この章では、システムアカウントの参照情報について説明します。
この章の内容は、次のとおりです。
主となる日次アカウンティングスクリプトである runacct は、通常はプライムタイムつまり最も忙しい時間帯を避けて cron コマンドにより起動されます。この runacct スクリプトは、接続、料金、ディスク、プロセス用の各アカウンティングファイルを処理します。さらに、このスクリプトは、課金目的で prdaily と monacct スクリプトが使用する日次および累積要約ファイルも準備します。
runacct スクリプトは、エラーが発生した場合、ファイルを壊さないよう注意します。一連の保護機構により、エラーを認識し、インテリジェント診断を提供し、最小のユーザー介入で runacct スクリプトを起動し直せるように処理を完了しようとします。runacct は、説明メッセージを active というファイルに書き込み、進捗状況を記録します。runacct スクリプトが使用するファイルは、特記しない限り、/var/adm/acct/nite ディレクトリにあります。 runacct スクリプト実行中の診断内容の出力は、fd2log ファイルに書き込まれます。
runacct スクリプトが実行されると、lock および lock1 ファイルが作成されます。これらのファイルは、runacct が同時に実行されるのを防ぎます。runacct プログラムは、起動時にこれらのファイルが存在すれば、エラーメッセージを出力します。lastdate ファイルには runacct スクリプトが最後に起動されたときの月日が入っており、このファイルは runacct スクリプトを 1 日に 1 回しか実行できないようにするために使用されます。runacct スクリプトがエラーを検出した場合は、エラーメッセージがコンソールに出力され、メールが root と adm に送られ、ロックが解除され、診断ファイルが保存され、実行が終了されます。runacct スクリプトを再び起動する手順については、runacct スクリプトを再起動する方法を参照してください。
runacct スクリプトを再起動可能にするために、処理は再入可能な別々の状態に分割されます。statefile というファイルを使用して、最後に終了した状態が追跡されます。各状態が終了するたびに、statefile は更新されて次の状態に反映されます。1 つの状態の処理が終了すると、statefile ファイルが読み取られて次の状態が処理されます。runacct スクリプトは、CLEANUP 状態に達すると、ロックを解除して実行を終了します。各状態は次の表のように実行されます。
表 20–1 runacct 状態
状態 |
説明 |
---|---|
SETUP |
turnacct switch コマンドが実行されて新しい pacct ファイルが作成される。/var/adm/pacctn プロセスアカウンティングファイル (pacct ファイルを除く) は、/var/adm/Spacctn.MMDD ファイルに移される。/var/adm/wtmpx ファイルは (最後に現在時のレコードが追加されて) /var/adm/acct/nite/wtmp.MMDD に移され、新しい /var/adm/wtmp が作成される。closewtmp および utmp2wtmp プログラムは、現在ログインしているユーザーに課金するために wtmp. MMDD ファイルと新しい wtmpx ファイルにレコードを追加する。 |
WTMPFIX |
wtmpfix プログラムが nite ディレクトリ内の wtmp.MMDD ファイルを調べて誤りがないか確認する。日付の変更により、acctcon プログラムの失敗が引き起こされることがあるため、日付のレコードが変更されると、 wtmpfix プログラムは wtmpx ファイルのタイムスタンプを調整しようとする。さらに、 wtmpx ファイルからのエントリが壊れていた場合、壊れたエントリをすべて削除する。問題が解決された後のバージョンの wtmp.MMDD ファイルは、tmpwtmp ファイルに書き込まれる。 |
CONNECT |
acctcon プログラムが使用されて、ctacct.MMDD ファイルに接続アカウンティングレコードが記録される。これらのレコードは tacct.h 形式になっている。acctcon は、さらに lineuse および reboots ファイルを作成する。reboots ファイルは、wtmpx ファイルで見つかったすべてのブートレコードを記録する |
PROCESS |
acctprc プログラムが使用されて、/var/adm/Spacctn.MMDD プロセス課金ファイルを ptacctn.MMDD ファイルのアカウンティングレコードの合計に変換する。runacctスクリプトが失敗した場合に、Spacct ファイルが処理されないように、Spacct ファイルと ptacct ファイルは番号で照合される |
MERGE |
acctmerg プログラムが、プロセスアカウンティングレコードを接続アカウンティングレコードとマージして daytacct ファイルを作成する |
FEES |
acctmerg プログラムが、fee ファイルからの ASCII tacct レコードを daytacct ファイルにマージする |
