以降の節に、実行レベルを変更したときにシステムサービスを起動および停止するための実行制御スクリプトをまとめてあります。
/sbin/rc0 スクリプトは、/etc/rc0.d スクリプトを実行して次の作業を行います。
システムサービスとデーモンの終了
実行中の全プロセスの停止
全ファイルシステムのマウント解除
/sbin/rc1 スクリプトは、/etc/rc1.d スクリプトを実行して次の作業を行います。
システムサービスとデーモンの終了
実行中のすべてのユーザープロセスの停止
すべてのリモートファイルシステムのマウント解除
以前の実行レベルが S であった場合、すべてのローカルファイルシステムのマウント
/sbin/rc2 スクリプトは、/etc/rc2.d スクリプトを実行して、機能別にグループ化された次の作業を行います。
ローカルシステム関連の作業
以前の実行レベルが S であった場合、すべてのローカルファイルシステムのマウント
quota オプションを指定してマウントされたファイルシステムが 1 つでも存在する場合は、ディスク割り当てを有効にする
エディタの一時ファイルを /usr/preserve ディレクトリに保存する
/tmp ディレクトリ内のすべてのファイルおよびサブディレクトリを削除する
設定されている場合、システムアクティビティデータの収集、システムアカウント、システム監査を起動する
システムロギングデーモン (syslogd) を起動し、デフォルトのダンプデバイスを設定し、/var/adm/messagesファイルをローテーションする
/etc/dispadmin.conf ファイルが存在する場合は、デフォルトのスケジューリングクラスを設定する
ローカルプリンタが設定され、印刷待ち行列がクリーンアップされている場合は、LP 印刷サービス (lpsched) を起動する
必要に応じて、電源管理を設定する
utmpd デーモンを起動する
cron および vold デーモンを起動する
シリアルデバイスストリームを設定する
WBEM サービスを設定する
必要に応じてボリュームを同期化し、mdmonitord デーモンを起動してボリュームの物理コンポーネントを監視する
必要に応じて、CDE デスクトップログインプロセス dtlogin を起動する
ネットワークサービスまたはセキュリティ関連の作業
必要に応じて、ネットワークインタフェースを構成し、ifconfig ネットマスクを設定し、ネットワークルーティングを設定する
ネットワークサービス (inetd および rpcbind) デーモンを起動する
論理リンクコントローラ (llc2) が設定されている場合は起動する
システムがネームサービス用に設定されているかどうか、およびシステムがクライアントまたはサーバーのどちらであるかによって、ネームサービスのドメイン名を設定し、各種ネームサービスデーモンを起動する
必要に応じて、keyserv、statd、lockd、xntpd の各デーモンを起動する
すべての NFS エントリをマウントする
必要に応じて、Solaris NCA (Network Cache and Accelerator) および NCA ロギングを設定する
Solaris PPP サーバーまたはクライアントデーモン (pppoed またはpppd) が設定されている場合は起動する
LDAP キャッシュマネージャ (ldap_cachemgr) が設定されている場合は起動する
ディレクトリサーバー (slapd) デーモンが設定されている場合は起動する
DNS (in.named) デーモンが設定されている場合は起動する
サービスロケーションプロトコル (slpd) デーモンが設定されている場合は起動する
/etc/rctladm.conf および/etc/pooladm.conf ファイルが存在する場合は、システムリソース制御とシステムプールを設定する
必要に応じて、cachefsd、automount、sendmail の各デーモンを起動する
htt_server プロセスを起動する
インストール関連の作業
システム起動時またはシステム停止時の Live Upgrade ソフトウェアのブート環境を設定する
/etc/.UNCONFIGURE ファイルがあるかどうかをチェックして、システムを設定し直す必要があるかどうか調べる
/.PREINSTALL または /AUTOINSTALL のどちらかが存在する場合、インストールメディアまたブートサーバーからシステムをリブートする
ハードウェア関連の作業
必要に応じて、Sun Fire 15000 のキー管理デーモン (sckmd) を起動する
必要に応じて、Sun Fire 880 の動的再構成デーモン (sf880drd) を起動する
フラッシュ PROM の更新スクリプトを実行する
グラフィックフレームバッファーまたはグラフィックアクセラレータを設定する
必要に応じて、FCode インタプリタデーモン (efdaemon) を実行する
実行レベルを変更したときは、次のサービスを移行します。
Apache (tomcat)
ブートサーバー (in.rarpd、rpc.bootparamd、または rpld)
DHCP (in.dhcpd)
Kerberos KDC (krb5kdc) および Kerberos 管理 (kadmind)
Mobile IP (mipagent)
NFS サーバー (nfsd、mountd、nfslogd)
Samba (smdb および nmdb)
ssh (secure shell) (sshd)
Solstice Enterprise Agents (dmispd および snmpXdmid)
実行レベル 2 で起動されるシステムサービスとアプリケーションの多くは、システム上にインストールされているソフトウェアによって決まります。
/sbin/rc3 スクリプトは、/etc/rc3.d スクリプトを実行して次の作業を行います。
Apache サーバーデーモン (tomcat) が設定されている場合は起動する
必要に応じて、DHCP デーモン (in.dhcpd) を起動する
Kerberos KDC (krb5kdc) および Kerberos 管理 (kadmind) デーモンが設定されている場合は起動する
Mobile IP デーモン (mipagent) が設定されている場合は起動する
Samba デーモン (smdb および nmdb) が設定されている場合は起動する
必要に応じて、ssh (secure shell) デーモン (sshd) を起動する
Solstice Enterprise Agents (dmispd および snmpXdmid) を起動する
/etc/dfs/sharetab ファイルをクリーンアップする
必要に応じて、NFS サーバーデーモン nfsd、mountd、および nfslogd を起動する
ブートサーバーの場合は、rarpd、rpc.bootparamd、rpld デーモンを起動する
/sbin/rc5 および /sbin/rc6 スクリプトは、/etc/rc0.d/K* スクリプトを実行して、次の作業を行います。
すべてのアクティブなプロセスを停止する
ファイルシステムのマウント解除
/sbin/rcS スクリプトは、/etc/rcS.d スクリプトを実行して、システムを実行レベル S に移行します。これらのスクリプトによって次の作業が行われます。
最小限のネットワークの確立
ルート (/)、/usr、/tmp、/var、/var/adm、および /var/run ファイルシステムのチェックとマウント
システム名の設定
擬似ファイルシステム (/proc と /dev/fd) のマウント
再構成用ブートのデバイスエントリの再構築
シングルユーザーレベルでマウントされる他のファイルシステムのチェックとマウント