Solaris 9 4/04 インストールガイド

WAN ブートミニルートの作成

WAN ブートでは、WAN ブートインストール用に変更された特別な Solaris ミニルートが使用されます。WAN ブートミニルートには、Solaris ミニルートにあるソフトウェアのサブセットが入っています。WAN ブートインストールを実行するには、Solaris DVD または Solaris SOFTWARE 1 of 2 CD から、このミニルートを WAN ブートサーバーにコピーする必要があります。-w オプションを指定して setup_install_server コマンドを実行し、Solaris ソフトウェアのメディアからシステムのハードディスクに WANブートミニルートをコピーします。

次の手順では、SPARC メディアを使って SPARC WAN ブートミニルートを作成します。x86 ベースのサーバーから SPARC WAN ブートミニルートを提供するには、まず SPARC マシンにミニルートを作成する必要があります。次に、作成したミニルートを、x86 ベースのサーバーのドキュメントルートディレクトリにコピーします。

setup_install_server コマンドの詳細は、第 15 章「CD メディアを使用したネットワークインストールの準備 (作業)」を参照してください。

SPARC: WAN ブートミニルートを作成する方法

この手順では、WAN ブートサーバーでボリュームマネージャを実行していると仮定します。ボリュームマネージャを使用していない場合は、ボリュームマネージャを使用せずにリムーバブルメディアを管理する方法について、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。

  1. WAN ブートサーバー上でスーパーユーザーになります。

    システムの必要条件は以下のとおりです。

    • CD-ROM ドライブまたは DVD-ROM ドライブを備えていること

    • サイトのネットワークおよびネームサービスに組み込まれていること

      ネームサービスを使用する場合は、システムがすでに NIS、NIS+、DNS、LDAP のいずれかのネームサービスに登録されていなければなりません。ネームサービスを使用しない場合は、サイトのポリシーに従ってシステムの情報を供給する必要があります。

  2. Solaris SOFTWARE 1 of 2 CD または Solaris DVD をインストールサーバーのドライブに挿入します。

  3. WAN ブートミニルートと Solaris インストールイメージを置くためのディレクトリを作成します。


    # mkdir -p wan-dir-path install-dir-path
    
    -p

    目的のディレクトリを作成するときに、必要な親ディレクトリもすべて作成するよう mkdir コマンドに指示します。

    wan-dir-path

    WAN ブートミニルートの作成先となる、インストールサーバー上のディレクトリを指定します。このディレクトリには、ミニルートを格納できる容量が必要です。ミニルートの標準サイズは 250 M バイトです。

    install-dir-path

    Solaris ソフトウェアイメージのコピー先となる、インストールサーバー上のディレクトリを指定します。この手順の後半で、このディレクトリは削除できます。

  4. マウントされたディスクの Tools ディレクトリに移動します。


    # cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_9/Tools
    

    上の例では、cdrom0 は、Solaris オペレーティング環境のメディアを含むドライブへのパスです。

  5. WAN ブートミニルートと Solaris ソフトウェアイメージを、WAN ブートサーバーのハードディスクにコピーします。


    # ./setup_install_server -w wan-dir-path install-dir-path
    
    wan-dir-path

    WAN ブートミニルートをコピーするディレクトリを指定します。

    install-dir-path

    Solaris ソフトウェアイメージをコピーするディレクトリを指定します。


    注 –

    setup_install_server コマンドは、Solaris SOFTWARE ディスクイメージをコピーする十分なディスク容量があるかどうかを調べます。利用できるディスク容量を調べるには、df -kl コマンドを使用します。


    setup_install_server -w コマンドは、WAN ブートミニルートと、Solaris ソフトウェアのネットワークインストールイメージを作成します。

  6. (省略可能) ネットワークインストールイメージを削除します。

    フラッシュアーカイブを使って WAN インストールを実行する場合、Solaris ソフトウェアイメージは不要です。ほかのネットワークインストールに使用する予定がない場合は、ネットワークインストールイメージを削除して、ディスクの空き領域を増やすことができます。ネットワークインストールイメージを削除するには、次のコマンドを入力します。


    # rm -rf install-dir-path
    
  7. 次のどちらかの方法で、WAN ブートサーバーが WAN ブートミニルートにアクセスできるようにします。

    • WAN ブートサーバーのドキュメントルートディレクトリに、WAN ブートミニルートへのシンボリックリンクを作成します。


      # cd /document-root-directory/miniroot
      # ln -s /wan-dir-path/miniroot .
      
      document-root-directory/miniroot

      WAN ブートサーバーのドキュメントルートディレクトリにあるディレクトリで、WAN ブートミニルートにリンクするものを指定します。

      /wan-dir-path/miniroot

      WAN ブートミニルートへのパスを指定します。

    • WAN ブートサーバーのドキュメントルートディレクトリに、WAN ブートミニルートを移動します。


      # mv /wan-dir-path/miniroot /document-root-directory/miniroot/miniroot-name
      
      wan-dir-path/miniroot

      WAN ブートミニルートへのパスを指定します。

      /document-root-directory/miniroot/

      WAN ブートサーバーのドキュメントルートディレクトリにある WAN ブートミニディレクトリへのパスを指定します。

      miniroot-name

      WAN ブートミニルートの名前を指定します。miniroot.s9_sparc のように、わかりやすい名前をファイルに付けます。