DISK |
dodisk スクリプトの手続きが実行されて disktacct ファイルが作成されている場合は、そのファイルを DISK プログラムは daytacct ファイルにマージし、disktacct ファイルを /tmp/disktacct.MMDD ファイルに移動させる |
MERGETACCT |
acctmerg プログラムが、daytacct を累積合計課金ファイルである sum/tacct ファイルとマージする。毎日 daytacct ファイルが sum/tacct. MMDDに保存されるため、sum/tacct が壊れたり失われたりしても、作成し直すことができる |
CMS |
acctcms プログラムが数回実行される。まず、このプログラムが実行され、Spacctn ファイルを使用してコマンド要約を生成し、sum/daycms ファイルに日付を書き込む。次に、acctcms プログラムは、sum/daycms ファイルと sum/cms 累積コマンド要約ファイルをマージする。最後に、acctcms プログラムは、nite/daycms および nite/cms という ASCII コマンド要約ファイルを、それぞれ sum/daycms および sum/cms ファイルから作成する。lastlogin プログラムを使用してログファイル /var/adm/acct/sum/loginlog が作成される。これは、各ユーザーが最後にログインした時刻を示すレポートである。runacct スクリプトが真夜中を過ぎてから実行された場合は、いずれかのユーザーが最後にログインした時刻を示す日付が 1 日分狂うことになる |
USEREXIT |
インストールに依存する任意の (ローカル) 課金プログラムをこの時点で取り入れることができる。runacct スクリプトは、そのプログラムを /usr/lib/acct/runacct.local プログラムと呼ばれるものと想定する |
CLEANUP |
一時ファイルが整理され、prdaily スクリプトが実行され、その出力が sum/rpt. MMDD ファイルに保存され、ロックが解除されて終了する |
runacct スクリプトを CLEANUP 状態で起動し直すときは、最後の ptacct ファイルが不完全であるため、このファイルを削除してください。
runacct シェルスクリプトは、呼び出されるたびに基本的な 5 種類のレポートを生成します。5 つの基本レポートは次のとおりです。
表 20–2 日次アカウンティングレポート
レポートの種類 |
説明 |
---|---|
tty 番号別の端末回線の利用状況を示す |
|
ユーザー別のシステム資源の利用状況を示す。ユーザー ID 順に表示される |
|
コマンド別のシステム資源の利用状況を示す。メモリー使用量が大きい順に表示される。つまり、メモリーを最も多く使用したコマンドから先に表示される。これと同じ情報が月次コマンド概要で該当月について報告される |
|
monacct プログラムの最新の実行から累積した日付を反映した累積概要 |
|
各ユーザーが最後にログインした日付を示す。日付順に表示される |
このレポートは、使用された各端末回線に関する情報を示します。次に日次レポートの例を示します。
Oct 16 02:30 2002 DAILY REPORT FOR venus Page 1 from Mon Oct 15 02:30:02 2002 to Tue Oct 16 02:30:01 2002 1 runacct 1 acctcon TOTAL DURATION IS 1440 MINUTES LINE MINUTES PERCENT # SESS # ON # OFF console 868 60 1 1 2 TOTALS 868 -- 1 1 2 |
from および to の行は、レポートに反映される時間帯を指定します。この時間帯とは、直前の日次レポートが生成された時間から現在の日次レポートが生成されるまでの時間のことです。次に、システムリブートのログ、シャットダウン、電源異常からの回復、acctwtmp プログラムによって /var/adm/wtmpx ファイルにダンプされたその他のレコードが続きます。詳細は、acct(1M) のマニュアルページを参照してください。
このレポートの第 2 部は回線利用状況の内訳です。TOTAL DURATION は、システムがどれだけの時間マルチユーザーモード (端末回線を通してアクセス可能です) であったかを示します。次の表は、日次レポートのデータを説明したものです。
表 20–3 日次レポート
マシンの稼動中は、/var/adm/wtmpx ファイルが接続アカウンティングの元になるため、このファイルを監視する必要があります。wtmpx ファイルが急速に大きくなる場合は、次のコマンドを実行して、どの tty 回線が最も使用頻度が高いかを調べてください。
# /usr/lib/acct/acctcon -l file < /var/adm/wtmpx |
割り込みが頻繁に発生する場合は、全般的なシステムのパフォーマンスが影響を受けることになります。さらに、wtmp ファイルが壊れることもあります。この問題を解決するには、壊れた wtmpx ファイルの修復方法を参照してください。
