UFS スナップショットの完全または増分バックアップを作成できます。UFS スナップショットのバックアップ作成に、標準の Solaris バックアップコマンドを使用できます。
UFS スナップショットを含む仮想デバイスは、標準の読み取り専用デバイスとして動作します。これは、仮想デバイスを、ファイルシステムのデバイスをバックアップするかのようにバックアップできることを意味します。
ufsdump コマンドを使用して UFS スナップショットをバックアップする場合、バックアップ時にスナップショットの名前を指定することができます。詳細は、次の節を参照してください。
バックアップする UFS スナップショットを指定します。
# /usr/lib/fs/ufs/fssnap -i /file-system |
たとえば、次のようになります。
# /usr/lib/fs/ufs/fssnap -i /usr Snapshot number : 0 Block Device : /dev/fssnap/0 Raw Device : /dev/rfssnap/0 Mount point : /usr Device state : idle Backing store path : /var/tmp/back.store Backing store size : 576 KB Maximum backing store size : Unlimited Snapshot create time : Wed Dec 12 09:39:37 2001 Copy-on-write granularity : 32 KB |
UFS スナップショットをバックアップします。
# ufsdump 0ucf /dev/rmt/0 /snapshot-name |
たとえば、次のようになります。
# ufsdump 0ucf /dev/rmt/0 /dev/rfssnap/1 |
スナップショットがバックアップされたことを確認します。
# ufsrestore tf /dev/rmt/0 |
UFS スナップショットの増分バックアップを実行する (最後のスナップショット以降に変更のあったファイルだけをバックアップする) 場合、ufsdump コマンドと新規 N オプションを組み合わせて使用します。このオプションは、増分ダンプをトラックするために /etc/dumpdates ファイルに挿入されるファイルシステムのデバイス名を指定します。
次の例では、ufsdump コマンド内で fssnap コマンドを組み込んでファイルシステムの増分バックアップを作成しています。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
UFS スナップショットの増分バックアップを作成します。
たとえば、次のようになります。
# ufsdump 1ufN /dev/rmt/0 /dev/rdsk/c0t1d0s0 `fssnap -F ufs -o raw,bs= /export/scratch,unlink /dev/rdsk/c0t1d0s0` |
上記の例では、ブロックデバイスではなく raw デバイスの名前を表示するために -o raw オプションが使用されています。このオプションの使用により、fssnap コマンドを raw デバイスを必要とするコマンド (ufsdump コマンドなど) に組み込むことが容易になります。
スナップショットがバックアップされたことを確認します。
# ufsrestore ta /dev/rmt/0 |
tar コマンドを使用してスナップショットをバックアップする場合、バックアップを行う前にスナップショットをマウントします。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
スナップショット用のマウントポイントを作成します。
たとえば、次のようになります。
# mkdir /backups/home.bkup |
スナップショットをマウントします。
# mount -F ufs -o ro /dev/fssnap/1 /backups/home.bkup |
マウントスナップショットのディレクトリに移動します。
# cd /backups/home.bkup |
tar コマンドを使用して、スナップショットをバックアップします。
# tar cvf /dev/rmt/0 . |
仮想デバイスから作成されたバックアップは、基本的には、スナップショットがとられた時点でのオリジナルのファイルシステムの状態を表しています。バックアップから復元を行う場合は、オリジナルのファイルシステムから直接そのバックアップを作成した (たとえば ufsrestore コマンドを使用してバックアップを実行した) かのように復元します。ufsrestore コマンドを使用してファイルまたはファイルシステムを復元する方法については、第 49 章「ファイルとファイルシステムの復元 (手順)」を参照してください。