Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)

権限の開始レコード (SOA)

例 5–19 に権限の開始 (SOA) リソースレコードの構文を示します。


例 5–19 SOA レコードの書式


name class SOA origin person-in-charge ( serial number
	 refresh
 retry
 expire
 ttl)		 

SOA レコードは、ゾーンの開始を示します。次の SOA レコードでそのゾーンは終了します。以下に、SOA レコードの各フィールドについて説明します。

name

ゾーン名を指定するフィールドです。ゾーン名の後にはドットを付ける必要があります。たとえば、 doc.com. は正しいですが、doc.com は誤りです。

class

アドレスクラスのフィールドです。たとえば IN はインターネットを示し、最も一般的に用いられるクラスです。

SOA

このリソースレコードのタイプを示します。

origin

このデータファイルが存在するホスト名のフィールドです。ホスト名の後にはドットを付ける必要があります。たとえば、dnsmaster.doc.com. は正しいですが、dnsmaster.doc.com は誤りです。

person-in-charge

ネームサーバーの責任者のメールアドレスのフィールドです。たとえば、kjd.nismaster.doc.com. です。この名前も終わりにドットを付ける必要があります。

serial

データファイルのバージョン番号のフィールドです。データを変更するたびにこの番号を増やしてください。スレーブサーバーは serial フィールドを使って、最後にマスターサーバーからデータファイルをコピーしてから変更があったかどうかを検出します。

refresh

更新が必要かどうかを調べるためにスレーブネームサーバーがマスターネームサーバーをチェックする頻度を秒単位で指定します。たとえば、7200 は 2 時間を意味します。

retry

リフレッシュのためのチェックに失敗した後、スレーブサーバーが再試行する時間を秒単位で指定します。

expire

リフレッシュが頻繁に行われない場合に、データの期限が切れる前に、スレーブネームサーバーがそのデータを使用する上限の時間を秒単位で指定します。

ttl

リソースレコードの time-to-live フィールドで使用されるデフォルトの秒数を指定します。このデフォルト値はリソースレコードで他に ttl が指定されていないときに適用されます。

SOA レコードは、各ゾーンに 1 つだけ指定してください。例 5–20 に、SOA リソースレコードの例を示します。


例 5–20 SOA リソースレコードの例


;name class 		SOA 	origin				 person-in-charge
doc.com. IN		SOA	dnsmaster.doc.com. root.nismaster.doc.com. (
							101			;Serial
							7200		;Refresh
							3600		;Retry
							432000		;Expire	
							86400)		;Minimum			 )