Solaris のシステム管理 (基本編)

ユーザーアカウントとグループとは

基本的なシステム管理作業の 1 つに、サイトの各ユーザーにユーザーアカウントを設定することがあります。通常のユーザーアカウントには、ユーザーがスーパーユーザーのパスワードを知らなくても、システムにログインして、システムを使用するのに必要な情報が含まれています。ユーザーアカウント情報は、次の要素で構成されています。

構成要素 

説明 

ユーザー名 

ユーザーがシステムにログインするのに使用する名前。ログイン名とも呼ばれます。

パスワード 

ユーザーがシステムにアクセスするために、ユーザー名とともに入力しなければならない文字の組み合わせ。

ユーザーのホームディレクトリ 

通常、ログイン時にユーザーのディレクトリになるディレクトリ。通常、ユーザーのホームディレクトリにはそのユーザーの大部分のファイルが含まれます。

ユーザー初期設定ファイル 

ユーザーがシステムにログインするときに、そのユーザーの動作環境の設定を制御するシェルスクリプト。

また、ユーザーアカウントを設定するとき、ユーザーをあらかじめ定義されたユーザーグループに追加できます。グループは一般に、ファイルまたはディレクトリへのグループアクセス権を設定して、グループ内のユーザーだけがファイルとディレクトリにアクセスできるようにするために使用されます。

たとえば、ごく少数のユーザーだけにアクセスさせたい機密ファイルを入れるディレクトリを作成できます。topsecret プロジェクトに携わるユーザーを含む topsecret という名前のグループを設定します。そして、topsecret ファイルの読み取り権を topsecret グループに対して設定します。こうすれば、topsecret グループ内のユーザーだけが、ファイルを読み取ることができます。

また、「役割」という特別な種類のユーザーアカウントは、指定したユーザーに特別な特権を与えるときに使用します。詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「役割によるアクセス制御 (概要)」を参照してください。

ユーザーまたはグループは、1 つまたは複数のプロジェクトのメンバーになることができます。プロジェクトは、システムリソースのチャージバックに使用される識別子です。プロジェクトの使用方法については、『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「プロジェクトとタスク」を参照してください。