名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | ファイル | 属性 | 関連項目 | 注意事項 | 使用上の留意点
fdformat ユーティリティは、フロッピーディスクと PCMCIA メモリーカードをフォーマットします (fdformat の大部分の機能は、rmformat(1) ユーティリティにも提供されています)。新しいフロッピーディスクや PCMCIA メモリーカードは、使用する前にフォーマットする必要があります。
fdformat は、媒体をフォーマットして検証し、不良セクターが存在するかどうかを示します。フォーマットを行うと、フロッピーディスクまたは PCMCIA メモリーカード上にあった既存データは消去されます。デバイス名 (devname) を指定しない場合、fdformat はデフォルトでフロッピーディスクを使用します。
デフォルトでは、fdformat はドライブが持つ能力を使用して、フロッピーディスクをフォーマットします。3.5 インチ高密度ドライブは 1.44M バイトのフォーマット能力を持ちます。5.25 インチ高密度ドライブは 1.2M バイトのフォーマット能力を持ちます。どちらの場合も fdformat に密度オプションを指定する必要はありません。ただし、ドライブのデフォルト密度よりも低い密度のフロッピーディスクを使用する場合は、密度オプションを指定しなければなりません。超高密度 (ED) ドライブで高密度フロッピーディスク (1.44M バイト) をフォーマットするには、-H オプションを使用します。高密度 (HD) ドライブまたは超高密度 (ED) ドライブで倍密度 (低密度) フロッピーディスク (720K バイト) をフォーマットするには、-D、-l、または -L オプションを使用します。中密度フロッピーディスク (1.2M バイト)をフォーマットするには、-M オプション (-m オプションと同じ) と -t nec を組み合わせて使用します。
拡張密度は、両面拡張密度または超高密度 (DS/ED) フロッピーディスクで使用します。中密度および高密度は、両面高密度 (DS/HD) フロッピーディスクで使用します。倍密度 (低密度) は、両面倍密度 (DS/DD) フロッピーディスクで使用します。通常、ある密度のフロッピーディスクをより高いまたはより低い密度のフロッピーディスクに変更することは不可能です。フロッピーディスクの密度と異なる密度でフォーマットした場合、データの完全性は保証できません。
512K バイトから 64M バイトまでの密度の PCMCIA メモリーカードをフォーマットできます。
-x オプションを指定しない限り、fdformat は、すべてのトラック上のセクターごとに新しい識別フィールドとデータフィールドを書き込みます。-v オプションを指定した場合、fdformat はフロッピーディスクの各セクターを検証します。
フォーマットと検証の後、fdformat はオペレーティングシステムのラベルをブロック 0 に書き込みます。-t dos オプション (-d オプションと同じ) を使用すると、fdformat はフォーマット後に、 MS-DOS ファイルシステムをフロッピーディスクまたは PCMCIA メモリーカードに書き込みます。-t nec オプションと -M オプション (-m オプションと同じ) を組み合わせて使用すると、fdformat は NEC-DOS ファイルシステムをフロッピーディスクに書き込みます。上記以外の場合、fdformat は SunOS ラベルをブロック 0 に書き込みます。
次のオプションを指定できます。
媒体にボリュームラベル (label) を書き込みます。SunOS のボリュームラベルは 8 文字までの英数字です。MS-DOS のボリュームラベルは 11 文字までの大文字の英数字です。
特別なブートローダーを MS-DOS フロッピーディスク上の filename にインストールします。このオプションを指定するときには、必ず -d (または -t dos) オプションも指定する必要があります。
720K バイト (3.5 インチ) または 360K バイト (5.25 インチ) 倍密度フロッピーディスクをフォーマットします (-l または -L オプションと同じ)。倍密度タイプのドライブでは、このオプションがデフォルトの動作です。高密度または拡張密度タイプのドライブでは、このオプションを指定してください。
フォーマット後、フロッピーディスクを取り出します。この機能は、一部のシステムでは利用できません。
2.88M バイト (3.5 インチ) 拡張密度フロッピーディスクをフォーマットします。拡張密度タイプのドライブでは、このオプションがデフォルトの動作です。
強制的にフォーマットします。つまり、ユーザーによる確認なしでフォーマットを開始します。
1.44M バイト (3.5 インチ) または 1.2M バイト (5.25 インチ) 高密度フロッピーディスクをフォーマットします。高密度タイプのドライブでは、このオプションがデフォルトの動作です。拡張密度タイプのドライブでは、このオプションを指定してください。
高密度フロッピーディスクを 1.2M バイト (3.5 インチ) 中密度でフォーマットします。このオプションを指定するときには、必ず -t nec オプションも指定する必要があります。-M と -m は同じです。
この機能は、一部のシステムでは利用できません。
(Quiet) 状態メッセージを出力しません。
フォーマット後、MS-DOS ファイルシステムとブートセクターをフロッピーディスクにインストールします。このオプションは、-d オプションまたは MS-DOS の FORMAT コマンドと同じです。
フォーマット後、NEC-DOS ファイルシステムとブートセクターをフロッピーディスクにインストールします。このオプションを指定するときには、必ず -M オプションも指定する必要があります。この機能は、一部のシステムでは利用できません。
すべてのファイルシステム上で umount を実行し、その後でフォーマットします。mount(1M) のマニュアルページを参照してください。
