名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | 使用法 | 環境 | ファイル | 属性 | 関連項目 | 警告 | 注意事項
format を使用すると、システムディスクのフォーマット、ラベル付け、修復、および分析が行えます。従来のディスク保守用プログラムとは異なり、format は SunOS 環境で実行します。システムの稼働中はシステムディスクへの操作が制限されるので、format はメモリー常駐型のシステム環境でも使用することができます。しかし、大部分のアプリケーションでは、SunOS 環境で format を実行する方が簡単です。
-x オプションが指定されると、format は最初に data-file で定義されているディスクリストを使用します。次に format は、FORMAT_PATH 環境変数、コロンで区切られたファイル名またはディレクトリ (あるいはその両方) のリストを調べます。ディレクトリの場合、format はそのディレクトリで format.dat というファイルを検索します。ファイル名は絶対パス名でなければならず、そのまま使用されます。format は指定された各ファイルのディスクおよびパーティション定義をすべて作業用セットに追加します。複数の同じ定義は無視され、そのことが通知されることはありません。FORMAT_PATH が設定されていない場合のデフォルトのパスは /etc/format.dat です。
disk-list は、c?t?d? または /dev/rdsk/c?t?d?s? の形式のディスクリストです。後者の形式では、シェルのワイルドカードを指定できます。たとえば、/dev/rdsk/c2* を指定すると、format はコントローラ c2 だけに接続されている全ドライブを操作対象とします。disk-list が指定されていない場合、format は、操作対象となり得る、システム上に存在するすべてのディスクを一覧表示します。
着脱式媒体装置がリストに含まれるのは、ユーザーがエキスパートモード (-e オプション) で format を実行した場合だけです。この機能は、下位互換性を確保するために用意されています。書き替え可能な着脱式媒体装置には rmformat(1) を使用します。
次のオプションを指定できます。
format プログラム開始時にカレントにするディスクを指定します。ディスクは論理名 (-d c0t1d0など) で指定します。ディスクリストにディスクを 1 つだけ指定しても、同じ結果が得られます。
SCSI エキスパートメニューを有効にします。ただし、このオプションは、不用意に使用しないでください。
標準入力ではなく、command-file からコマンド入力を受け付けます。ファイルにはキーボードから入力した場合とまったく同じコマンドが指定されていなければなりません。このオプションが指定されている場合、format は continue? プロンプトを出力しません。command-file 内に y(es) または n(o) の応答を指定する必要はありません。非対話モードの場合、format はディスク選択番号の入力を求めることはありません。format を起動するときに、-d disk-name オプションを使用して現在の作業用ディスクを指定するか、または command-file に disk およびディスク選択番号を指定する必要があります。
指定された log-file に format セッションのトランスクリプトを記録します。これには標準入力、標準出力、および標準エラー出力が含まれます。
拡張メッセージを有効にします。エラー発生時に詳細情報が得られます。
拡張メッセージおよび診断メッセージを有効にします。フォーマット中に、 SCSI デバイスのモードページの状態についてさまざまな情報が得られます。
プログラムの開始時にカレントにするディスクのパーティションテーブルを指定します。このテーブルは、データファイルで定義されている名前を使用して指定します。このオプションを使用できるのは、ディスクがカレントになっており、さらにディスクタイプが指定されているか、ディスクタイプがディスクラベルから取得できる場合に限られます。
サイレント。あらゆる標準出力を抑制します。エラーメッセージは引き続き表示されます。このオプションは通常、-f オプションと組み合わせて使用します。
プログラムの開始時にカレントにするディスクのタイプを指定します。ディスクタイプは、データファイルで定義されている名前を使用して指定します。このオプションを使用できるのは、上記と同様、ディスクがカレントになっている場合に限られます。
data-file に指定されているディスクのリストを使用します。
オプションを指定しないで format を起動した場合、あるいは、-e、-l、-m、-M、または -s オプションを指定して format を起動した場合、使用できるディスクを示した番号付きリストが表示され、リスト内の番号でディスクを指定するように求められます。マシンに 10 台以上のディスクが搭載されている場合は、スペースキーを押して、次の 1 画面分のディスクを表示します。
ディスクが現在の画面に表示されていなくても、リスト内の番号でディスクを指定できます。たとえば、画面にディスク 11 〜 12 が表示されている場合に 25 を入力すると、リスト内の 25 番目のディスクを指定できます。現在の画面に表示されていないディスクの番号を入力した場合は、選択の確認を求めるプロンプトが表示されます。表示リストに含まれている番号を入力した場合は、そのまま選択が受け付けられ、プロンプトは出力されません。
