Solaris のシステム管理 (基本編)

一時ファイルシステム

一時ファイルシステム (TMPFS) は、ファイルシステムの読み取りと書き込みにローカルメモリーを使用します。一般に、一時ファイルシステムは、UFS ファイルシステムに比べてアクセス速度が高速です。TMPFS を使用すると、ローカルディスク上で、あるいはネットワーク経由で一時ファイルの読み書きを行う際のオーバヘッドを軽減でき、システムパフォーマンスを改善できます。たとえば、プログラムをコンパイルすると一時ファイルが作成されます。オペレーティングシステムは、これらのファイルを処理する間に大量のディスク処理やネットワーク処理を行います。TMPFS を使用してこれらの一時ファイルを格納すると、その作成、処理、または削除が大幅に高速になります。

TMPFS ファイルシステムのファイルは、永続的に保存されるわけではありません。ファイルシステムのマウントが解除されるときと、システムがシャットダウンまたはリブートされるときに、一時ファイルシステムのファイルは削除されます。

TMPFS は、Solaris オペレーティング環境内の /tmp ディレクトリのデフォルトのファイルシステムです。UFS ファイルシステムの場合と同様に、/tmp ディレクトリとの間でファイルをコピーまたは移動できます。

TMPFS ファイルシステムは、一時的な退避場所としてスワップ空間を使用します。TMPFS ファイルシステムがマウントされたシステムのスワップ空間が足りないと、次の 2 つの問題が発生する可能性があります。

TMPFS ファイルシステムの作成方法については、第 39 章「ファイルシステムの作成 (手順)」を参照してください。スワップ空間を拡張する方法については、第 42 章「追加スワップ空間の構成 (手順)」を参照してください。