コンピュータシステム、特にネットワーク上のシステムのセキュリティを確保するのは簡単ではありません。セキュリティの確保には、システムまたはユーザーのプロセスが開始する前に動作を制御するメカニズムが必要となります。セキュリティの確保には、動作の経過を監視するツールが必要となります。また、セキュリティの確保には、動作終了後に動作内容を報告することも必要です。初期設定の Solaris 監査の場合、ユーザーのログイン前かマシンのプロセスが開始する前に、パラメータが設定されている必要があります。また、ほとんどの監査には、現在のイベントを監視し、指定されたパラメータを満たすイベントを報告する機能が含まれます。Solaris 監査がこれらのイベントを監視および報告する方法については、第 21 章「監査の計画」および第 22 章「BSM サービスの管理 (手順)」を参照してください。
監査では、ハッカーによる不正な侵入を防止することはできません。ただし、監査サブシステムでは、たとえば、特定のユーザーが特定の日時に特定の動作を行なったことが報告されます。監査報告では、入力パスとユーザー名によってこのユーザーを特定できます。これらの情報は、すぐに端末に表示したり、ファイルに出力してあとで分析したりできます。このように、監査サブシステムの提供するデータから、次のことが判断できます。
どのようにシステムセキュリティが低下したか
必要なセキュリティレベルを実現するために対応が必要なセキュリティホールはどれか