、RAID 5 ボリュームについて説明します。
第 14 章「RAID 5 ボリューム (作業)」では、RAID 5 ボリュームに関連する作業の実行方法について説明します。
第 15 章「ホットスペア集合 (概要)」では、ホットスペアとホットスペア集合について説明します。
第 16 章「ホットスペア集合 (作業)」では、ホットスペアとホットスペア集合に関連する作業の実行方法について説明します。
第 17 章「トランザクションボリューム (概要)」では、トランザクションボリュームについて説明します。
第 18 章「トランザクションボリューム (作業)」では、トランザクションボリュームに関連する作業の実行方法について説明します。
第 19 章「ディスクセット (概要)」では、ディスクセットについて説明します。
第 20 章「ディスクセット (作業)」では、ディスクセットに関連する作業の実行方法について説明します。
第 21 章「Solaris ボリュームマネージャの保守 (作業)」では、特定の Solaris ボリュームマネージャコンポーネントに関連しない、いくつかの一般的な保守作業について説明します。
第 22 章「Solaris ボリュームマネージャで構築可能な最善の記憶装置構成」では、Solaris ボリュームマネージャを使用して構築できる「最善の記憶装置構成」について説明します。
第 23 章「監視とエラーレポート (作業)」では、Solaris ボリュームマネージャ SNMP エージェントとその他のエラーチェック手法について説明し、その使用方法を示します。
第 24 章「Solaris ボリュームマネージャの障害追跡」では、Solaris ボリュームマネージャ環境における障害追跡と一般的な問題の解決方法を示します。
付録 A 「Solaris ボリュームマネージャの重要なファイル」 では、Solaris ボリュームマネージャで使用される重要なファイルの一覧を示します。
付録 B 「Solaris ボリュームマネージャのコマンド行リファレンス」 では、コマンドとその他の有用な情報を要約した表を示します。
付録 C 「Solaris ボリュームマネージャの CIM/WBEM API」 では、WBEM 準拠の管理ツールからオープンな Solaris ボリュームマネージャを利用するための CIM/WBEM API について簡単に紹介します。
Solaris ボリュームマネージャは、Solaris オペレーティング環境で使用できるシステム管理ツールの 1 つです。システム管理の全体的な特徴や機能、および関連するツールについては、次のマニュアルを参照してください。
docs.sun.com では、Sun が提供しているオンラインマニュアルを参照することができます。マニュアルのタイトルや特定の主題などをキーワードとして、検索を行うこともできます。URL は、http://docs.sun.com です。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P–1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
\ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 |
sun% grep `^#define \ XV_VERSION_STRING' |
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
このマニュアルでは、英語環境での画面イメージを使っています。このため、実際に日本語環境で表示される画面イメージとこのマニュアルで使っている画面イメージが異なる場合があります。本文中で画面イメージを説明する場合には、日本語のメニュー、ボタン名などの項目名と英語の項目名が、適宜併記されています。
このマニュアルでは、「x86」という用語は、Intel 32 ビット系列のマイクロプロセッサチップ、および AMD が提供する互換マイクロプロセッサチップを意味します。