Solaris のシステム管理 (基本編)

format コマンドへの入力規則

format ユーティリティを使用する場合は、さまざまな情報を入力する必要があります。この節では、入力する情報に関する規則について説明します。データ入力時に format のヘルプ機能を使用する方法については、format ユーティリティのヘルプを利用するを参照してください。

format コマンドへ番号を指定する

format ユーティリティを使用する際、いくつかの数値を入力する必要があります。入力方法には、データを指定する方法と、選択肢のリストから番号を選択する方法があります。どちらの場合も、help 機能を使用すると、format は期待する数値の上限と下限を表示します。したがって、目的の数値を入力するだけで済みます。数値は、その一部として底を明示的に指定しない限り (16 進数を表す 0x など)、10 進数と見なされます。

次の例は、整数の入力を示しています。


Enter number of passes [2]: 34 
Enter number of passes [34] Oxf 

format コマンドへブロック番号を指定する

ディスクのブロック番号を入力しなければならない場合は、情報を次の 2 つの方法で入力できます。

この情報は、論理ブロック番号を表す整数として指定できます。任意の底の数値を指定できますが、デフォルトは 10 進です。また、ここで最大演算子 (ドル記号 $) を使用して、format ユーティリティに適切な値を選択させることもできます。論理ブロックの形式は、SunOS のディスクドライバによってエラーメッセージに使用されます。

ブロック番号を指定するには、シリンダ / ヘッド / セクター書式を使用する方法もあります。この形式では、ブロック番号の 3 つの論理構成要素である、シリンダ、ヘッド、およびセクターの値を明示的に指定しなければなりません。これらの値は論理値ですが、メディアのレイアウトに関連するディスク領域の定義に使用できます。

シリンダ / ヘッド / セクター番号を指定しない場合、値は 0 であると見なされます。また、番号の代わりに最大演算子を使用して、format ユーティリティに適切な値を選択させることもできます。次に、シリンダ、ヘッド、セクターエントリの例を示します。


Enter defective block number: 34/2/3
Enter defective block number: 23/1/
Enter defective block number: 457//
Enter defective block number: 12345
Enter defective block number: Oxabcd
Enter defective block number: 334/$/2
Enter defective block number: 892//$

format は、ブロック番号を常に上記の両方の書式で出力します。また、help 機能によって、期待されるブロック番号の上限と下限が両方の書式で表示されます。

format のコマンド名を指定する

format ユーティリティでメニュープロンプトが表示される場合は、コマンド名を入力する必要があります。コマンド名は、目的のコマンドとして区別できる長さまで「省略」できます。

たとえば、p(artition) を使用して format メニューから partition メニューにアクセスできます。次に、p(rint) を使用して現在のスライステーブルを表示できます。


format> p
PARTITION MENU:
        0      - change `0' partition
        1      - change `1' partition
        2      - change `2' partition
        3      - change `3' partition
        4      - change `4' partition
        5      - change `5' partition
        6      - change `6' partition
        7      - change `7' partition
        select - select a predefined table
        modify - modify a predefined partition table
        name   - name the current table
        print  - display the current table
        label  - write partition map and label to the disk
        quit
partition> p

format コマンドへディスク名を指定する

format ユーティリティでは、名前を指定しなければならない場合があります。このような場合は、名前に使用したい文字列を自由に指定できます。空白を含む名前は、二重引用符 (") で囲まなければなりません。二重引用符で囲まなければ、名前の最初の語だけが使用されます。

たとえば、ディスクの特定のパーティションテーブルを指定する場合、partition メニューの name サブコマンドを使用できます。


partition> name
Enter table name (remember quotes): "new disk3"