Solaris 9 インストールガイド

マスターシステムへの初期インストールの設計

フラッシュインストールの最初の作業は、各クローンシステムで行いたい構成と同じ構成でマスターシステムにインストールすることです。アーカイブは、任意の Solaris のインストール方法でマスターシステムにインストールできます。インストールは、Solaris オペレーティング環境のサブセットであっても完全なインストールであってもかまいません。このインストールの完了後、ソフトウェアの追加または削除、構成ファイルの変更を行います。

マスターシステムとクローンシステムとで、カーネルアーキテクチャを同じにする必要があります。たとえば、sun4u アーキテクチャのマスターシステムから作成されたアーカイブを使用できるのは、sun4u アーキテクチャのクローンをインストールする場合だけです。

各クローンシステムと全く同じ構成で、マスターシステムをインストールする必要があります。マスターシステムへのインストールの設計は、次の要素で決まります。

その後、システム上のソフトウェアをカスタマイズできます。アーカイブのファイルとディレクトリのカスタマイズを参照してください。マスターシステムは、クローンシステムの更新のために変更および設定が可能です。フラッシュアーカイブの作成の計画を参照してください。

マスターシステムのカスタマイズ

Solaris の任意のインストール方法でマスターシステムに Solaris オペレーティング環境をインストールした後、必要に応じてソフトウェアの追加や削除、およびシステム構成情報の変更を行います。

アーカイブの作成時に、さらにカスタマイズを行うことができます。たとえば、アーカイブに含める必要のない大規模なデータファイルを除外できます。この概要については、アーカイブのファイルとディレクトリのカスタマイズを参照してください。

クローンシステムを更新する場合、差分アーカイブを作成できます。フラッシュアーカイブの作成の計画を参照してください。

SPARC および x86 システム用のアーカイブの作成

フラッシュインストールを使用して SPARC システムと x86 システムの両方に Solaris ソフトウェアをインストールしたい場合は、それぞれのプラットフォーム用のフラッシュアーカイブを個別に作成する必要があります。SPARC システムにインストールするには、SPARC マスターシステムから作成されたフラッシュアーカイブを使用します。x86 マスターシステムにインストールするには、x86 マスターシステムから作成されたフラッシュアーカイブを使用します。

SPARC: マスターシステムに存在しない周辺装置のサポート

マスターシステムにインストールするドライバの選択は、マスターシステムとクローンシステムの両方に取り付けられた周辺装置、およびインストールされたソフトウェアグループのタイプによって異なります。クローンシステムが、マスターシステムとは異なる周辺装置を保持している場合、アーカイブを作成する前に、マスターシステムに適切なドライバをインストールする必要があります。


注 –

Solaris ソフトウェアをインストールする場合、いくつかのハードウェア固有のドライバは、システム上でサポートするハードウェアが検出された場合にのみインストールされることがあります。


コアシステムサポート (Core) ソフトウェアグループ、エンドユーザーシステムサポート (End User) ソフトウェアグループ、開発者システムサポート (Developer) ソフトウェアグループ、または全体ディストリビューション (Entire) ソフトウェアグループをマスターシステムにインストールした場合、マスターシステムがサポートするのはインストール時にマスターシステムに接続されていた周辺装置だけです。マスターシステムに周辺装置が接続されていない場合でも、全体ディストリビューションとOEM サポート(Entire plus OEM) ソフトウェアグループをインストールすることにより、周辺装置のサポートをマスターシステムにインストールできます。システムに存在するハードウェアに関係なく、すべてのドライバがインストールされます。また、必要な周辺装置をサポートするパッケージを選択してインストールすることも可能です。

全体ディストリビューションとOEM サポート (Entire plus OEM) ソフトウェアグループ以外のソフトウェアグループをマスターシステムにインストールする場合は、クローンシステムにインストールする必要のある適切なドライバすべては保持していない可能性があります。たとえば、GX CG6 フレームバッファーを持つマスターシステムに全体ディストリビューション (Entire) ソフトウェアグループをインストールした場合、GX CG6 フレームバッファードライバだけがインストールされます。インストールするクローンシステムすべてが GX CG6 フレームバッファーを保持するか、フレームバッファーを一切保持しない場合、この状況で問題は発生しません。

Elite 3D など、他のフレームバッファーがインストールされたクローンシステムにアーカイブをインストールする場合、クローンシステムはフレームバッファーサポートを保持しません。このため、全体ディストリビューションとOEM サポート (Entire plus OEM) ソフトウェアグループをインストールしてすべてのフレームバッファーを含むアーカイブを作成するか、適切なフレームバッファードライバパッケージをマスターシステムに追加して該当するフレームバッファードライバをインストールする必要があります。

以下のいずれかの方法で、マスターシステムとは異なる周辺装置のサポートをクローンシステムにインストールできます。