Solaris のシステム管理 (基本編)

group ファイルのフィールド

group ファイルの各フィールドはコロンで区切られ、次のような情報が入っています。


group-name:group-password:gid:user-list

たとえば、次のようになります。


bin::2:root,bin,daemon

次の表では、group ファイルの各フィールドについて説明します。

表 4–14 group ファイルのフィールド

フィールド名 

説明 

group-name

グループに付けられた名前。たとえば、大学の化学部のメンバーであれば chem などと指定する。グループ名に許される最大文字数は 8 文字

group-password

通常は空のままか、アスタリスクを指定する。グループパスワードフィールドは初期バージョンの UNIX のなごり。グループにパスワードがある場合、newgrp コマンドはユーザーにグループパスワードを入力するよう求める。ただし、グループパスワードを設定するためのユーティリティはない

gid

グループ GID 番号。ローカルシステムで固有にする必要があり、組織全体を通じても固有であることが望ましい。GID 番号は 0 から 60002 までの範囲の整数で指定する。ただし、100 未満の番号はシステムのデフォルトグループアカウント用に予約されている。したがって、ユーザー定義グループの範囲は 100 から 60000。60001 と 60002 はそれぞれ nobodynoaccess に割り当てられている。

user-list

カンマで区切られたユーザー名のリスト。ユーザーの二次グループメンバーシップを表す。各ユーザーは最高 15 個までの二次グループに所属できる 

デフォルトの group ファイル

Solaris のデフォルトの group ファイルには、システム全体に有効なタスク (印刷、ネットワーク管理、電子メールなど) をサポートする次のようなシステムグループが記述されています。これらのグループの多くは、passwd ファイルのエントリに対応しています。


root::0:root
other::1:
bin::2:root,bin,daemon
sys::3:root,bin,sys,adm
adm::4:root,adm,daemon
uucp::5:root,uucp
mail::6:root
tty::7:root,adm
lp::8:root,lp,adm
nuucp::9:root,nuucp
staff::10:
daemon::12:root,daemon
smmsp::25:smmsp
sysadmin::14:root
nobody::60001:
noaccess::60002:
nogroup::65534:
表 4–15 デフォルトの group ファイルのエントリ

グループ名 

グループ ID 

説明 

root

0

スーパーユーザーのグループ 

other

1

オプションのグループ 

bin

2

システムバイナリの実行に関連する管理グループ 

sys

3

システムのログの記録や一時ディレクトリに関連する管理グループ 

adm

4

システムのログの記録に関連する管理グループ 

uucp

5

uucp 関数に関連するグループ

mail

6

電子メールのグループ 

tty

7

tty デバイスに関連するグループ 

lp

8

ラインプリンタのグループ 

nuucp

9

uucp 関数に関連するグループ

staff

10

一般的な管理グループ 

daemon

12

ルーチンシステムタスクに関連するグループ 

sysadmin

14

Admintool と Solstice AdminSuite ツールに関連する管理グループ 

smmsp

25

Sendmail メッセージ送信プログラムデーモン 

nobody

60001

特別なアクセス権を必要としない、あるいは持つべきではないユーザーまたはソフトウェアプロセスに割り当てられるグループ 

noaccess

60002

あるアプリケーションを経由するが実際にログインをしないで、システムにアクセスする必要があるユーザーまたはプロセスに割り当てられるグループ 

nogroup

65534

既知のグループのメンバーでないユーザーに割り当てられるグループ