名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | 使用法 | 環境 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目 | 注意事項
第 1 の形式の mv ユーティリティは、source オペランドが示すファイルを target_file が示す宛先に移動します。source と target_file に同じ名前を指定することはできません。target_file が存在しない場合、mv はその名前のファイルを新たに作成します。 target_file が存在していれば、その内容は上書きされます。 最終オペランドが既存のディレクトリを示していないとき、 mv はこの第 1 形式であると見なします。
第 2 の形式の mv は、 source オペランドで指定された各ファイルを target_dir オペランドが示す既存ディレクトリ中のファイルに移動します。 各 source 用の宛先パス名は、宛先ディレクトリ名のあとにスラッシュ (/) と source の最終パス名部分を付加したものとなります。 最終オペランドが既存のディレクトリを示しているとき、 mv はこの第 2 形式であると見なします。
mv は、 target_file のモードが書き込み禁止であると判断すると、モードを表示し ( chmod(2) 参照 ) 、応答を要求して、標準入力を 1 行読み取ります。応答が肯定である場合、使用可能ならば mv が実行されます。 それ以外の場合、このコマンドは終了します。target_file が ACL を有効としている場合、 モードはアクセス権を完全には表示しません。 source の親ディレクトリが書き込み可能でスティッキ・ビットセット を持っている場合、以下の条件のうち 1 つ以上が真である必要があります。
ユーザーはファイルを所有している必要がある
ユーザーはディレクトリを所有している必要がある
ファイルはユーザーが書き込み可能である必要があるr
ユーザーは特権ユーザーである必要がある
source がファイルで target_file が複数のリンクを持っている別のファイルへのリンクで ある場合、他のリンクは残存し、 target_file は新しいファイルになります。
source と target_dir が、異なるファイルシステム上にある場合、 mv はソースファイルをコピーし、もとのファイルまたはディレクトリを削除します。 他のファイルへのハードリンクはすべてなくなります。 mv は 、ソースファイルの特性 (ファイルの所有者 ID やグループ ID、アクセス権モード、修正時間やアクセス時間、および適用可能であれば ACL と拡張属性) も対象ファイルに引き継ごうとします。シンボリックリンクに対しては、リンク自体の所有者 ID やグループ ID だけを保存します。
所有者 ID やグループ ID を保存できなかった場合、mv は対象ファイルの S_ISUID ビットと S_ISGID ビットをクリアします。これらのビットをクリアできなかった場合には、stderr に診断メッセージを出力しますが、終了ステータスには影響を及ぼしません。ターゲットのファイルシステムが拡張属性をサポートしていない場合、mv は拡張属性を保持できません。/usr/xpg4/bin/mv が、ファイルの特性を引き継ごうとして失敗したその他すべてのエラーに付いて、stderr に診断メッセージを出力します。この場合にも、終了ステータスには影響を及ぼしません。
ソースファイルの特性を保存するには、ユーザーが適切なファイルのアクセス権を持っている必要があります。つまり、スーパーユーザーになるか、あるいは対象ファイルと同じ所有者 ID を持つことが必要です。
以下のオプションを指定できます。
mv は、既存の target に書き込む場合でもプロンプトを出さずにファイルを移動します。 標準入力が端末でない場合これがデフォルトになることに注意してください。
mv は、 移動により既存の target が上書きされる場合は、必ず、確認のプロンプトを出します。 肯定を応答すれば、移動処理は続行されます。 その他の応答では、 mv は target を上書きしません。
-f と -i のオプションを両方指定してもエラーとは見なされません。 -f オプションの方が有効となります。
-f と -i のオプションを両方指定してもエラーとは見なされません。 mv の動作は、最後に指定された方に従います。
以下のオペランドを指定できます。
移動するファイルまたはディレクトリのパス名
移動するファイルまたはディレクトリの新たなパス名
ファイルの移動先となる既存ディレクトリのパス名
ファイルが 2 ギガバイト ( 231 バイト) 以上ある場合の mv の動作については、 largefile(5) を参照してください。
mv の実行に影響を与える環境変数 LC_CTYPE 、 LC_MESSAGES 、 NLSPATH についての詳細は、 environ(5) を参照してください。
次の属性については attributes(5) のマニュアルページを参照してください。
cp(1), cpio(1), ln(1), rm(1), setfacl(1), chmod(2), attributes(5), environ(5), fsattr(5), largefile(5), XPG4(5)
–– によって、 ユーザーはコマンド行オプションの終端を明示的にマーク付けできるので、 mv は – で始まるファイル名引数を認識できるようになります。 BSD 移行のサポートとして、 mv は – を –– の同義語として受け入れます。 この移行サポートは、将来のリリースではなくなる可能性があります。
名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | 使用法 | 環境 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目 | 注意事項