SUNWffb_config(1M) (SunOS リファレンスマニュアル 1M : システム管理コマンド)

SunOS リファレンスマニュアル 1M : システム管理コマンド

SUNWffb_config(1M)

名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | デフォルト設定 | 使用例 | ファイル | 属性 | 関連項目

名前

ffbconfig, SUNWffb_config– FFB グラフィックスアクセラレータの設定

形式

/usr/sbin/ffbconfig

-dev

device-filename

-res

video-mode

-file

-deflinear

-defoverlay

-linearorder

-overlayorder

-expvis

-sov

-maxwids

n

-extovl

-g

gamma-correction-value

-gfile

gamma-correction-file

-propt

-prconf

-defaults

/usr/sbin/ffbconfig

-propt

-prconf

/usr/sbin/ffbconfig

-help

-res

機能説明

ffbconfigは、FFB グラフィックスアクセラレータおよび FFB 対応の X11 ウィンドウシステムのデフォルトの一部を設定します。

ffbconfigの 1 番目の形式では、指定したオプションを OWconfigファイルに保存します。これらのオプションは、次にウィンドウシステムをそのデバイスで実行するときに FFB デバイスを初期化するために使用されます。OWconfig ファイル内のオプションの更新は、異なるウィンドウセッションや再起動したシステムでも有効となります。

-prconf、-propt、-help、-res ? オプションだけを起動する 2番目と 3 番目の形式では、OWconfig ファイルは更新されません。また、3 番目の形式では、その他のオプションはすべて無視されます。

オプションは、一度に 1 つの FFB デバイスに対してのみ指定することができます。複数の FFB デバイスに対してオプションを指定するには、ffbconfig を複数回起動する必要があります。

ffbconfig で指定できるのは、FFB 固有のオプションだけです。デフォルトの表示色数、デフォルトの画像表示形式クラスなどを指定する通常のウィンドウシステムのオプションは、openwin コマンド行のデバイス修飾子で指定してください。詳細については、OpenWindows デスクトップ・リファレンスマニュアルを参照してください。

ユーザーは、更新する OWconfig ファイルを指定することもできます。デフォルトでは、/etc/openwin ディレクトリツリーにあるマシン固有のファイルが更新されます。別のファイルを指定するには、-file オプションを使用します。たとえば、/usr/openwin ディレクトリツリーにあるシステム共通の OWconfig ファイルを代わりに更新することができます。

これらの標準 OWconfig ファイルのどちらもスーパーユーザーのみが書き込みを行えます。したがって、スーパーユーザーが所有する ffbconfig プログラムは、setuid による root の権限で実行されます。

オプション

-dev device-filename

FFB 特殊ファイルを指定します。デフォルトは/dev/fbs/ffb0 です。

-file machine |system

更新する OWconfig ファイルを指定します。machine を指定すると、/etc/openwin ディレクトリツリーにあるマシン固有の OWconfig ファイルが使用されます。system を指定すると、 /usr/openwin ディレクトリツリーにある共通のOWconfig ファイルが使用されます。ファイルがない場合は、新たに生成されます。

-res video-mode [now | try [noconfirm | nocheck]]

指定した FFB デバイスに接続されているモニターを制御する際に使われる表示モードを指定します。

表示モードの形式は widthxheightxrate で、width はピクセル単位の画面幅、height はピクセル単位の画面の高さ、rateは画面を垂直方向に再描画する周期です。

960x680x112s や960x680x108s の s 接尾辞は、これらが立体表示モードであることを意味します。640x480x60i や 768x575x50i の i 接尾辞は、インタレース表示タイミングを有効にします。この接尾辞がない場合は、ノンインタレースタイミングが使用されます。

-res (「形式」に記されている 3 番目の形式) にリフレッシュレートを指定する際は、値の直前に x の代わりに @ を使用することができます。たとえば、1280x1024@76 のように指定することができます。

一部の表示モードは、FFB の一部のバージョンのみが対応しています。また、FFB が対応している表示モードには、モニターが対応していないものもあります。FFB デバイスとモニターの両方が対応している表示モードのリストは、-res ? オプション付きの ffbconfig を実行することによって得ることができます。

