Solaris のシステム管理 (基本編)

ユーザーの作業環境

ファイルを作成して格納するホームディレクトリの他に、ユーザーには仕事をするために必要なツールとリソースにアクセスできる環境が必要です。ユーザーがシステムにログインするとき、C、Korn、Bourne シェルなどユーザーの起動シェルで定義される初期設定ファイルによって、ユーザーの作業環境が決定されます。

ユーザーの作業環境を管理するのに便利な方法として、カスタマイズしたユーザー初期設定ファイル (.login.cshrc.profile など) をユーザーのホームディレクトリに置くという方法があります。ユーザー初期設定ファイルをユーザー用にカスタマイズする詳細については、ユーザーの作業環境のカスタマイズを参照してください。ユーザー初期設定ファイルをカスタマイズした後、新しいユーザーアカウントを作成するときにそれらをユーザーのホームディレクトリに追加できます。

1 回だけ行う作業としてお勧めするのは、「スケルトン」ディレクトリと呼ばれる別々のディレクトリをサーバーに設定することです。 ユーザーのホームディレクトリが格納されるサーバーと同じサーバーを使用できます。スケルトンディレクトリによって、タイプの異なるユーザーに合わせてカスタマイズしたユーザー初期設定ファイルを格納できます。


注 –

システム初期設定ファイル (/etc/profile/etc/.login など) を使用してユーザーの作業環境を管理しないでください。これらのファイルはローカルシステムに存在するため、集中管理されません。たとえば、Autofs を使用してネットワーク上の任意のシステムからユーザーのホームディレクトリをマウントした場合、ユーザーがシステム間を移動しても環境が変わらないよう保証するには、各システムでシステム初期設定ファイルを修正しなければならなくなります。


また、役割によるアクセス制御でユーザーアカウントをカスタマイズする方法もあります。詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「役割によるアクセス制御 (概要)」を参照してください。