Solaris 9 4/04 オペレーティング環境の概要

デバイスの管理

この節では、Solaris 9 4/04 リリースで追加または更新されたデバイス関連機能について説明します。 このリリースでは、USB 機能が x86 プラットフォームおよび SPARC プラットフォームで使用できるようになりました。

USB 二重フレームワーク

以下は、Solaris 9 4/04 リリースからの新しい情報です。 この機能は x86 プラットフォームおよび SPARC プラットフォームで使用できます。

Solaris 9 12/03 リリースの USBA フレームワークは、そもそも USB 1.1 デバイス向けに開発されたものでした。 その後、より多くを要求する USB 2.0 デバイス向けに、新しいフレームワーク USBA 1.0 が開発されました。 このフレームワークは USB 1.1 デバイスにも対応しています。 今回の Solaris リリースでは、「二重フレームワーク」として、以前の USBA フレームワークと新しい USBA 1.0 フレームワークの両方が提供されます。 二重フレームワークには、以前のフレームワークから新しいフレームワークへの移行作業を円滑にする働きがあります。 以前の USBA フレームワークは、システムの USB 1.1 ポートに接続されたデバイスに対応しています。一方、新しい USBA 1.0 フレームワークは、システムの USB 2.0 ポートに接続されたデバイスに対応しています。

Sun のすべてのマザーボードポートは USB 1.1 ポートですが、ほとんどの PCI カードポートは USB 2.0 をサポートします。

USB 二重フレームワークの機能の詳細は、http://www.sun.com/desktop/whitepapers.html を参照してください。

USB 二重フレームワークの互換性の問題については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「USB デバイスの新機能」を参照してください。

USB 2.0 の機能

Solaris 9 4/04 リリースの USB 2.0 は、x86 プラットフォームおよび SPARC プラットフォームに次の機能を提供します。

USB デバイスの概要と用語の解説については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「USB デバイスの概要」を参照してください。

USB 2.0 デバイスの機能と互換性の問題

以下は、Solaris 9 4/04 リリースからの新しい情報であり、x86 プラットフォームおよび SPARC プラットフォームに適用されます。

USB 2.0 デバイスは、USB 2.0 仕様に準拠した高速デバイスです。 USB 2.0 仕様は、http://www.usb.org で確認できます。

以下に、今回の Solaris リリースの SPARC システムおよび x86 システムでサポートされる USB デバイスの例を示します。

今回の Solaris リリースで検証済みの USB デバイスの一覧は、次のサイトで確認できます。

http://www.sun.com/io_technologies/USB.html

その他のストレージデバイスを使用する場合は、scsa2usb.conf ファイルを変更する必要があります。 詳細は、scsa2usb(7D) のマニュアルページを参照してください。

Solaris USB 2.0 デバイスのサポートとして、次の機能が用意されています。

USB 2.0 デバイスのサポート機能の詳細は、ehci(7D) および usba(7D) のマニュアルページを参照してください。

USB ケーブルおよびバスによる電源供給型デバイスの詳細については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Solaris 環境における USB について」を参照してください。

USB デバイスの Solaris サポート

以下は、Solaris 9 4/04 リリースからの新しい情報であり、x86 プラットフォームおよび SPARC プラットフォームに適用されます。

以下の表では、USB 1.1 デバイスと USB 2.0 デバイスの Solaris サポートについて説明します。

 

Solaris 8 HW* リリース  

Solaris 9 リリース  

Solaris 9 4/04 リリース 

USB 1.1 

SPARC および x86 

SPARC および x86 

SPARC および x86 

USB 2.0 

SPARC 

なし 

SPARC および x86 


注 –

Solaris 8 HW は Solaris 8 リリースではなく、Solaris 8 HW 5/03 リリースから開始された Solaris 8 Hardware (HW) リリースを表します。 Solaris 8 HW 5/03 リリースの USB 二重フレームワークのパッチ番号は、109896 です。


Sun のハードウェアの USB サポートについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「USB デバイスの新機能」を参照してください。

USB 大容量ストレージデバイス

以下は、Solaris 9 4/04 リリースで改訂された情報です。 これらの機能は x86 プラットフォームおよび SPARC プラットフォームで使用できるようになりました。

リムーバブルメディアデバイスと同様にして、ボリュームマネージャからすべての USB ストレージデバイスにアクセスできるようになりました。 この変更により、次の利点が得られます。

USB 大容量デバイスの詳しい使用法については、scsa2usb(7D) のマニュアルページを参照してください。

USB 大容量ストレージデバイスの問題の障害追跡については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「USB デバイスの新機能」を参照してください。

USB ドライバの拡張機能

この節では、Solaris 9 4/04 リリースの USB ドライバの拡張機能について説明します。 これらの機能拡張は x86 プラットフォームおよび SPARC プラットフォームで使用できます。

EHCI ドライバと OHCI ドライバ

以下は、Solaris 9 4/04 リリースからの新しい情報です。

EHCI ドライバには、次の機能があります。

USB 2.0 と USB 1.0 または USB 1.1 を同じシステム上で共存させる場合は、システムに接続されているデバイスの種類によって、EHCI ドライバまたは OHCI ドライバにデバイスの制御が渡されます。