Solaris 9 インストールガイド

SPARC: Solaris Web Start プログラムによるインストールまたはアップグレード

Solaris 9 DVD (SPARC 版) または Solaris 9 INSTALLATION CD (SPARC 版) に含まれている Solaris Web Start プログラムを使用して、Solaris オペレーティング環境をインストールまたはアップグレードできます。


注 –

Solaris 9 INSTALLATION CD からインストールする場合は、Solaris 9 INSTALLATION CD を使用するための要件 で特殊な要件を確認してください。


以下のものが揃っているか確認します。

SPARC: 作業マップ: Solaris Web Start インストールの実行

表 14–1 作業マップ: Solaris Web Start インストールの実行

作業 

説明 

参照先 

システム要件を確認する 

Solaris Web Start を使用してインストールまたはアップグレードをするための要件をシステムが満たしていることを確認します。 

システム要件

必要な情報を収集する 

チェックリストに従ってワークシートに記入しながら、Solaris ソフトウェアのインストールに必要なすべての情報を収集します。 

第 6 章「インストールやアップグレードの前に収集すべき情報」

(省略可能) システム構成情報を事前設定する 

sysidcfg ファイルやネームサービスを使って、システムのインストール情報 (locale など) を事前設定することができます。これによって、インストール時にこの情報を入力しなくてすみます。

第 7 章「システム構成情報の事前設定」

(アップグレードのみ) システムをアップグレードするための準備をする 

システムのバックアップをとります。 

Solaris のシステム管理 (基本編)

(省略可能) ネットワーク上でインストールするためのシステムを設定する 

リモートの DVD または CD のネットインストールイメージをインストールする場合は、インストールサーバーまたはブートサーバーからシステムをブートしてインストールするように、システムを設定する必要があります。 

第 12 章「CD メディアを使用してネットワークからインストールするための準備」

インストールまたはアップグレードを行う 

システムをブートし、プロンプトに従って Solaris ソフトウェアをインストールまたはアップグレードします。 

SPARC: Solaris Web Start プログラムを使用してインストールまたはアップグレードする方法

(アップグレードのみ) アップグレード後に必要な作業を行う 

アップグレードで失われたローカル変更がある場合は、それを復元します。 

アップグレード後にローカル変更を復元する方法

SPARC: Solaris Web Start プログラムを使用してインストールまたはアップグレードする方法

  1. DVD-ROM ドライブ、CD-ROM ドライブ、ネットイメージのどれを使用してソフトウェアをインストールするかを決定します。

  2. システムをブートします。

    • 新しく購入したばかり (未使用) のシステムの場合は、システムの電源を入れます。

    • 既存システムのインストールまたはアップグレードを行う場合は、システムをシャットダウンします。

      • ローカル DVD またはローカル CD からブートする場合は、次のように入力します。


        ok boot cdrom [[- nowin]]
        
      • ネットワーク上のインストールサーバーからブートする場合は、次のように入力します。


        ok boot net [[- nowin]]
        

    nowin 

    Solaris Web Start を CLI モードで実行することを指定します。 

    Solaris Web Start インストールが始まります。

  3. システム構成の質問に答えます。

    GUI を使用している場合は、システム構成情報の確認が終わると、Solaris Web Start の Kiosk が起動し、「ようこそ (Welcome)」画面が表示されます。システムのメモリーが十分でない場合は、Kiosk は表示されません。

    図 14–1 Solaris Web Start Kiosk メニュー

    この図には「ようこそ (Welcome)」画面の「次へ (NEXT) 」と「終了 (Exit)」ボタン、および情報参照用リンクの一覧が表示されています。

    Kiosk メニューのリンクは、どれでもクリックできます。


    注 –

    Kiosk によって画面が隠れてしまうことがあります。隠れている画面を表示するには、Kiosk メニューの「Kiosk を奥へ (Send Kiosk to Background)」をクリックします。


    「インストーラ・オプション (Installer Questions)」画面が表示されます。

  4. システムのリブートとディスクの取り出しを自動的に行うかどうかを決定します。「次へ (NEXT) 」をクリックします。

    「媒体の指定 (Specify Media)」画面が表示されます。

  5. インストールに使用するメディアを指定します。

    • フラッシュアーカイブをインストールする場合には、作業を続行します。

    • フラッシュアーカイブをインストールしない場合には、手順 6に進みます。

    1. プロンプトに従って次の情報を入力します。

      選択されているメディア 

      プロンプト 

      DVD または CD 

      フラッシュアーカイブを含むディスクを挿入してください。 

      ネットワークファイルシステム 

      フラッシュアーカイブを含むネットワークファイルシステムのパスを指定してください。アーカイブのファイル名も指定できます。 

      HTTP 

      フラッシュアーカイブにアクセスするための URL とプロキシ情報を指定してください。 

      FTP 

      FTP サーバーと、フラッシュアーカイブのパスを指定します。FTP サーバーへのアクセスに必要となるユーザーおよびパスワードの情報を指定します。FTP サーバーへのアクセスに必要となるプロキシ情報を指定します。 

      ローカルテープ 

      フラッシュアーカイブを含むローカルテープデバイスとテープ上の位置を指定してください。 

      DVD、CD、または NFS サーバーに格納されたアーカイブのインストールを選択した場合は、「フラッシュアーカイブの選択 (Select Flash Archives)」画面が表示されます。

    2. ディスクまたは NFS サーバーに格納されたアーカイブについては、「フラッシュアーカイブの選択 (Select Flash Archives)」画面で、インストールするフラッシュアーカイブを選択します (1 つでも複数でも可)。

    3. 「フラッシュアーカイブの一覧 (Flash Archives Summary)」画面で選択されたアーカイブを確認し、「次へ (Next)」をクリックします。

    4. 「追加するフラッシュアーカイブ (Additional Flash Archives)」画面で、別のアーカイブを含む媒体を指定して、フラッシュアーカイブの追加インストールを実行できます。アーカイブをそれ以上インストールしない場合は、「なし - アーカイブの選択が完了しました (None)」を選択し、「次へ (Next)」をクリックしてインストールを継続します。手順 7 へ進みます。

  6. 初期インストールまたはアップグレードのいずれかを選択します。

    システムがアップグレード可能かどうかが判定されます。このためには、Solaris ルート(/) ファイルシステムがすでに存在していなければなりません。Solaris 9 INSTALLATION CD を使用してアップグレードする場合は、512M バイトのスライスが必要です。アップグレードが可能であることが確認されると、システムのアップグレードが開始されます。

  7. 画面の指示に従って、Solaris ソフトウェアをインストールします。フラッシュアーカイブをインストールしていない場合、ソフトウェアの追加インストールを行うことも可能です。

    Solaris Web Start インストールプログラムが Solaris ソフトウェアのインストールを終了すると、システムは自動的にリブートされるか、あるいはシステムのリブートを求める画面が表示されます。

    インストールが終了すると、インストールログがファイルに保存されます。インストールログは、次のディレクトリに作成されます。

    • /var/sadm/system/logs

    • /var/sadm/install/logs

  8. アップグレードを行った場合は、保存されなかったローカル変更があればそれを復元します。詳細は、アップグレード後にローカル変更を復元する方法を参照してください。