Solaris のシステム管理 (基本編)

バックアップを作成するファイルシステムの計画

頻繁に更新されるファイルシステムなど、ユーザーにとって重要なファイルシステムはバックアップしておく必要があります。次の表に、スタンドアロンシステムとサーバー用にバックアップを作成するファイルシステムの一般的なガイドラインを示します。

表 46–2 ファイルシステムをスタンドアロン用にバックアップする

バックアップするファイルシステム 

説明 

バックアップ間隔 

ルート (/) – スライス 0

このファイルシステムにはカーネルが格納されているが、/var ディレクトリが格納されていることもある。/var ディレクトリには、メールやアカウンティングファイルなど、頻繁に変更されるファイルが保管される。

定期的 (毎週、毎日など) 

/usr – スライス 6、/opt

一般に、新しいソフトウェアをインストールして新しいコマンドを追加すると、/usr/opt ファイルシステムが影響を受ける。/opt ディレクトリは、ルート (/) の一部であるか、独自のファイルシステムである。

随時 

/export/home – スライス 7

このファイルシステムには、スタンドアロンシステム上のユーザー全員のディレクトリおよびサブディレクトリが含まれる。 

ルート (/) や /usr よりも頻繁に、サイトのニーズによっては毎日

/export /var、または他のファイルシステム

Solaris ソフトウェアのインストール中に、これらのファイルシステムを作成した可能性がある。 

サイトの必要に応じて 

表 46–3 ファイルシステムをサーバー用にバックアップする

バックアップするファイルシステム 

説明 

バックアップ間隔 

ルート (/) – スライス 0

このファイルシステムには、カーネルおよび実行可能プログラムが含まれる。 

サイトの必要に応じて毎日 1 度ないし月に 1 度。 

ネットワーク上でユーザーとシステムの追加および削除を頻繁に実行する場合、このファイルシステム内の構成ファイルを変更する必要がある。この場合、週に 1 度から月に 1 度の間隔で、ルート (/) ファイルシステムの完全バックアップを実行する必要がある。サイトでユーザーのメールをメールサーバー上の /var/mail ディレクトリに保管しておき、後でクライアントシステムがマウントする場合は、ルート (/) ディレクトリを毎日バックアップした方がよい。別のファイルシステムの場合は、/var を毎日バックアップした方がよい。

/export – スライス 3

このファイルシステムには、ディスクレスクライアント用のカーネルおよび実行可能プログラムが含まれる。 

サイトのニーズに応じて毎日 1 度ないし月に 1 度。 

このファイルシステム内の情報はスライス 0 にあるサーバーのルートディレクトリと同様なので、ファイルシステムは頻繁に変化することはない。サイトからメールをクライアントシステムに送信していない場合、このファイルシステムのバックアップは随時実行すればよい。送信している場合は、/export のバックアップをさらに頻繁に実行する必要がある。

/usr – スライス 6、/opt

 

サイトのニーズに応じて毎日 1 度ないし月に 1 度。 

通常、これらのファイルシステムは静的であるため、週または月に 1 度バックアップするだけでかまわない。 

/export/home – スライス 7

このファイルシステムには、システムの全ユーザーのディレクトリが含まれる。このファイルシステム内のファイルは、変更が多い。 

毎日または毎週。