Solaris のシステム管理 (基本編)

デフォルトの Solaris ファイルシステム

Solaris UFS ファイルシステムは階層構造になっており、ルートディレクトリ (/) から始まり、下位に多数のディレクトリが形成されています。Solaris のインストールプロセスは、デフォルトのディレクトリセットをインストールし、一連の規則を適用して類似するタイプのファイルをグループ化します。次の表に、デフォルトの Solaris ファイルシステムの概要を示します。

表 38–2 デフォルトの Solaris ファイルシステム

ファイルシステムまたはディレクトリ 

ファイルシステムのタイプ 

説明 

ルート (/)

UFS 

階層ファイルツリーの最上位。ルートディレクトリには、カーネル、デバイスドライバ、システムのブートに使用されるプログラムなど、システム処理に欠かせないディレクトリとファイルが入っている。また、ローカルとリモートのファイルシステムをファイルツリーに接続できるマウントポイントディレクトリも入っている。 

/usr

UFS 

他のユーザーと共有できるシステムファイルとディレクトリ。特定のタイプのシステム上でのみ実行できるファイルは、/usr ファイルシステムに入っている (SPARC 実行可能ファイルなど)。どのタイプのシステム上でも使用できるファイル (マニュアルページなど) は、/usr/share ディレクトリに入っている。

/export/home または /home

NFS、UFS 

ユーザーのホームディレクトリのマウントポイント。ホームディレクトリには、そのユーザーの作業ファイルが格納される。デフォルトでは、/home ディレクトリは自動マウントされるファイルシステムである。スタンドアロンシステムでは、/home ディレクトリはローカルディスクスライス上の UFS ファイルシステムの場合がある。

/var

UFS 

ローカルシステムの使用中に変化または拡大する可能性のあるシステムファイルとディレクトリ。これには、システムログ、viex のバックアップファイル、および uucp ファイルが含まれる。

/opt

NFS、UFS 

オプションの Sun 以外のソフトウェア製品のマウントポイント。一部のシステムでは、/opt ディレクトリはローカルディスクスライス上の UFS ファイルシステムの場合がある。

/tmp

TMPFS 

システムがブートされるか、/tmp ファイルシステムがマウント解除されるたびに消去される一時ファイル。

/proc

PROCFS 

アクティブなプロセスの番号別リスト。 

/etc/mnttab

MNTFS 

ローカルシステムに、マウント済みファイルシステムのテーブルへの読み取り専用アクセスを提供するファイルシステム。 

/var/run

TMPFS 

システムのブート後に不要になる一時ファイルを格納するためのファイルシステム。 

システムを動作させるには、ルート (/) と /usr のファイルシステムが必要です。/usr ファイルシステムに置かれている最も基本的なコマンドの一部 (mount など) は、システムのブート時や、システムがシングルユーザーモードで実行しており、/usr ファイルシステムがマウントされていない場合でも使用できるように、ルート (/) ファイルシステムにも置かれています。ルート (/) と /usr ファイルシステムのデフォルトディレクトリの詳細については、第 44 章「UFS ファイルシステム (参照情報)」を参照してください。