Solaris ボリュームマネージャの管理

シナリオ — RAID 1 ボリューム (ミラー)

RAID 1 ボリュームは、冗長ボリュームを構築するための手段です。これによって、RAID 1 ボリュームを構成する RAID 0 ボリュームのどれかに部分的または完全な障害が発生した場合でも、データが失われることはなく、ファイルシステムへのアクセスが中断されることもありません。第 4 章「Solaris ボリュームマネージャの構成と使用」のサンプルシステムに基づく構成例は、RAID 1 ボリュームによって冗長性がいかに達成されるかを示しています。

ストライプ方式の飛び越し値で説明するように、サンプルシステムには 2 つの RAID 0 ボリュームがあります。それぞれのボリュームはおよそ 27G バイトの容量を持ち、3 つのディスクにまたがっています。RAID 1 ボリュームを作成してこれら 2 つの RAID 0 ボリュームをミラー化すると、完全に冗長化された記憶領域によって、障害からの回復が可能なデータ記憶域を構築できます。

この RAID 1 ボリュームでは、どちらのディスクコントローラに障害が発生しても、ボリュームへのアクセスは中断されません。さらに、最大 3 つのディスクに障害が発生しても、アクセスが中断されない場合もあります。

アクセスの中断を引き起こす可能性がある問題に対してさらに保護が必要な場合は、ホットスペアを使用します。これについては、第 15 章「ホットスペア集合 (概要)」 (特に ホットスペアの仕組み) を参照してください。