Solaris のシステム管理 (基本編)

ファイルとファイルシステムをテープにコピーする

tarpax、および cpio コマンドを使用すると、ファイルとファイルシステムをテープにコピーできます。どのコマンドを選択するかは、コピーする目的に応じて異なります。3 つのコマンドはすべて raw デバイスを使用するので、使用する前にテープ上でファイルシステムをフォーマットまたは作成する必要はありません。

表 51–3 tarpaxcpio コマンドの長所と短所

コマンド 

機能 

長所 

短所 

tar

ファイルやディレクトリサブツリーを 1 本のテープにコピーする場合に使用する。 

  • ほとんどの UNIX オペレーティングシステムで利用できる。

  • パブリックドメインバージョンもすぐに利用できる。

  • ファイルシステムの境界を認識しない。

  • 絶対パス名の長さが 255 文字を超えることができない。

  • 空のディレクトリや特殊ファイル (デバイスファイルなど) をコピーしない。

  • 複数のテープボリュームを作成する場合は使用できない。

pax

複数のテープボリュームを必要とするファイル、特殊ファイル、またはファイルシステムをコピーする場合に使用する。または、POSIX 準拠システムとの間でファイルをコピーする場合に使用する。 

  • POSIX 準拠システムに対する互換性は、tar コマンドや cpio コマンドよりもよい。

  • マルチベンダーサポート

tar コマンドの短所を参照。ただし、pax は、複数のテープボリュームを作成できる。

cpio

複数のテープボリュームを必要とするファイル、特殊ファイル、またはファイルシステムをコピーする場合に使用する。または、SunOS 5.9 システムから SunOS 4.0/4.1 システムにファイルをコピーする場合に使用する。 

  • tar コマンドよりも効率的に、データをテープに書き込む。

  • 復元時、テープ中の不良箇所をスキップする。

  • 異なるシステムタイプ間の互換性のために、異なるヘッダー形式 (tarustarcrcodcbar) でファイルを書き込むオプションを提供する。

  • 複数のテープボリュームを作成する。

tarpax コマンドよりも構文が難しい。

使用するテープドライブとデバイス名は、各システムのハードウェアの構成によって異なります。テープデバイス名の詳細については、使用するメディアの選択 を参照してください。