Solaris のシステム管理 (基本編)

汎用マウントオプション

次の表に、mount -o オプションで指定できる汎用オプションを示します。複数のオプションを指定する場合は、コンマ (空白を入れない) で区切ります。たとえば、-o ro,nosuid のようになります。

各ファイルシステムタイプで指定可能なマウントオプションのリストについては、各マウントコマンドのマニュアルページ (mount_ufs(1M) など) を参照してください。

表 40–2 -o で指定する汎用マウントオプション

オプション 

ファイルシステム 

説明 

bg | fg

NFS 

最初のマウントに失敗すると、バックグラウンド (bg) またはフォアグラウンド (fg) で再試行する。このオプションは重要でない vfstab エントリには安全である。デフォルトは fg

hard | soft

NFS 

サーバーが応答しない場合の手続きを指定する。soft オプションは、エラーが返されることを示す。hard オプションは、サーバーが応答するまで再試行要求が継続されることを示す。デフォルトは hard

intr | nointr

NFS 

ハードマウントされたファイルシステムに関する応答を待って実行を停止しているプロセスを、キーボード割り込みで強制終了できるかどうかを指定する。デフォルトは intr (割り込み可能)。

largefiles | nolargefiles

UFS 

2G バイトを超えるファイルを持つことができるようにする。largefiles オプションでマウントされたファイルシステムは、2G バイトを超えるファイルを格納できる (必須ではない)。nolargefiles オプションを指定した場合、UFS ファイルシステムは Solaris 2.6 (またはその互換バージョン) が動作しているシステムにはマウントできない。デフォルトは largefiles

logging | nologging

UFS 

ファイルシステムのロギングを有効または無効にする。UFS ロギングとは、トランザクション (完全な UFS 処理を構成する変更) をログに保存してから、そのトランザクションを UFS ファイルシステムに適用するプロセスである。ロギングを使用すると、UFS ファイルシステムの整合性を保つことができる。つまり、fsck を省略できることを意味する。fsck を省略すると、システムがクラッシュしたとき、あるいはシステムをクリーンな状態でシャットダウンできなかったとき、システムをリブートする時間を省ける。

ログはファイルシステムの空きブロックから、1G バイトのファイルシステムごとに約 1M バイトのサイズ (合計で 64M バイトまで) が割り当てられる。デフォルトは nologging

atime | noatime

UFS 

ファイルのアクセス時間更新を抑制する。ただし、最後にファイルの状態が変わった時間または最後にファイルが変更された時間に対する更新が同時に行われる場合を除く。詳細については、stat(2) のマニュアルページを参照。このオプションによって、アクセス時間が重要でないファイルシステム (Usenet ニューススプールなど) でのディスクに対する動作が減る。デフォルトでは、通常アクセス時間 (atime) が記録される。

remount

すべて 

既にマウントされているファイルシステムに関連付けられているマウントオプションを変更する。通常このオプションは、ro オプション以外のオプションと共に使用できる。ただし、変更できるマウントオプションは、ファイルシステムタイプによって異なる。

retry= n

NFS 

マウント処理に失敗した場合に再試行する。n は再試行回数。

ro | rw

CacheFS、NFS、 PCFS、UFS、HSFS 

読み取り / 書き込み (rw) または読み取り専用 (ro) を指定する。このオプションを指定しない場合のデフォルトは rw。HSFS のデフォルトのオプションは ro

suid | nosuid

CacheFS、HSFS、 NFS、UFS 

setuid 実行を許可または禁止する。デフォルトは、setuid 実行を許可する。