このレポートは、システム資源の利用状況のユーザー別の内訳を示します。このレポートの例は、次のとおりです。
Oct 16 02:30 2002 DAILY USAGE REPORT FOR skisun Page 1 LOGIN CPU (MINS) KCORE- MINS CONNECT (MINS) DISK # OF # OF # DISK FEE UID NAME PRIME NPRIME PRIME NPRIME PRIME NPRIME BLOCKS PROCS SESS SAMPLES 0 TOTAL 72 148 11006173 51168 26230634 57792 539 330 0 2150 1 0 root 32 76 11006164 33664 26230616 22784 0 0 0 127 0 4 adm 0 0 22 51 0 0 0 420 0 0 0 101 rimmer 39 72 894385 1766020 539 330 0 1603 1 0 0 |
次の表は、日次利用状況レポートのデータを説明したものです。
表 20–4 日次利用状況レポート
このレポートはコマンド別のシステム資源の利用状況を示します。このレポートでは、最も使用率の高いコマンドがわかり、それらコマンドがどのようにシステム資源を利用しているかに基づいて、どのようにしたらシステムの最適チューニングが可能かを知ることができます。
これらのレポートは TOTAL KCOREMIN によってソートされます。TOTAL KCOREMIN は任意の基準ですが、システムでのドレーンの計算にはすぐれた指標です。
日次コマンド要約の例を、次に示します。
TOTAL COMMAND SUMMARY COMMAND NUMBER TOTAL TOTAL TOTAL MEAN MEAN HOG CHARS BLOCKS NAME CMDS KCOREMIN CPU-MIN REAL-MIN SIZE-K CPU-MIN FACTOR TRNSFD READ TOTALS 2150 1334999.75 219.59 724258.50 6079.48 0.10 0.00 397338982 419448 netscape 43 2456898.50 92.03 54503.12 26695.51 2.14 0.00 947774912 225568 adeptedi 7 88328.22 4.03 404.12 21914.95 0.58 0.01 93155160 8774 dtmail 1 54919.17 5.33 17716.57 10308.94 5.33 0.00 213843968 40192 acroread 8 31218.02 2.67 17744.57 11682.66 0.33 0.00 331454464 11260 dtwm 1 16252.93 2.53 17716.57 6416.05 2.53 0.00 158662656 12848 dtterm 5 4762.71 1.30 76300.29 3658.93 0.26 0.00 33828352 11604 dtaction 23 1389.72 0.33 0.60 4196.43 0.01 0.55 18653184 539 dtsessio 1 1174.87 0.24 17716.57 4932.97 0.24 0.00 23535616 5421 dtcm 1 866.30 0.18 17716.57 4826.21 0.18 0.00 3012096 6490 |
次の表は、日次コマンド要約のデータを説明したものです。
表 20–5 日次コマンド要約レポート
列 |
説明 |
---|---|
コマンド名。プロセスアカウンティングシステムではオブジェクトモジュールしか報告されないので、シェルプロシージャはすべて sh という名前で取り扱われる。a.out または core と呼ばれるプログラム、またはその他の、適切とは思われない名前のプログラムの使用頻度を監視すると良い。acctcom プログラムを使用して、名前に疑問があるコマンドを誰が実行したか、スーパーユーザー特権が使用されたかどうかを知ることができる |
|
NUMBER CMDS |
プライムタイム時間帯に、このコマンドが呼び出された回数 |
TOTAL KCOREMIN |
実行時の毎分当たりにプロセスが使用した K バイトメモリーセグメント数という計量値の累積合計 |
TOTAL CPU-MIN |
このプログラムのプライムタイム時間帯の累積合計処理時間 |
このプログラムのプライムタイム時間帯の累積合計実時間 (壁掛け時計)。分単位 |
|
MEAN SIZE-K |
NUMBER CMDS で表される呼び出し回数に対する TOTAL KCOREMIN の平均 |
MEAN CPU-MIN |
NUMBER CMDS に対する TOTAL CPU-MIN の平均 |
HOG FACTOR |
合計 CPU 時間を経過時間で割った値。システム利用可能時間とシステム使用時間との比であり、プロセスがその実行中に消費する合計利用可能 CPU 時間の相対値を示す |
読み取りおよび書き込みシステムコールによってプッシュされた文字の合計数。オーバフローのために負の値になることがある |
|
BLOCKS READ |
プロセスが実行した物理ブロックの読み取りおよび書き込みの合計数 |
