Solaris 9 リリースに含まれるシステムリソースの機能拡張は、次のとおりです。
Solaris 9 Resource Manager では、システムリソースの管理機能が拡張されました。 それにより、システム管理者は Resource Manager を使用して、以下の操作を実行できます。
システム上のコンピューティングリソースを割り当てる
これらのリソースの使用状況を監視して、必要に応じて割り当てを調整できるようにする
リソース利用についての詳しいアカウンティング情報を生成する。 この情報は、容量の計画や課金に利用できる
リソース制御フレームワークにより、プロセスやタスクが使用するシステムリソースを制限できます。 タスクは、単一のアクティビティに関連したプロセスのコレクションです。
リソースプールは、プロセッサなどのシステムリソースをパーティションに分割し、リブートしてもそれらを維持する方法を備えています。 また、このリリースではシステム上の CPU リソースをきめ細かに共有できる新しいフェアシェアスケジューラ (FSS) が追加されました。
これらの機能を使用すると、サーバー統合環境でアプリケーションへのリソース割り当てをより効果的に管理できます。
Solaris 9 リリースでは、この機能すべてをコマンド行インタフェースを介して管理します。 パフォーマンスの監視とリソース制御の設定も、Solaris 管理コンソールを介して実行できます。
リソース管理の詳細は、『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』および次のマニュアルページを参照してください。
prctl(1)
pooladm(1M)
poolcfg(1M)
rctladm(1M)
project(4)
FSS(7)
FX スケジューラは、ユーザーまたはアプリケーションによるスケジューリング優先順位制御を必要とするプロセスに対して、スケジューリングポリシーを提供します。 FX の下で実行されるプロセスの優先順位は、固定されています。 この優先順位は、システムによって動的に調整されるわけではありません。 FX クラスの優先順位の範囲は、TS、IA、および FSS クラスと同じです。
FX スケジューラの詳細は、『プログラミングインタフェース』および『マルチスレッドのプログラミング』を参照してください。 また、priocntl(1) および dispadmin(1M) のマニュアルページも参照してください。
同じシステムでの FX および FSS スケジューラの使用についての制約は、『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「フェアシェアスケジューラ」を参照してください。
df、du、および ls -l コマンドに、-h オプションが新しく追加されました。 このオプションは、ディスク使用率およびファイルやファイルシステムのサイズを 1024 の累乗で表示します。このオプションを使用すると、df、du、および ls -l コマンドの出力をわかりやすい形で表示できます。 -h オプションは、ファイルまたはディレクトリのサイズが 1024 バイトより大きい場合、ディスク容量を K バイト、M バイト、G バイト、または T バイトで表示します。
詳細は、df(1M)、du(1)、および ls(1) のマニュアルページを参照してください。
プロセスのデバッグを向上させる新しい 2 つのコマンド、pargs と preap が追加されました。 pargs コマンドは、進行中のプロセスやコアファイルに関連付けられた引数と環境変数の出力に使用できます。 preap コマンドは、ゾンビプロセスの削除に使用できます。
これらのコマンドの使用方法の詳細は、preap(1) および proc(1) のマニュアルページを参照してください。