名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | デフォルト設定 | 使用例 | ファイル | 属性 | 関連項目
m64config は、M64 グラフィックスアクセラレータおよび M64 対応の X11 ウィンドウシステムのデフォルトの一部を設定します。
形式の項に記された m64config の 1 番目の形式では、指定したオプションを OWconfig ファイルに保存します。これらのオプションは、次にウィンドウシステムをそのデバイスで実行するときに M64デ バイスを初期化するために使用されます。OWconfig ファイル内のオプションの更新は、異なるウィンドウセッションや再起動したシステムでも有効となります。
-prconf、-propt、-help、-res ? オプションだけを起動する 2番目と 3 番目の形式では、OWconfig ファイルは更新されません。また、3 番目の形式では、その他のオプションはすべて無視されます。
オプションは、一度に 1 つの M64 デバイスに対してのみ指定することができます。複数の M64 デバイスに対してオプションを指定するには、m64config を複数回起動する必要があります。
m64config で指定できるのは、M64 固有のオプションだけです。デフォルトの表示色数、デフォルトの画像表示形式クラスなどを指定する通常のウィンドウシステムのオプションは、openwin コマンド行のデバイス修飾子で指定してください (OpenWindows のマニュアルページの Xsun(1) を参照)。
ユーザーは、更新する OWconfig ファイルを指定することもできます。デフォルトでは、/etc/openwin ディレクトリツリーにあるマシン固有のファイルが更新されます。別のファイルを指定するには、 -file オプションを使用します。たとえば、/usr/openwin ディレクトリツリーにあるシステム共通の OWconfig ファイルを代わりに更新することができます。
これらの標準 OWconfig ファイルのどちらもスーパーユーザーのみが書き込みを行えます。したがって、スーパーユーザーが所有する m64config プログラムは、setuid による root の権限で実行されます。
すべてのオプションの値をそれぞれのデフォルト値に戻します。
表示色数を 8 または 24 ビット/ピクセルで指定します。変更を反映させるには、現在のウィンドウシステムのセッションからログアウトしてから再度ログインします。 24 ビット/ピクセルでは、画面解像度を低くすることにより、ウィンドウシステムで TrueColor グラフィックスを実現できます。
24 ビット/ピクセルで利用できる解像度の最大値は、PGX カードに搭載されているメモリー量に依存します。2 M バイトのメモリーを搭載した PGX カードで利用できる解像度の最大値は 800x600 です。4 M バイトのメモリーを搭載したカードで利用できる解像度の最大値は 1152x900 です。指定した解像度と色数の組み合わせに必要なメモリーが不足している場合、m64config はエラーメッセージを出力して終了します。
M64 特殊ファイルを指定します。デフォルトは /dev/fbs/m640 です。
更新する OWconfig ファイルを指定します。machine を指定すると、/etc/openwin ディレクトリツリーにあるマシン固有の OWconfig ファイルが使用されます。system を指定すると、 /usr/openwin ディレクトリツリーにある共通の OWcon-fig ファイルが使用されます。ファイルがない場合は、新たに生成されます。
m64config コマンド行のオプションと機能の概要を一覧で表示します。
M64 ハードウェア構成を表示します。次に表示例を示します。
--- Hardware Configuration for /dev/fbs/m640 --- ASIC: version 0x41004754 DAC: version 0x0 PROM: version 0x0 Card possible resolutions: 640x480x60, 800x600x75, 1024x768x60 1024x768x70, 1024x768x75, 1280x1024x75, 1280x1024x76 1280x1024x60, 1152x900x66, 1152x900x76, 1280x1024x67 960x680x112S, 960x680x108S, 640x480x60i, 768x575x50i, 1280x800x76 1440x900x76, 1600x1000x66, 1600x1000x76, vga, svga, 1152, 1280 stereo, ntsc, pal Monitor possible resolutions: 720x400x70, 720x400x88, 640x480x60 640x480x67, 640x480x72, 640x480x75, 800x600x56, 800x600x60 800x600x72, 800x600x75, 832x624x75, 1024x768x87, 1024x768x60 1024x768x70, 1024x768x75, 1280x1024x75, 1280x1024x76, 1152x900x66 1152x900x76, 1280x1024x67, 960x680x112S, vga, svga, 1152, 1280 stereo Possible depths: 8, 24 Current resolution setting: 1280x1024x76 Current depth: 8 |
-file オプションで指定された OWconfig ファイルに書かれた M64 オプションの値のうち、-dev オプションで指定されたデバイスに対するものすべてを表示します。m64config の呼び出しが終了した後に、OWconfig ファイルに書き込まれるオプションの値を表示します。次に表示例を示します。
--- OpenWindows Configuration for /dev/fbs/m640 --- OWconfig: machine Video Mode: not set |
