差分アーカイブを作成したら、Solaris Live Upgrade を使用して新しいブート環境にインストールできます。Solaris Live Upgrade にはアップグレード用パラメタを提供するプロファイルが必要です。プロファイルは luupgrade コマンドによって使用されます。
テキストエディタを使用してテキストファイルを作成します。
アップグレード用パラメタを提供するプロファイルのキーワードおよび値を追加します。差分アーカイブには次に示すキーワードを使用できます。
表 4–1 Solaris Live Upgrade プロファイルのキーワードと記述子
プロファイルのキーワード |
記述子 |
---|---|
(必須) install_type |
インストールの種類を決定する。Solaris フラッシュ差分アーカイブを示す値は flash_update |
(必須) archive_location |
指定した場所から Solaris フラッシュアーカイブを抽出する |
(任意) no_master_check |
元のマスターシステムから作られたことを保証するためのクローンシステムの検査を無視する |
(任意) local_customization |
カスタムスクリプトを保存したディレクトリを指定して、クローンシステムにローカルな構成を保存する |
(任意) forced_deployment |
新しいファイルをすべて削除して、クローンシステムを希望の状態にする |
(任意) no_content_check |
クローンシステムがマスターシステムの複製であることを保証するファイルごとの妥当性検査を無視する |
プロファイルをローカルシステム上のディレクトリに保存する。
ルートにプロファイルが存在し、そのアクセス権が 644 に設定されていることを確認する。
(任意) プロファイルをテストする。
差分アーカイブをインストールするのに luupgrade コマンドを使用する方法については、『Solaris 9 インストールガイド』の第 33 章「Solaris Live Upgrade を用いたアップグレード」で「プロファイルを使用して Solaris Live Upgrade でアップグレードする」を参照してください。
次は、Solaris Live Upgrade でクローンシステムに差分アーカイブをインストールする場合に使用するプロファイルの例です。差分アーカイブで指定されたファイルだけが追加、削除、または変更されます。Solaris フラッシュアーカイブは NFS サーバーから抽出されます。イメージは元のマスターシステムで作成されたものなので、クローンシステムが有効なシステムイメージかどうかを検査しません。このプロファイルは、Solaris Live Upgrade の luupgrade コマンドで -u オプションおよび -j オプションを使用します。
# profile keywords profile values # ---------------- ------------------- install_type flash_update archive_location nfs installserver:/export/solaris/flasharchive/solaris9archive no_master_check