Solaris のシステム管理 (基本編)

システムが実行レベル 3 になると実行される処理

  1. init プロセスが起動されます。init プロセスは、/etc/default/init ファイルを読み取って環境変数を設定します。デフォルトでは、TIMEZONE 変数だけが設定されます。

  2. initinittab ファイルを読み取り、次の処理を行います。

    1. デフォルトの実行レベル 3 を定義する initdefault エントリを識別します。

    2. action フィールドが sysinit になっているすべてのプロセスエントリを実行して、ユーザーがログインする前に特別な初期設定処理がすべて行われるようにします。

    3. rstate フィールドが 3 になっている (デフォルトの実行レベル 3 と一致する) プロセスエントリを実行します。

      init プロセスが inittab ファイルを使用する方法の詳細については、init(1M) のマニュアルページを参照してください。

次の表に、実行レベル 3 の action フィールドに使用するキーワードの説明を示します。

表 11–3 実行レベル 3 の action キーワードの説明

キーワード 

説明 

powerfail

init プロセスが電源切断シグナルを受信したときにだけプロセスを起動する。

respawn

プロセスを起動し、そのプロセスが終了したら再起動する。 

wait

プロセスを起動し、そのプロセスが終了するまで待ってから、この実行レベルの次のエントリに進む。 

次の表に、実行レベル 3 で実行されるプロセス (またはコマンド) の説明を示します。

表 11–4 実行レベル 3 のコマンドの説明

コマンドまたはスクリプト名 

説明 

/usr/sbin/shutdown

システムをシャットダウンする。init プロセスは、システムが電源切断シグナルを受信した場合にのみ shutdown コマンドを実行する

/sbin/rcS

ルート (/)、/usr/tmp/var/var/adm、および /var/run ファイルシステムをチェックし、マウントする

/sbin/rc2

標準のシステムプロセスを起動して、システムを実行レベル 2 (マルチユーザーレベル) に移行する 

/sbin/rc3

実行レベル 3 で使用される NFS リソース共有を開始する 

/usr/lib/saf/sac -t 30

ポートモニターを起動する。このプロセスは失敗すると再起動される 

/usr/lib/saf/ttymon -g -h -p "`uname -n` console login: " -T terminal_type -d /dev/console -l console

コンソールでのログイン要求を監視する ttymon プロセスを起動する。このプロセスは失敗すると再起動される

SPARC システムの terminal_typesun である

x86 システムの terminal_typeAT386 である