日次コマンド要約と月次コマンド要約のレポート形式は、実際は同じものです。ただし、日次コマンド要約は現在のアカウンティング期間だけでレポートするのに対し、月次コマンド要約は会計期間の当初から現在の日付までをレポートします。つまり、月次レポートは、monacct プログラムが最後に実行されたときからの累積データの累積要約を表します。
Oct 16 02:30 2002 MONTHLY TOTAL COMMAND SUMMARY Page 1 TOTAL COMMAND SUMMARY COMMAND NUMBER TOTAL TOTAL TOTAL MEAN MEAN HOG CHARS BLOCKS NAME CMDS KCOREMIN CPU-MIN REAL-MIN SIZE-K CPU-MIN FACTOR TRNSFD READ TOTALS 42718 4398793.50 361.92 956039.00 12154.09 0.01 0.00 16100942848 825171 netscape 789 3110437.25 121.03 79101.12 25699.58 0.15 0.00 3930527232 302486 adeptedi 84 1214419.00 50.20 4174.65 24193.62 0.60 0.01 890216640 107237 acroread 145 165297.78 7.01 18180.74 23566.84 0.05 0.00 1900504064 26053 dtmail 2 64208.90 6.35 20557.14 10112.43 3.17 0.00 250445824 43280 dtaction 800 47602.28 11.26 15.37 4226.93 0.01 0.73 640057536 8095 soffice. 13 35506.79 0.97 9.23 36510.84 0.07 0.11 134754320 5712 dtwm 2 20350.98 3.17 20557.14 6419.87 1.59 0.00 190636032 14049 |
月次コマンド要約で提供されるデータの説明については、日次コマンド要約を参照してください。
このレポートは、特定のログインが最後に使用された日付を示します。この情報を使用して、使用されていないログインやログインディレクトリを見つけることができます。それらのログインやログインディレクトリは保存して削除できます。次に例を示します。
Oct 16 02:30 2002 LAST LOGIN Page 1 01-06-12 kryten 01-09-08 protoA 01-10-14 ripley 01-07-14 lister 01-09-08 protoB 01-10-15 scutter1 01-08-16 pmorph 01-10-12 rimmer 01-10-16 scutter2 |
/var/adm/pacctn ファイル、または acct.h 形式の任意のファイルの内容は、acctcom プログラムを使用していつでも調べることができます。このコマンドを実行するときに、ファイルも標準入力も指定しなければ、acctcom コマンドは pacct ファイルを読み取ります。acctcom コマンドで読み取られる各レコードは、終了したプロセスの情報を表します。アクティブなプロセスは、ps コマンドを実行して調べます。acctcom コマンドのデフォルト出力は次に示す情報を示します。
acctcom 出力ファイルを、次に示します。
# acctcom COMMAND START END REAL CPU MEAN NAME USER TTYNAME TIME TIME (SECS) (SECS) SIZE(K) #accton root ? 02:30:01 02:30:01 0.03 0.01 304.00 turnacct adm ? 02:30:01 02:30:01 0.42 0.01 320.00 mv adm ? 02:30:01 02:30:01 0.07 0.01 504.00 utmp_upd adm ? 02:30:01 02:30:01 0.03 0.01 712.00 utmp_upd adm ? 02:30:01 02:30:01 0.01 0.01 824.00 utmp_upd adm ? 02:30:01 02:30:01 0.01 0.01 912.00 utmp_upd adm ? 02:30:01 02:30:01 0.01 0.01 920.00 utmp_upd adm ? 02:30:01 02:30:01 0.01 0.01 1136.00 utmp_upd adm ? 02:30:01 02:30:01 0.01 0.01 576.00 closewtm adm ? 02:30:01 02:30:01 0.10 0.01 664.00 |
コマンド名 (# 記号はスーパーユーザー特権を使用して実行された場合)
ユーザー名
tty 名 (不明の場合は ? として表示)
コマンド開始時刻
コマンド終了時刻
実時間 (秒単位)
CPU 時間 (秒単位)
平均サイズ (K バイト単位)
acctcom オプションを使用すると、次の情報を得ることができます。
fork/exec フラグの状態 (exec を使用しない fork の場合は 1 )