指定した M64 デバイスに接続されているモニターを制御する際 に使われる表示モードを指定します。表示モードはあらかじめ組み込まれています。表示モードの形式は widthx-heightxrate で、width はピクセル単位の画面幅、height はピクセル単位の画面の高さ、rate は画面を垂直方向に再描画する周期です。便宜上、-res にリフレッシュレートを指定する際は、値の直前に x の代わりに @ を使用することができます。たとえば、1280x1024@76のように指定することができます。
有効な表示モードのリストは、m64config -res '?' を実行することによって得ることができます。? は引用符で囲んで文字として扱う必要があります。すべてのビデオボードおよびモニターがすべての解像度に対応しているわけではありません。m64config は、ボードが対応していない解像度に設定することを許しません。モニターが対応していない解像度に設定しようとすると、確認を促すメッセージを表示します。
記号名
便宜上、上記の表示モードのいくつかには記号名が定義されています。widthxheightxrate の形式の代わりに、記号名を -res の引数として指定することができます。記号名 noneは、ウィンドウシステムを実行すると、画面の解像度は現在デバイスにプログラムされている表示モードになることを意味します。
記号名 | 対応する表示モード |
svga | 1024x768x60 |
1152 | 1152x900x76 |
1280 | 1280x1024x76 |
none | (現在デバイスにプログラムされている表示モード) |
-res オプションには、表示モードの直後に次の追加引数を指定することができます。追加引数は、単独でも複数でも指定することができます。
このオプションを指定すると、モニターセンスコードに基づく通常のエラーチェックが行われません。ユーザーによって指定された表示モードは、現在接続されているモニターに適切かどうかにかかわらず受け付けられます。このオプションは、 M64 デバイスに異なるモニターを接続する場合に便利です。このオプションを指定すると、noconfirm も指定されます。
-res オプションを指定した際に、システムが使用できない状態になり、表示出力がなくなる場合があります。このような状況は、特定のコードが読み込まれた際のモニターセンスコードにあいまいさがあった場合などに発生します。このような事態を避けるために m64config のデフォルトの動作では、この問題についての警告メッセージと、処理を継続するかどうかを確認するメッセージを表示します。noconfirm オプションを指 定すると、 m64config コマンドはこの確認をせずに、要求のあった表示モードにプログラムします。このオプションは、m64config がシェルスクリプトから実行されている場合に便利です。
OWconfig ファイルの表示モードを更新するとともに、 M64 デバイスが指定した表示モードにただちにプログラムされます (この機能は、ウィンド ウシステムを開始する前に表示モードを変更する際に便利です)。
対象となるデバイスが稼働している間 (たとえば、ウィンドウシステムの稼働中) に、この追加オプションを m64config に指定することはお勧めしません。予期しない結果になることもあります。now オプションを指定して m64config コマンド を実行する場合は、最初にウィンドウシステムを終了してください。now オプションがウィンドウシステムのセッション中に使用された場合、表示モードはただちに変更されますが、画面の幅や高さはそのセッションが終了して次のセッションに入るまで変更されません。さらに、立 体表示モードではシステムが変更を認識しないことがあります。したがって、ウィンドウシステムの稼働中には絶対に now オプションを指定しないでください。
このオプションを指定すると、指定した表示モードが試験的にプログラムされます。ユーザーは、指定した表示モードを使用する場合は、メッセージが表示されてから 10 秒以内に y と入力します。表示されたモードを使用しない場合は、10 秒以内に任意の文字を入力します。y または Returnキー以外の文字の入力は、すべて「使用しない」とみなされ、以前の表示モードに戻され、OWcon-fig ファイル中の表示モードは書き換えられません (その他の指定されたオプションは有効となります)。Return キーの入力があった場合は、新しい表示モードを保持するかどうかを yes または no で確認するメッセージが表示されます。このオプションを指定すると、now サブオプションも指定されます。(now サブオプションの注意を参照)。
m64config コマンド行で指定されていないオプションについては、対応する OWconfig ファイル中のオプションは更新されず、ファイル内の値がそのまま使用されます。
ウィンドウシステムを実行する際に、m64config による M64 オプションの指定がまったくなかった場合は、デフォルト値が使用されます。オプションのデフォルトを以下に示します。
オプション | デフォルト値 |
-dev | /dev/fbs/m640 |
-file | machine |
-res | none |
-res オプションのデフォルト値 none とは、ウィンドウシステムが実行された場合に、画面解像度がそのデバイスに現在プログラムされている表示モードになることを意味しています。
これによって、PROM によってデバイスの解像度を指定しているユーザーとの共用性が保てます。(GX などの) 一部のデバイスでは、PROM が表示モードを指定する唯一の手段です。これは、デフォルトの M64 表示モードは、最終的に PROM によって決まることを意味しています。
モニターの種類を、垂直周波数 76 Hz で解像度 1280x1024 に変更する例を以下に示します。
example% /usr/sbin/m64config -res 1280x1024x76 |
デバイス特殊ファイル
システム設定ファイル
usr/sbin/m64config へのシンボリックリンク
以下の属性については、attributes(5) を参照してください。
属性タイプ | 属性値 |
---|---|
使用条件 | SUNWm64cf |
『OpenWindows デスクトップ・リファレンスマニュアル』