フォーマット後、フロッピーディスクの各ブロックを検証します。
フォーマットを実行せずに、SunOS ラベルまたは MS-DOS ファイルシステムだけを書き込みます。
次のオペランドを指定できます。
第 1 ドライブを使用する場合は、rdiskette0 (ボリューム管理なしのシステム) または floppy0 (ボリューム管理ありのシステム) を devname に指定します。第 2 ドライブを使用する場合は、rdiskette1 (ボリューム管理なしのシステム) または floppy1 (ボリューム管理ありのシステム) を devname に指定します。devname を指定しない場合、第 1 ドライブが (存在すれば) 使用されます。
PCMCIA メモリーカードの場合、/dev/rdsk/cNtNdNsN または /dev/dsk/cNtNdNsN に存在する PCMCIA メモリーカード用のデバイス名を devname に指定します。devname を指定しない場合、デフォルトのフロッピーディスクドライブが (存在すれば) 使用されます。N は 10 進数の番号で、次のように指定します。
次のオプションは、以前のバージョンの fdformat との互換性のために残されています。できるだけ使用しないようにしてください。
MS-DOS フロッピーディスクまたは PCMCIA メモリーカードをフォーマットします (-t dos と同じ)。MS-DOS の FORMAT コマンドと同じです。
720K バイト (3.5 インチ) または 360K バイト (5.25 インチ) 倍密度フロッピーディスクをフォーマットします (-D または -L と同じ)。倍密度タイプのドライブでは、このオプションがデフォルトの動作です。高密度または拡張密度タイプのドライブでは、このオプションを指定してください。
720K バイト (3.5 インチ) または 360K バイト (5.25 インチ) 倍密度フロッピーディスクをフォーマットします (-l または -D と同じ)。倍密度タイプのドライブでは、このオプションがデフォルトの動作です。
高密度フロッピーディスクを 1.2M バイト (3.5 インチ) 中密度でフォーマットします。このオプションを指定するときには、必ず -t nec オプションも指定する必要があります。-m と -M は同じです。この機能は、一部のシステムでは利用できません。
フロッピーディスクドライブ 0 内にある媒体に、ブロック型デバイスとしてアクセスするためのディレクトリ。
フロッピーディスクドライブ 0 内にある媒体に、文字型デバイスとしてアクセスするためのディレクトリ。
フロッピーディスクドライブ 0 内にある媒体用の文字型デバイスへのシンボリックリンク。
一次フロッピーディスクドライブ (通常はドライブ 0) 内にある媒体に、文字型デバイスとしてアクセスするためのディレクトリ。
PCMCIA メモリーカードにブロック型デバイスとしてアクセスするためのディレクトリ。N の値については、「オペランド」の項を参照してください。
PCMCIA メモリーカードに文字型デバイスとしてアクセスするためのディレクトリ。N の値については、「オペランド」の項を参照してください。
ソケット S 内にある PCMCIA メモリーカード用の文字型デバイスへのシンボリックリンク (S は PCMCIA のソケット番号を示す)。
PCMCIA メモリーカードに、文字型デバイスとしてアクセスするためのディレクトリ。N の値については、「オペランド」の項を参照してください。
PCMCIA メモリーカードに、ブロック型デバイスとしてアクセスするためのディレクトリ。N の値については、「オペランド」の項を参照してください。
次の属性については、attributes(5) のマニュアルページを参照してください。
属性タイプ | 属性値 |
---|---|
使用条件 | SUNWcsu |
cpio(1), eject(1), rmformat(1), tar(1), volcancel(1), volcheck(1), volmissing(1), volrmmount(1), mount(1M), newfs(1M), prtvtoc(1M), vold(1M), rmmount.conf(4), vold.conf(4), attributes(5), pcfs(7FS), volfs(7FS)
SPARC ベースのシステム上で fdformat と newfs(1M) コマンドを使用して作成された UFS ファイルシステムを含むフロッピーディスクまたは PCMCIA メモリーカードは、IA ベースのシステム上で作成された UFS ファイルシステムを含むフロッピーディスクまたは PCMCIA メモリーカードと同じではありません。これらのプラットフォーム間で UFS のフロッピーディスクまたは PCMCIA メモリーカードを交換しないでください。これらのプラットフォーム間でフロッピーディスクまたはメモリーカード上のファイルを転送するには、 cpio(1) または tar(1) コマンドを使用してください。
-t dos (または -d) オプションを使用して MS-DOS 用にフォーマットされたフロッピーディスクまたは PCMCIA メモリーカードには、必要なシステムファイルがインストールされません (つまり、ブートできません)。このようなフロッピーディスクまたは PCMCIA メモリーカードを使用して PC 上でブートしようとすると、次のようなメッセージが表示されます。
Non-System disk or disk error. Replace and strike any key when ready |
現在のところ、フロッピーディスクまたは PCMCIA メモリーカード上の不良セクターの場所を検出する機能は、サポートされていません。このため、fdformat を実行してエラー (不良セクター) が検出された場合、そのフロッピーディスクまたは PCMCIA メモリーカードを使用できません。
名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | ファイル | 属性 | 関連項目 | 注意事項 | 使用上の留意点