システム終了状態
hog 係数
合計 kcore 分
CPU 係数
転送文字数
読み取りブロック数
表 20–6 で acctcom のオプションを説明します。
オプション |
説明 |
---|---|
-a |
選択したプロセスに関する特定の平均統計を表示する。統計は出力が記録された後に表示される |
-b |
ファイルを逆読みし、最後のコマンドから先に表示する。標準入力の読み込みには関係しない |
-f |
fork/exec フラグおよびシステム終了状態カラムを出力する。出力は 8 進数 |
-h |
平均メモリーサイズの代わりに hog 係数を表示する。これは経過時間とプロセスが実行中に消費した合計 CPU 利用可能時間との比。hog 係数 = 合計 CPU 利用時間/経過時間 |
-i |
入出力カウントを含むカラムを出力する |
-k |
メモリーサイズの代わりに、キロバイト/分ごとのコアサイズの合計値を表示する |
-m |
平均コアサイズを表示する。これがデフォルト |
-q |
平均統計だけを出力する。出力レコードは出力しない |
-r |
CPU 係数 (システム使用時間 / (システム使用時間 + ユーザー使用時間)) を表示する |
-t |
システムおよびユーザー CPU 時間を表示する |
-v |
出力からカラム見出しを除外する |
-C sec |
合計 (システム + ユーザー) CPU 時間が sec 秒を超えたプロセスだけを表示する |
-e time |
time 以前に存在したプロセスを hr[:min[:sec]] の書式で表示する |
-E time |
time 以前に開始されたプロセスを hr[:min[:sec]] の書式で表示する。同じ time を -S と -E の両方に使用すれば、そのときに存在していたプロセスを表示する |
-g group |
group に属しているプロセスだけを表示する |
-H factor |
factor を超えるプロセスだけを表示する。ただし、factor は「hog 係数」(-h オプションを参照) |
-I chars |
chars によって指定されるカットオフ数を超える文字数を転送したプロセスだけを表示する |
-l line |
端末 /dev/line に属しているプロセスだけを表示する |
-n pattern |
pattern 「+」が 1 回以上現れることを意味する以外は、一般的な正規表現に一致するコマンドだけを表示する |
-o ofile |
レコードを出力しないで、レコードを acct.h 形式で ofile にコピーする |
-O sec |
CPU システム時間が sec 秒を超えるプロセスだけを表示する |
-s time |
time 以後に存在したプロセスを hr[:min[: sec]] の書式で表示する |
-S time |
time 以後に開始されたプロセスを hr[:min[: sec]] の書式で表示する |
-u user |
user に属しているプロセスだけを表示する |
/var/adm ディレクトリには、使用中のデータ収集ファイルが含まれています。次の表は、このディレクトリにあるアカウンティングファイルを説明しています。
表 20–7 /var/adm ディレクトリ内のファイル
ファイル |
説明 |
---|---|
dtmp |
acctdusg プログラムからの出力 |
fee |
chargefee プログラムからの出力である ASCII の tacct レコード |
pacct |
現在使用中のプロセスアカウンティングファイル |
pacctn |
turnacct スクリプトの実行によって切り替えられたプロセスアカウンティングファイル |
Spacctn.MMDD |
runacct スクリプトの実行中に生成された MMDD 日付のプロセスアカウンティングファイル |
/var/adm/acct ディレクトリには、nite、sum、fiscal の各ディレクトリが設けられ、それぞれに実際のデータ収集ファイルが格納されます。たとえば、nite ディレクトリは runacct スクリプトが毎日繰り返して使用するファイルを格納しています。表 20–8 で、/var/adm/acct/nite ディレクトリ内の各ファイルを簡単に説明します。
表 20–8 /var/adm/acct/nite ディレクトリ内のファイル
ファイル |
説明 |
---|---|
active |
runacct スクリプトが進捗状況の記録用、警告メッセージ、エラーメッセージの出力用として使用する |
active.MMDD |
runacct スクリプトがエラーを検出した後は、active ファイルに同じ |
cms |
prdaily が使用する ASCII の合計コマンド要約 |
ctacct.MMDD |
tacct.h 形式の接続アカウンティングレコード |
ctmp |
acctcon1 プログラムの出力。ctmp.h 形式の接続セッションレコード (acctcon1 と acctcon2 は互換性を保証するために用意) |
daycms |
prdaily スクリプトが使用する ASCII 日次コマンド要約 |
tacct.h 形式の 1 日分の合計アカウンティングレコード |
|
disktacct |