FFB が対応している表示モードのリストを以下に示します。

表示モード	説明
`1024x768x60`
`1024x768x70`
`1024x768x75`
`1024x768x77`
`1024x800x84`
`1152x900x66`
`1152x900x76`
`1280x800x76`
`1280x1024x60`
`1280x1024x67`
`1280x1024x76`
`960x680x112s`	(立体表示)
`960x680x108s`	(立体表示)
`640x480x60`
`640x480x60i`	(インタレース)
`768x575x50i`	(インタレース)
`1440x900x76`	(高解像度)
`1600x1000x66`	(高解像度)
`1600x1000x76i`	(高解像度)
`1600x1280x76`	(高解像度)
`1920x1080x72`	(高解像度)
`1920x1200x70`	(高解像度)

記号名

便宜上、表示モードのいくつかには記号名が定義されています。 widthxheightxrate の形式の代わりに、記号名を -res の引数として指定することができます。記号名 none は、ウィンドウシステムを実行すると、画面の解像度は現在デバイスにプログラムされている表示モードになることを意味します。

記号名	対応する表示モード
`svga`	`1024x768x60`
`1152`	`1152x900x76`
`1280`	`1280x1024x76`
`stereo`	`960x680x112s`
`ntsc`	`640x480x60i`
`pal`	`768x575x50i`
`none`	(デバイスでプログラムされている表示モード)

-res オプションには、表示モードの直後に次の追加引数を指定することができます。追加引数は、単独でも複数でも指定することができます。

now

OWconfig ファイルの表示モードを更新するとともに、FFB デバイスが指定した表示モードにただちにプログラムされます (この機能は、ウィンドウシステムを開始する前に表示モードを変更する際に便利です)。

対象となるデバイスが稼働している間 (たとえば、ウィンドウシステムの稼働中) に、この追加オプションを ffbconfig に指定することはお勧めしません。予期しない結果になることもあります。now オプションを指定して ffbconfig コマンドを実行する場合は、最初にウィンドウシステムを終了してください。now オプションがウィンドウシステムのセッション中に使用された場合、表示モードはただちに変更されますが、画面の幅や高さはそのセッションが終了して次のセッションに入るまで変更されません。さらに、立体表示モードではシステムが変更を認識しないことがあります。したがって、ウィンドウシステムの稼働中には絶対に now オプションを指定しないでください。

noconfirm

確認と警告メッセージを省略し、要求された表示モードにプログラムします。

-res オプションを指定した際に、システムが使用できない状態になり、表示出力がなくなる場合があります。このような状況は、特定のコードが読み込まれた際のモニターセンスコードにあいまいさがあった場合などに発生します。このような事態を避けるために ffbconfig のデフォルトの動作では、この問題についての警告メッセージと処理を継続するかどうかを確認するメッセージを表示します。このオプションは、ffbconfig がシェルスクリプトから実行されている場合に便利です。

nocheck

モニターセンスコードに基づく通常のエラーチェックが行われません。ユーザーによって指定された表示モードは、現在接続されているモニターに適切かどうかにかかわらず受け付けられます。このオプションは、FFB デバイスに異なるモニターを接続する場合に便利です。このオプションを指定すると、noconfirm も指定されます。

try

指定した表示モードに試験的にプログラムされます。ユーザーは、指定した表示モードを使用する場合は、メッセージが表示されてから 10 秒以内に y と入力します。表示されたモードを使用しない場合は、10 秒以内に任意の文字を入力します。y または Return キー以外の文字の入力は、すべて「使用しない」とみなされ、以前の表示モードに戻され、OWconfig ファイル中の表示モードは書き換えられません。その他の指定されたオプションは有効となります。Return キーの入力があった場合は、新しい表示モードを保持するかどうかを yes または no で確認するメッセージが表示されます。このオプションを指定すると、now サブオプションも指定されます。(now サブオプションの注意を参照)。

-deflinear true | false

FFB には、2 種類の画像表示形式があります。リニア画像と非リニア画像です。リニア画像はガンマ補正され、非リニア画像は補正されません。リニア画像版も非リニア画像版も、ともに持つ画像表示形式が 2 つあります。24 ビットTrueColor と 8 ビット StaticGray です。

-deflinear true を指定すると、デフォルトの画像表示形式として、デフォルトで選択されたオプション (特に、Xsun(1)の defdepth および defclass オプション。詳細はOpenWindows デスクトップ・リファレンスマニュアルのマニュアルページを参照) を満たすリニア画像を設定します。具体的には、デフォルトの画像表示形式の選択オプションは、Xsun(1) の defdepth および defclassオプションによって設定されたものです。

