Solaris 9 12/03 オペレーティング環境の概要

IP ネットワークマルチパス

IP ネットワークマルチパスでは、ネットワークアダプタにおける単一ポイントの障害からの復旧機能や、トラフィックのスループットの向上をシステムに提供します。Solaris 8 10/00 リリースからは、ネットワークアダプタに障害が発生した場合、システムがすべてのネットワークアクセスを、障害の起きたアダプタから代替アダプタへ自動的に切り替えるようになりました。代替アダプタは、同じ IP リンクに接続されている必要があります。このプロセスにより、ネットワークへのアクセスは中断することなく継続されます。同じ IP リンクに複数のネットワークアダプタが接続されている場合、トラフィックを複数のネットワークアダプタに分散させることにより、トラフィックのスループットが向上します。

Solaris 8 4/01 リリースから、動的再構成 (Dynamic Reconfiguration、DR) で IP ネットワークマルチパスを使用して、特定のネットワークデバイスを切り離すことができるようになりました。このプロセスによって、既存の IP ユーザーが影響を受けることはありません。

Solaris 8 7/01 リリースでは、IP ネットワークマルチパスリブートセーフ機能が追加されました。IP ネットワークマルチパスリブートセーフ機能を使用すると、障害の発生した NIC が動的再構成によりシステムから取り除かれたり、正常な NIC を再挿入する前にリブートが行われたりした場合、IP アドレスが保存されます。こうした状況下で、システムは失われた NIC へのインタフェースを検出しようとしますが、失敗します。このままではその IP アドレスは失われてしまいますが、IP ネットワークマルチパスリブートセーフ機能を使用すると、IP アドレスが IP ネットワークマルチパスインタフェースグループ内の別の NIC に転送されます。

詳細は、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の「IP ネットワークマルチパス (トピック)」を参照してください。