Solaris ボリュームマネージャの管理

RAID 1 ボリュームの読み取りおよび書き込みポリシー

Solaris ボリュームマネージャでは、ミラーに対してさまざまな読み取りおよび書き込みポリシーを設定できます。構成に合わせて、読み取りおよび書き込みポリシーを適切に設定すると、性能が向上することがあります。

表 9–1 ミラーの読み取りポリシー

読み取りポリシー 

説明 

ラウンドロビン (デフォルト) 

すべてのサブミラーの負荷を均一にします。ミラーに属するすべてのサブミラーの読み取りは、ラウンドロビン方式で (1 つずつ順次に) 行われます。 

ジオメトリック 

読み取りを論理的なディスクブロックアドレスに基づいて個々のサブミラーに分割します。たとえば、2 面サブミラーの場合は、ミラーのディスク領域が、論理アドレスに基づいて同じサイズの 2 つの領域に分割されます。一方のサブミラーの読み取りは論理的な領域の半分に限定され、他方のサブミラーの読み取りは同じ領域の残り半分に限定されます。 ジオメトリック読み取りポリシーでは、読み取りに必要なシーク時間が減少します。このモードによって得られる性能の向上は、システムの入出力負荷やアプリケーションのアクセスパターンによって異なります。 

先頭のデバイスから読み取る 

すべての読み取りを最初のサブミラーに送る。このポリシーは、先頭のサブミラーを構成するデバイスが 2 番目のサブミラーのデバイスよりも高速な場合にのみ使用します。 

表 9–2 ミラーの書き込みポリシー

書き込みポリシー 

説明 

並列 (デフォルト)  

ミラーへの書き込みは複製され、すべてのサブミラーに対して同時に実行される。 

順次 

サブミラーへの書き込みは順次実行される (つまり、最初のサブミラーへの書き込みが終わってから、次のサブミラーへの書き込みが始まる)。順次オプションでは、1 つのサブミラーへの書き込みが終わらないと、次のサブミラーへの書き込みは開始されない。この順次オプションは、電源の障害などによってサブミラーが読み取り不能になるのを防止するために使用する。