dumpadm コマンドを使用して、Solaris 環境でシステムクラッシュダンプ情報を管理します。
オペレーティングシステムのクラッシュダンプを構成することもできます。dumpadm 構成パラメータでは、ダンプ内容、ダンプデバイス、クラッシュダンプファイルが保存されるディレクトリなどを指定します。
ダンプデータは、圧縮した形式でダンプデバイスに格納されます。カーネルのクラッシュダンプイメージは 4G バイトを超える場合があります。データを圧縮することにより、ダンプが速くなり、ダンプデバイスのディスク領域も少なくてすみます。
スワップ領域ではなく、専用のダンプデバイスがダンプ構成の一部にあると、クラッシュダンプファイルの保存はバックグラウンドで行われます。つまり、システムを起動する際、savecore コマンドが完了するのを待たなくても、次の段階に進むことができます。大容量のメモリーを搭載したシステムでは、savecore コマンドが完了する前にシステムが使用可能になります。
savecore コマンドで生成されるシステムクラッシュダンプファイルは、デフォルトで保存されます。
savecore -L コマンドは、動作中の Solaris オペレーティング環境でクラッシュダンプを取得できる新しい機能です。たとえば、パフォーマンスに問題が発生しているときやサービスが停止しているときなどにメモリーのスナップショットをとって、実行中のシステムの問題を解決するのに使用します。システムが実行中で、一部のコマンドがまだ使用できる場合は、savecore -L コマンドを使用してシステムのスナップショットをダンプデバイスに保存し、クラッシュダンプファイルをただちに savecore ディレクトリに書き込むことができます。システムが実行中であるため、専用のダンプデバイスを構成してある場合のみ、savecore -L コマンドを使用できます。
ダンプパラメータ |
説明 |
---|---|
ダンプデバイス |
システムがクラッシュしたときにダンプデータを一時的に保存するデバイス。ダンプデバイスがスワップ領域でない場合は、savecore がバックグラウンドで実行されるため、ブートプロセスの速度が上がる |
savecore ディレクトリ |
システムのクラッシュダンプファイルを保存するディレクトリ |
ダンプ内容 |
ダンプするメモリーデータの種類 |
最小空き容量 |
クラッシュダンプファイルを保存した後で savecore ディレクトリに必要な最小空き容量。空き容量を指定しないと、デフォルトで 1M バイトになる |
詳細については、dumpadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
dumpadm コマンドで管理するダンプ構成パラメータは、/etc/dumpadm.conf ファイルに保存されます。
/etc/dumpadm.conf ファイルは、手作業で編集しないでください。このファイルを手作業で編集すると、システムダンプ構成の整合性が失われる恐れがあります。
dumpadm コマンドは、システム起動時に /etc/init.d/savecore スクリプトによって呼び出され、/etc/dumpadm.conf ファイルの情報に基づいてクラッシュダンプパラメータの構成を行います。
dumpadmコマンドは、/dev/dump インタフェースを通してダンプデバイスとダンプ内容を初期化します。
ダンプ構成が完了すると、savecore スクリプトは、/etc/dumpadm.conf ファイルの内容を解析してクラッシュダンプファイルのディレクトリの場所を探します。次に、 savecore を呼び出して、クラッシュダンプがあるかどうかを調べたり、クラッシュダンプディレクトリにある minfree ファイルの内容を確認したりします。