ディスクを指定すると、メインメニューが表示されます。このメニューでは次の作業を実行できます。
読み取り、書き込み、および比較テストを実行します。
バックアップラベルを検索します。
書き込みキャッシュおよび読み取りキャッシュを有効または無効にします。またはその状態を照会します。このメニュー項目が表示されるのは、-e オプションを指定して format を起動した場合だけです。このオプションを使用できるのは、SCSI デバイスに限られます。
デバイス名、ディスクジオメトリ、およびディスク装置のパス名を表示します。
欠陥領域リストを検索して出力します。このオプションを使用できるのは、SCSI デバイスに限られます。IDE ディスクの場合は、自動欠陥領域管理機能が実行されます。defect オプションを IDE ディスクで使用すると、次のメッセージが出力されます。
Controller does not support defect management or disk supports automatic defect management |
以降の操作で使用するディスク (カレントディスク) を選択します。
fdisk(1M) プログラムを実行し、Solaris ソフトウェア (IA ベースのシステムのみ) 用の fdisk パーティションを作成します。
カレントディスクをフォーマットして検証します。このオプションを使用できる、SCSI デバイスに限られます。IDE ディスクは製造元により、あらかじめフォーマットされています。IDE ディスクに対して format オプションを使用すると、次のメッセージが出力されます。
Cannot format this drive. Please use your manufacturer-supplied formatting utility. |
カレントドライブの製造元、製品名、およびリビジョンレベルを表示します。
カレントディスクに新しいラベルを書き込みます。
スライスを作成または変更します。
フォーマットメニューを終了します。
ディスク上の特定のブロックを修復します。
新しいディスクおよびスライス情報を保存します。
ディスクタイプを選択 (定義) します。
ラベルを読み取って表示します。シリンダ数、代替シリンダ数、ヘッド数、セクター数、パーティションテーブルなどの情報を出力します。
8 文字の新しいボリューム名を用いて、ディスクにラベルを付けます。
ディスクとパーティション定義用のコロンで区切られたファイル名またはディレクトリ (あるいはその両方)。ディレクトリを指定した場合、format はそのディレクトリでファイル format.dat を検索します。
次の属性については、attributes(5) を参照してください。
属性タイプ | 属性値 |
---|---|
使用条件 | SUNWcsu |
fmthard(1M), prtvtoc(1M), rmformat(1), format.dat(4), attributes(5), sd(7D)
『Solaris のシステム管理 (基本編)』のディスク管理に関する章を参照してください。
format 機能を選択して Maxtor 207MB ディスクをフォーマットすると、次のメッセージが出力されます。
Mode sense page(4) reports rpm value as 0, adjusting it to 3600 |
これはドライバのバグであり、他社の旧式のドライブでも発生する可能性があります。上記メッセージはエラーではありません。ドライブは正常に動作します。
シリンダ 0 にはパーティションテーブル (ディスクラベル) がありますが、raw ディスクパーティションで使用すると、他社のソフトウェアによって上書きされることがあります。
format は容量が 1 TB を超えるディスクまたは LUN をサポートするために、EFI に準拠したディスクラベルの記載をサポートします。しかし、ファイルシステムやボリュームマネージャなど、多くのソフトウェアコンポーネントは容量がまだ 1 TB もしくはそれ以下に制限されているので、注意が必要です。詳細については、『 Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。
format にはヘルプ機能が用意されており、入力を求められたときにいつでも使用できます。要求されている情報についてヘルプが必要な場合は、単に疑問符 (?) を入力します。求められている情報についての簡単な説明が出力されます。メニュープロンプトに ? を入力すると、使用できるコマンドの一覧が表示されます。
SCSI ディスクの場合、Primary および Grown 両方の欠陥領域リストでフォーマットがデフォルトで実行されます。フォーマットを実行する前に、欠陥領域メニューで Primary リストだけを抽出しておくと、Primary リストに対するフォーマットだけが実行されます。
キャッシュの状態を変更できるのは、SCSI デバイスだけです。また、すべての SCSI デバイスがキャッシュ状態の変更または保存をサポートしているわけではありません。
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