Solaris のシステム管理 (上級編)

ttymon サービスの管理

pmadm コマンドを使用してサービスを追加したり、ポートモニターに関連付けられている 1 つ以上のポートのサービスを表示したり、サービスを有効または無効にしたりできます。

サービスを追加する方法

  1. スーパーユーザーになります。

  2. 標準の端末サービスを mbmon ポートモニターに追加します。


    # pmadm -a -p mbmon -s a -i root -v `ttyadm -V` -m "`ttyadm -i 'Terminal
     disabled' -l contty -m ldterm,ttcompat -S y -d /dev/term/a 
    -s /usr/bin/login`"
    

    注 –

    上記の例では入力が自動的に次の行にまたがっていますが、実際には Return キーを押さずに (改行なしに) 入力します。


    -a

    ポートモニター追加用のフラグを指定する 

    -p

    mbmon をポートモニタータグとして指定する

    -s

    a をポートモニターサービスタグとして指定する

    -i

    識別情報を、サービス実行中にポートモニターサービスタグに割り当てられるように指定する 

    -v

    ポートモニターのバージョン番号を指定する 

    -m

    ttyadm により書式化された ttymon 固有の構成データを指定する

    上記の pmadm コマンドには ttyadm コマンドが組み込まれています。その組み込みコマンドの中の指定項目の意味は次のとおりです。

    -b

    ポートを双方向用にするフラグを指定する 

    -i

    無効応答メッセージを指定する 

    -l

    /etc/ttydefs ファイルにあるどの TTY 名を使用するか指定する

    -m

    サービスを起動する前にプッシュする STREAMS モジュールを指定する 

    -d

    TTY ポートに使用する装置へのフルパス名を指定する 

    -s

    接続要求を受信したとき起動するサービスへのフルパス名を指定する。引数が必要な場合、コマンドと引数を二重引用符 (“) で囲む 

TTY ポートサービスの状態を表示する方法

pmadm コマンドを次に示すように使用して、特定のポートモニターに設定されている 1 つまたはすべての TTY ポートの状態を表示します。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. ポートモニターの 1 つのサービスを表示します。


    # pmadm -l -p mbmon -s a
    

    -l

    システム上のサービス情報を表示する 

    -p

    mbmon をポートモニタータグとして指定する

    -s

    a をポートモニターサービスタグとして指定する

例 - 1 つのポートモニターのすべてのサービスを表示する

この例は、ポートモニターのすべてのサービスを表示します。


# pmadm -l -p mbmon
PMTAG  PMTYPE  SVCTAG FLAGS ID    <PMSPECIFIC> 
mbmon  ttymon  a      -     root  /dev/term/a - - /usr/bin/login - contty
ldterm,ttcompat login:  Terminal disabled tvi925 y  #

PMTAG

pmadm -p コマンドを使用して設定された、ポートモニター名 mbmon を指定する

PMTYPE

ポートモニターのタイプ ttymon を指定する

SVCTAG

pmadm -s コマンドを使用して設定された、サービスタグ値を示す

FLAGS

次のフラグが pmadm -f コマンドを使用して設定されているかどうかを指定する

  • x — サービスを有効にしない

  • u — サービス用の utmpx エントリを作成する

  • ダッシュ (-) — フラグの設定なし

ID

起動時にサービスに割り当てられた ID を示すこの値は、pmadm -i コマンドを使用して設定される

<PMSPECIFIC> の情報

 

/dev/term/a

ttyadm -d コマンドを使用して設定された、TTY ポートパス名を示す

-

次のフラグが ttyadm -c -b -h -I -r コマンドを使用して設定されているかどうかを示す。

  • c — キャリア検出時に接続するよう、ポートを設定する

  • b — ポートが双方向性である (着信トラフィックと発信トラフィックの両方を許可する) と設定する

  • h — 着呼が受信された直後の自動ハングアップを抑制する

  • I — ポートを初期化する

  • r — ポートから文字を受信するまで、ttymonlogin: メッセージを出力しないよう待機させる

  • ダッシュ (-) — フラグの設定なし

-

ttyadm -r count オプションを使用して設定された値を示す。このオプションは、ポートからデータを受信後に、ttymon がプロンプトを表示するときを決定する。count が 0 の場合、ttymon は任意の文字を受信するまで待機する。count が 0 より大きい場合、ttymoncount の数だけ新規行を受信するまで待機する。この例では、値は設定されていない

/usr/bin/login

接続を受信したときに呼び出されるサービスのフルパス名を指定する。この値は、ttyadm -s コマンドを使用して設定される

-

ttyadm -t コマンドのタイムアウト値を指定する。 このオプションは、ポートを開くことに成功して、かつ入力データが timeout 秒内に受信されていない場合に、ttymon がポートを閉じることを指定する。 この例では、タイムアウト値は設定されていない

contty

/etc/ttydefs ファイル中の TTY 名を指定する。この値は、ttyadm -l コマンドを使用して設定される

ldterm,ttcompat

プッシュする STREAMS モジュールを指定する。これらのモジュールは、ttyadmin -m コマンドを使用して設定される

login: Terminal disabled

ポートが無効であるときに表示される、アクティブでないメッセージを指定する。このメッセージは、ttyadm -i コマンドを使用して設定される

tvi925

ttyadm -T コマンドを使用して設定されている場合、端末タイプを指定する。この例では、端末タイプは、tvi925

y

ttyadm -S コマンドを使用して設定されたソフトウェアキャリア値を指定する。n は、ソフトウェアキャリアをオフにする。y は、ソフトウェアキャリアをオンにする。この例では、ソフトウェアキャリアはオン

#

pmadm -y コマンドで指定した任意のコメントを指定する。この例では、コメントは存在しない

ポートモニターサービスを有効にする方法

  1. スーパーユーザーになります。

  2. 無効になっているポートモニターサービスを有効にします。


    # pmadm -e -p mbmon -s a
    

    -e

    有効フラグを指定する 

    -p

    mbmon をポートモニタータグとして指定する

    -s

    a をポートモニターサービスタグとして指定する

ポートモニターサービスを無効にする方法

  1. スーパーユーザーになります。

  2. ポートモニターサービスを無効にします。


    # pmadm -d -p mbmon -s a
    

    -d

    無効フラグを指定する 

    -p

    mbmon をポートモニタータグとして指定する

    -s

    a をポートモニターサービスタグとして指定する