tacct.h 形式のディスクアカウンティングレコード。dodisk スクリプトが作成する |
fd2log |
runacct スクリプトの実行中の診断出力 |
lastdate |
runacct スクリプトが最後に実行された日 (date +%m%d 書式) |
lock |
runacct スクリプトの逐次使用の制御に使用する |
lineuse |
prdaily スクリプトが使用する tty 回線利用状況レポート |
log |
acctcon プログラムからの診断出力 |
log.MMDD |
runacct スクリプトがエラーを検出した後は、log ファイルに同じ |
owtmpx |
前日の wtmpx ファイル |
reboots |
wtmpx ファイルからの開始および終了日付とリブートのリスト |
statefile |
runacct スクリプトの実行中の現在状態の記録用に使用 |
tmpwtmp |
wtmpfix プログラムが修復した wtmpx ファイル |
wtmperror |
wtmpfix エラーメッセージが格納される場所 |
wtmperror.MMDD |
runacct スクリプトがエラーを検出した後は、wtmperror ファイルに同じ |
runacct スクリプトが使用する wtmpx ファイルのコピー |
sum ディレクトリは、runacct スクリプトが更新し、monacct スクリプトが使用する累積要約ファイルを格納します。次の表で、 /var/adm/acct/sum ディレクトリの中にあるファイルを説明します。
表 20–9 /var/adm/acct/sum ディレクトリ内のファイル
ファイル |
説明 |
---|---|
cms |
バイナリ形式の、会計期の合計コマンド要約ファイル |
cmsprev |
最新の更新がなされていないコマンド要約ファイル |
daycms |
内部要約書式の、当日の利用状況を表すコマンド要約ファイル |
loginlog |
各ユーザーが最後にログインした日付のレコード。lastlogin スクリプトによって作成され、prdaily スクリプトの中で使用される |
rprt.MMDD |
prdaily スクリプトが保存し出力 |
tacct |
会計期の累積合計アカウンティングファイル |
tacctprev |
最新の更新がない点を除いて tacct と同じ |
tacct.MMDD |
MMDD 日付分の合計アカウンティングファイル |
fiscal ディレクトリは monacct スクリプトが作成する定期的要約ファイルを格納します。次の表で、 /var/adm/acct/fiscal ディレクトリの中にあるファイルを説明します。
表 20–10 /var/adm/acct/fiscal ディレクトリ内のファイル
ファイル |
説明 |
---|---|
cmsn |
内部要約書式の、会計期 n の合計コマンド要約ファイル |
fiscrptn |
会計期 n の rprtn と同じレポート |
tacctn |
会計期 n の合計アカウンティングファイル |
次の表で、/var/adm/acct ディレクトリ内の runacct スクリプトによって生成された最も役に立つファイルを説明します。
表 20–11 runacct が生成するファイル
File |
説明 |
---|---|
runacct スクリプトは acctcon プログラムを呼び出し、/var/adm/acct/nite/tmpwtmp ファイルから端末の回線利用状況に関するデータを収集し、そのデータを /var/adm/acct/nite/lineuse ファイルに書き込む。 prdaily スクリプトはこれらのデータを使用して回線利用状況を報告する。このレポートは特に不良回線の検出に有効となる。ログアウトとログインの回数の比率が 3 対 1 を上回る場合は、回線に障害が起こっている可能性が高い。 |
|
tacct.h 形式の当日の合計課金ファイル |
|
sum/tacct |
毎日の nite/daytacct データの累積が含まれており、課金の目的で使用される。monacct スクリプトは、各月または会計期ごとにデータの累積を新たに開始する。 |
sum/daycms |
runacct スクリプトは acctcms プログラムを呼び出し、当日中に使用されたコマンドを処理し、日次コマンド要約レポートを作成して、/var/adm/acct/sum/daycms ファイルにデータを保存する。ASCII バージョンは /var/adm/acct/nite/daycms ファイル |
sum/cms |
毎日のコマンド要約の累積。 monacct スクリプトの実行によって新たに累積を開始する。ASCII バージョンは nite/cms ファイル |
sum/loginlog |
runacct スクリプトは lastlogin スクリプトを呼び出し、/var/adm/acct/sum/loginlog ファイルのログインの中で最新のログイン日付を更新する。 lastlogin コマンドは、すでに有効ではないログインをこのファイルから削除する |
sum/rprt.MMDD |
runacct スクリプトが実行されるたびに、prdaily スクリプトによって印刷された日次レポートのコピーが保存される |