Solaris のシステム管理 (基本編)

はじめに

本書『Solaris のシステム管理 (基本編) 』 は、SolarisTM システム管理に関する重要な情報を提供するマニュアルの一部です。本書は、SPARC® および x86 の両方のプラットフォームにおけるシステム管理について解説しています。

本書では、次のことを前提としています。

SunOS 5.9 オペレーティングシステムは、多くの機能と Solaris 共通デスクトップ環境 (CDE) を含む Solaris 製品の一部です。また、SunOS 5.9 は、AT&T System V リリース 4 オペレーティングシステムに準拠しています。

システム管理者にとって重要な Solaris 9 リリースの新機能については、各章のはじめにある新機能に関する節を参照してください。


注 –

Solaris オペレーティングシステムは、SPARC と x86 という 2 種類のハードウェア (プラットフォーム) で動作します。また、Solaris オペレーティング環境は、64 ビットのアドレス空間でも 32 ビットのアドレス空間でも動作します。このマニュアルで説明する情報は、章、節、注、箇条書き、図、表、例、またはコード例において特に明記しない限り、両方のプラットフォームおよびアドレス空間に該当します。


対象読者

このマニュアルは、Solaris 9 リリースを実行するシステムの管理者を対象にしています。このマニュアルを読むには、1 - 2 年の UNIX® システムの管理経験が必要です。UNIX システム管理のトレーニングコースに参加することも知識の習得に役立ちます。

Solaris システム管理マニュアルセットの構成

システム管理マニュアルセットに含まれる各マニュアルとその内容は、次のとおりです。

マニュアル名 

内容 

Solaris のシステム管理 (基本編)

ユーザーアカウントとグループ、サーバーとクライアントの サポート、システムのシャットダウンとブート、リムーバブルメディア、ソウトウェアの管理 (パッケージとパッチ)、ディスクとデバイス、ファイルシステム、およびデータのバックアップと復元 

Solaris のシステム管理 (上級編)

印刷サービスの管理、端末とモデムの設定、システムリソースの管理 (ディスク割り当て、アカウンティング、および crontab ファイルの管理)、システムプロセスの管理、 および Solaris ソフトウェアの障害追跡 

Solaris のシステム管理 (IP サービス)

TCP/IP ネットワーク、IPv4 と IPv6、DHCP、IP セキュリティ、モバイル IP、IP ネットワークマルチパス 

Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)

DNS、NIS、および LDAP のネーミングとディレクトリサービスの管理 

Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

FNS、NIS+ ネーミングとディレクトリサービス 

Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)

リソース管理、リモートファイルシステム、メール、SLP、PPP  

Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

監査、PAM、RBAC、および SEAM 

このリリースの Solaris オペレーティングシステムに含まれているオープンソースソフトウェアのライセンス用語、特性、著作権の記述を表示する場合、デフォルトのパスは /usr/share/src/freeware-name または /usr/sfw/share/src/freeware-name です。Solaris オペレーティング環境がデフォルト以外の場所にインストールされている場合は、所定のパスを修正して、インストールした場所にあるファイルにアクセスします。

Sun のオンラインマニュアル

docs.sun.com では、Sun が提供しているオンラインマニュアルを参照することができます。マニュアルのタイトルや特定の主題などをキーワードとして、検索を行うこともできます。URL は、http://docs.sun.com です。

表記上の規則

このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。

表 P–1 表記上の規則

字体または記号 

意味 

例 

AaBbCc123

コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 

.login ファイルを編集します。

ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。

system%

AaBbCc123

ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 

system% su

password:

AaBbCc123

変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 

ファイルを削除するには、rm filename と入力します。

『 』 

参照する書名を示します。 

『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 

「 」 

参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 

第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 

この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 

枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 

sun% grep `^#define \
  XV_VERSION_STRING'

コード例は次のように表示されます。

[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。

| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。

キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。

ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-DControl キーを押したまま D キーを押すことを意味します。

一般規則