IKE プロトコルは、IPv4 および IPv6 アドレスの自動キーユーティリティです。IKE の設定方法については、第 4 章「IKE の管理 (手順)」を参照してください。手動でキーを操作するキーユーティリティには、ipseckey コマンドがあります。ipseckey(1M) のマニュアルページを参照してください。
ipseckey コマンドを使用して、ipsecah と ipsecesp の保護機構で SA データベースを手動で操作できます。また、自動キー管理が無効な場合に、通信パーティ間の SA をセットアップするときも、ipseckey コマンドを使用します。
ipseckey コマンドには少数の一般オプションしかありませんが、多くのコマンド言語をサポートしています。マニュアルキー操作に固有のプログラムインタフェースで要求を配信するように指定することもできます。詳細については、pf_key(7P) のマニュアルページを参照してください。引数なしで ipseckey を呼び出すと、対話モードになり、エントリを入力できるプロンプトが表示されます。コマンドによっては、明示的なセキュリティアソシエーション (SA) タイプが必要ですが、それ以外は、ユーザーが SA を指定すれば、すべての SA タイプで動作します。
ipseckey コマンドを使用すると、特権ユーザーは微妙な暗号キー情報を入力できます。場合によっては、不正にこの情報にアクセスして IPsec トラフィックのセキュリティを損なうことも可能です。キー情報を扱う場合および ipseckey コマンドを使用する場合には、次のことに注意してください。
キー情報を更新しているかどうか。定期的にキーを更新することが、セキュリティの基本作業となります。キーを更新することで、アルゴリズムとキーの脆弱性が暴かれないように保護し、公開されたキーの侵害を制限します。
TTY がネットワークに接続されているか。ipseckey コマンドは対話モードで実行されているか。
対話モードの場合には、キー情報のセキュリティは、TTY のトラフィックに対応するネットワークパスのセキュリティになります。clear-text telnet や rlogin セッションでは、ipseckey コマンドを使用しないでください。
ローカルウィンドウでも、ウィンドウを読み取ることのできる隠密プログラムからの攻撃には無防備です。
ファイルはネットワークを介してアクセスされているか。ファイルは外部から読み取り可能か。-f オプションを使用しているか。
セキュリティの弱点の多くは、実際のツールではなく、ツールの使用方法にあります。ipseckey コマンドを使用するときには注意が必要です。安全に操作するため、コンソールなどの、ハード接続の TTY を使用してください。