-deflinear false を指定すると、または他のデフォルトで選択されたオプションを満たすリニア画像がない場合は、これらの他のオプションを満たす非リニア画像がデフォルトとして選択されます。

FFB にはリニアオーバーレイ画像表示形式がないため、オプションが存在する場合は、このオプションを使用することはできません。

-defoverlay true | false

FFB が、残りの FFB 画像から切り離されたピクセルを持つ 8ビット疑似カラー画像を提供します。これを、オーバーレイ画像といいます。この画像表示形式で作成されたウィンドウは、他の画像表示形式で作成されたウィンドウに影響を与えません。逆に、他の画像表示形式で作成されたウィンドウは、オーバーレイウィンドウに影響を与えます。この画像表示形式では、256 種類の不透明カラーの値による拡張オーバーレイを使用することができます。-maxwids を参照してください。

-defoverlay に true を指定すると、オーバーレイ画像がデフォルト画像になります。-defoverlay に false を指定すると、他のデフォルトで選択された defdepth および defclassオプションを満たすオーバーレイでない画像表示形式が、デフォルトの画像表示形式として選択されます。詳細は、OpenWindows デスクトップ・リファレンスマニュアルのマニュアルページを参照してください。

-defoverlay true を使用する場合は、openwin コマンド行で選択されたデフォルトの深さとクラスは常に 8 ビット疑似カラーである必要があります。それ以外の場合は、警告メッセージが出力され、-defoverlay オプションは false として扱われます。-deflinear オプションが存在する場合、FFB にはリニアオーバーレイ画像表示形式がないため、このオプションは使用することができません。

-linearorder first | last

first を指定すると、FFB 画面用の X11 画面画像表示形式リスト上で、リニア画像が非リニア画像より前に表示されます。last を指定すると、非リニア画像は、リニア画像より前に表示されます。

-overlayorder first | last

first を指定すると、FFB 画面用の X11 画面画像表示形式リスト上で、8 ビット疑似カラーオーバーレイ画像が、非オーバーレイ画像より前に表示されます。last を指定すると、非オーバーレイ画像は、オーバーレイ画像より前に表示されます。

-expvis enable | disable

enable を指定すると、OpenGL Visual Expansion が起動されます。選択された画像表示形式グループ (8 ビットPseudoColor、24 ビット TrueColor など) は、画面画像表示形式リストで見つけることができます。

-sov enable | disable

enable を指定すると、ルートウィンドウのERVER_OVERLAY_VISUALS 属性が有効になります。SOV 画像が転送され、それらの透過タイプ、値、階層は、この属性によって参照することができます。disable を指定すると、SERVER_OVERLAY_VISUALS 属性は定義されません。SOV 画像は転送されません。

-maxwids n

ウィンドウ ID (WID) として使用するために予約される最大数の FFB チャネルピクセル値を指定します。オーバーレイカラーマップのピクセル値の残りは、通常の X11 の未使用のカラーピクセルのために使用されます。確保された WID は、(XGL などの) 3 次元グラフィックスウィンドウ、MBX ウィンドウと、デフォルト以外の画像表示形式をもつウィンドウにより発生順に割り当てられます。X チャネルコードの 0 から (255-n) は、未使用のカラーピクセルです。(255-n+1) から 255 の X チャネルコードは、WID として使用するために予約されます。FFB と FFB2 の有効な値は、1、2、4、8、16、32 です。FFB2+ の有効な値は、1、2、4、8、16、32、64 です。

-extovl enable | disable

このオプションは FFB2+ のみで使用することができます。enable を指定すると、拡張オーバーレイを使用することができます。このオーバーレイ画像には 256 種類の不透明カラーがあります。SOV 画像には 255 種類の不透明カラーと 1 種類の透明カラーがあります。このオプションは、ハードウェアによる透明カラーを有効にするため、SOV 画像を使用するウィンドウで、より高い性能が得られます。

-g gamma-correction value

このオプションは FFB2+ のみで使用することができます。このオプションによって、ガンマ補正の値を変えることができます。すべてのリニア画像ではガンマ補正を使用することができます。デフォルトでは、ガンマ補正の値は 2.22 です。0より小さい値は無効 (不正) です。ガンマ補正の値はリニア画像に適用され、リニア画像の有効ガンマ値は 1.0 になります。これは、XSolarisGetVisualGamma(3) によって返される値です。この機能については、XSolarisGetVisualGamma(3) を参照してください。

