マスターサーバーには、次の 2 つの種類があります。
「ゾーンマスターサーバー」。各ゾーンには、そのゾーンの「マスター」サーバーが 1 つあります。ゾーンのマスターサーバーは、そのゾーンの「正規」サーバーです。
「ゾーンスレーブサーバー」。 ゾーンには、1 つ以上の「スレーブ」マスターサーバーがあります。「スレーブ」マスターサーバーは、その DNS データをゾーンのマスターサーバーから入手します。
サーバーをある特定のゾーンのマスターサーバーに指定する場合は、そのサーバーの named.boot ファイルに 3 つのマスターレコードを作成します。
ゾーンのマスターレコードを作成します。
このレコードは、サーバーをゾーンのマスターサーバーとして指定し、正規の hosts ファイルの場所をサーバーに示します。 この「マスター」レコードは、次の 3 つのフィールドで構成されます。
次に示す起動ファイルの行は、あるサーバーを doc.com ゾーンでマスターサーバーとして使い、正規の hosts ファイルとして db.doc を使うことを示すものです。
master doc.com db.doc |
このレコードは、そのサーバーを逆アドレスマッピング (つまり、doc.com の逆アドレスドメイン) の「マスター」サーバーとして使うことを指定します。 正規の hosts ファイルの場所をサーバーに示します。 このレコードは、次の 3 つのフィールドで構成されます。第 1 フィールドではサーバーをマスターサーバーとして指定します。第 2 フィールドでは対象のゾーンを指定します。第 3 フィールドでは hosts.rev ファイルを指定します。
あるゾーンにおける逆アドレスドメインは、そのゾーンにおける IP アドレスを逆にならべ、最後に in-addr.arpa を配したものです。たとえば、doc.com ゾーンの IP アドレスが 10.0.0. だとします。この場合、逆アドレスドメインは 0.0.10.in-addr.arpa になります。
つまり、次の起動ファイルの行は、サーバーが doc.com ゾーンの逆アドレスドメインでのマスターサーバーであり、正規の hosts.rev ファイルとして doc.rev ファイルを使うことを示しています。
master 0.0.10.in-addr.arpa doc.rev |
ローカルループバックインタフェースまたはホストの逆アドレス関連の「マスター」レコードを作成します。
このレコードは、そのサーバーをループバックホストの「マスター」サーバーとして使うことを指定し、正規の hosts ファイルの場所を示すものです。 この「マスター」レコードは、次の 3 つのフィールドで構成されます。第 1 フィールドではサーバーを「マスター」サーバーとして指定します。第 2 フィールドではループバックホストの逆アドレスを指定します。第 3 フィールドでは hosts ファイルを指定します。
ループバックホストは常に、0.0.127.in-addr.arpa で識別されます。
次に示す起動ファイルの行は、そのサーバーをループバックホストの逆アドレスドメインで「マスター」サーバーとして使い、正規の hosts ファイルとして named.local を使うことを示すものです。
master 0.0.127.in-addr.arpa named.local |