リンカーとライブラリ

動的オブジェクトのパッド

実行時リンカーのデフォルト動作は、オペレーティングシステムに依存して、最も効率的に参照できる場所に動的オブジェクトを読み込みます。制御プロセスの中には、ターゲットプロセスのメモリーに読み込まれたオブジェクトの周りにパッドがあることによって、利益を受けるものがあります。このインタフェースを使用すると、制御プロセスは、このパッドを要求できます。

rd_objpad_enable()

この関数は、ターゲットプロセスによって続けて読み込まれたオブジェクトのパッドを有効または無効にします。パッドは読み込まれたオブジェクトの両側で行われます。

rd_err_e rd_objpad_enable(struct rd_agent * rdap, size_t padsize);

padsize は、メモリーに読み込まれたオブジェクトの前後両方で維持されるパッドのサイズをバイト数で指定します。このパッドは、mmap(2) に対し PROT_NONE アクセス権と MAP_NORESERVE フラグを指定して、メモリー割り当てとして予約されます。実行時リンカーは、読み込まれたオブジェクトに隣接するターゲットプロセスの仮想アドレス空間の領域を効果的に予約します。これらの領域は、制御プロセスによって後に利用できます。

padsize を 0 にすると、後のオブジェクトに対するオブジェクトパッドは無効になります。


注 –

mmap(2)MAP_NORESERVE を指定して /dev/zero から取得したメモリー割り当ての予約は、proc(1) 機能や rd_loadobj_t で提供されるリンクマップ情報を参照することで得られます。