このオプションは、ウィンドウシステムが稼動しているときに使用することができます。ガンマ補正の値を変更すると、リニア画像を使用して表示されているすべてのウィンドウが影響を受けます。

-gfile gamma-correction file

このオプションは FFB2+ のみで使用することができます。このオプションは、指定されたファイルからガンマ補正表を読み込みます。このファイルは、各行が R、G、B チャネルの値を持つように書式化されている必要があります。それらの値は、16 進数で指定し、値と値の間は 1 つ以上の空白文字で区切ります。このファイルでは、3 つの値の組が 256 種類定義されます。このファイルの例を以下に示します。

0x00 0x00 0x00 
0x01 0x01 0x01 
0x02 0x02 0x02
...
...
0xff 0xff 0xff

このオプションを使用することによって、ウィンドウシステムが稼動しているときにガンマ補正表を読み込むことができます。新しいガンマ補正は、このリニア画像によって表示されているすべてのウィンドウに影響を与えます。ユーザーが指定した表によってガンマ補正を行う際は、ガンマ補正の値は定義されません。デフォルトでは、ウィンドウシステムはガンマ補正値として2.22 を使用し、このガンマ補正値に対応してウィンドウシステムが作成したガンマ補正表を読み込みます。

-defaults

すべてのオプションの値をそれぞれのデフォルト値に戻します。

-propt

-file オプションで指定された OWconfig ファイルに書かれた FFB オプションの値のうち、-dev オプションで指定されたデバイスに対するものすべてを表示します。ffbconfig の呼び出しが終了した後に、OWconfig ファイルに書き込まれるオプションの値を表示します。次に表示例を示します。

--- OpenWindows Configuration for /dev/fbs/ffb0 ---
OWconfig: machine
Video Mode: NONE
Default Visual: Non-Linear Normal Visual
Visual Ordering: Linear Visuals are last
                 Overlay Visuals are last
OpenGL Visuals: disabled
SOV: disabled
Allocated WIDs: 32

-prconf

FFB のハードウェア構成を表示します。次に表示例を示します。

--- Hardware Configuration for /dev/fbs/ffb0 ---
Type: double-buffered FFB2 with Z-buffer
Board: rev x
PROM Information: @(#)ffb2.fth x.x xx/xx/xx
FBC: version x
DAC: Brooktree 9068, version x
3DRAM: Mitsubishi 1309, version x
EDID Data: Available - EDID version 1 revision x
Monitor Sense ID: 4  (Sun 37x29cm RGB color monitor)
Monitor possible resolutions: 1024x768x60, 1024x768x70,
  1024x768x75, 1152x900x66, 1152x900x76,
  1280x1024x67, 1280x1024x76, 960x680x112s,
  640x480x60
Current resolution setting: 1280x1024x76

-help

ffbconfig コマンド行のオプションと機能の概要を一覧で表示します。

デフォルト設定

ffbconfig コマンド行で指定されていないオプションについては、対応する OWconfig ファイル中のオプションは更新されず、ファイル内の値がそのまま使用されます。

ウィンドウシステムを実行する際に、ffbconfig による FFB オプションの指定がまったくなかった場合は、デフォルト値が使用されます。オプションのデフォルト値を以下に示します。

オプション	デフォルト値
`-dev`	`/dev/fbs/ffb0`
`-file`	`machine`
`-res`	`none`
`-deflinear`	`false`
`-defoverlay`	`false`
`-linearorder`	`last`
`-overlayorder`	`last`
`-expvis`	`enabled`
`-sov`	`enabled`
`-maxwids`	`32`

-res オプションのデフォルト値 none とは、ウィンドウシステムが実行された場合に、画面解像度がそのデバイスに現在プログラムされている表示モードになることを意味しています。

注 : これによって、PROM によってデバイスの解像度を指定しているユーザーとの共用性が保てます。(GX などの)一部のデバイスでは、PROM が表示モードを指定する唯一の手段です。これは、デフォルトの FFB 表示モードは、最終的に PROM によって決まることを意味しています。

使用例

例 1 モニターの種類の変更

モニターの種類を、垂直周波数 76 Hz で解像度 1280 × 1024 に変更する例を以下に示します。

example% /usr/sbin/ffbconfig -res 1280x1024x76

ファイル

/dev/fbs/ffb0: デバイス特殊ファイル

属性

次の属性については、attributes(5) を参照してください。

属性タイプ	属性値
使用条件	SUNWffbcf