passwd ファイルの各フィールドはコロンで区切られ、次のような情報が入っています。
username:password:uid:gid:comment:home-directory:login-shell |
たとえば、次のようになります。
kryten:x:101:100:Kryten Series 4000 Mechanoid:/export/home/kryten:/bin/csh |
次の表では、passwd ファイルの各フィールドについて説明します。
表 4–11 passwd ファイルのフィールド
フィールド名 |
説明 |
---|---|
username |
ユーザー (またはログイン) 名。ユーザー名は固有で、1 〜 8 文字の英字 (A-Z、a-z) と数字 (0-9) を使用する。最初の文字は英字で、少なくとも 1 文字は小文字を使用する |
password |
暗号化されたパスワードの代わりの x (パスワードフィールドはもう使用されない)。暗号化されたパスワードは shadow ファイルに格納される |
uid |
ユーザーをシステムに識別させるユーザー識別番号 (UID)。一般ユーザーの UID 番号は 100 から 60000 までの範囲とする。UID 番号はすべて固有でなければならない |
gid |
ユーザーの一次グループのグループ識別番号 (GID)。GID 番号は 0 から 60002 までの範囲の整数で指定する。60001 と 60002 はそれぞれ nobody とnoaccess に割り当てられる。65534 は nobody4 に割り当てられる |
通常はユーザーのフルネーム。このフィールドはコメントとしての情報専用。このフィールドは、もともとは、Bell 研究所の UNIX システムから GECOS (General Electric Computer Operating System) を実行するメインフレームにバッチジョブを依頼する場合、必要なログイン情報を保持するために使われていたので、GECOS フィールドと呼ばれることもある |
|
home-directory |
ユーザーのホームディレクトリのパス名 |
login-shell |
ユーザーのデフォルトログインシェル。これは /bin/sh、/bin/csh、/bin/ksh のどれかになる。表 4–18 のシェル機能の説明を参照 |
Solaris のデフォルトの passwd ファイルには、標準のデーモン用のエントリが入っています。デーモンとは、通常ブート時に起動され、システム全体で有効な操作 (印刷、ネットワークの管理、ポートの監視など) を実行するプロセスです。
root:x:0:1:Super-User:/:/sbin/sh daemon:x:1:1::/: bin:x:2:2::/usr/bin: sys:x:3:3::/: adm:x:4:4:Admin:/var/adm: lp:x:71:8:Line Printer Admin:/usr/spool/lp: uucp:x:5:5:uucp Admin:/usr/lib/uucp: nuucp:x:9:9:uucp Admin:/var/spool/uucppublic:/usr/lib/uucp/uucico smmsp:x:25:25:SendMail Message Submission Program:/: listen:x:37:4:Network Admin:/usr/net/nls: nobody:x:60001:60001:Nobody:/: noaccess:x:60002:60002:No Access User:/: nobody4:x:65534:65534:SunOS 4.x Nobody:/: |
ユーザー名 |
ユーザー ID |
説明 |
---|---|---|
root |
0 |
スーパーユーザーのアカウント |
daemon |
1 |
ルーチンシステムタスクに関連するシステム包括デーモン |
bin |
2 |
ルーチンシステムタスクを実行するシステムバイナリの実行に関連する管理デーモン |
sys |
3 |
システムのログの記録や一時ディレクトリのファイルの更新に関連する管理デーモン |
adm |
4 |
システムのログの記録に関連する管理デーモン |
lp |
71 |
ラインプリンタのデーモン |
uucp |
5 |
uucp 関数に関連するデーモン |
nuucp |
6 |
uucp 関数に関連するデーモン |
smmsp |
25 |
Sendmail メッセージ送信プログラムデーモン |
listen |
37 |
ネットワーク監視デーモン |
nobody |
60001 |
特別なアクセス権を必要としない、あるいは持つべきではないユーザーまたはソフトウェアプロセスに割り当てられる |
noaccess |
60002 |
あるアプリケーションを経由するが実際にログインせずに、システムにアクセスする必要があるユーザーまたはプロセスに割り当てられる |
nobody4 |
65534 |
SunOS 4.0 または 4.1 の nobody ユーザーアカウント |