Solaris 9 4/04 オペレーティング環境の概要

Solaris 9 の言語サポート

Solaris 9 オペレーティング環境では、39 種類の言語に対応する 162 のロケール環境がサポートされています。 これらの環境は、Solaris 9 DVD、Solaris 9 Software CD、および Solaris 9 Languages CD で提供されています。 次の項では、言語サポート機能について説明します。

詳細は、『国際化対応言語環境の利用ガイド』を参照してください。

データの相互運用性の改良

Solaris 9 リリースでは、Solaris 以外の環境との間で、データの相互運用性が改善されました。 その中には、UTF-8 とネイティブエンコーディング (HKSCS、GB18030、ISO 8859-11、および Hindi) 間のデータ変換に使用する新しい iconv ユーティリティの追加も含まれます。 また、iconv モジュールにより、日本語サポートが拡張されました。 これらのモジュールは、Solaris 日本語ロケールコードセットと富士通、日立、および NEC の日本語メインフレームコードセットとの間の変換を行います。

Solaris 9 リリースでの言語サポートの詳細は、『国際化対応言語環境の利用ガイド』を参照してください。

新しい TrueType フォント

新しい TrueType フォントでは、コードセットが異なっても共通の外観と同じ書体を提供するようになりました。 ヨーロッパロケールは、すべて共通の TrueType フォントを使用します。 各アジアロケールには、それぞれ独自の TrueType フォントファイルが存在します。

詳細は、『国際化対応言語環境の利用ガイド』を参照してください。

Unicode サポートの拡張

Solaris 9 リリースでは、Unicode のサポートが拡張されました。 タイ、インド、香港、トルコ、エジプト、ブラジル、フィンランド、およびベルギー (ワロン語) 用の新規 Unicode (UTF-8) ロケールが新たにサポートされます。

Solaris 9 リリースでの Unicode サポートの詳細は、『国際化対応言語環境の利用ガイド』を参照してください。

印刷フィルタ拡張機能 : mp プログラム

mp プログラムは、さまざまな Solaris ロケールの国際的なテキストファイルを受け付けます。 このプログラムは、指定されたロケールに合った出力を行います。 mp プログラムでは複合テキストレイアウト (CTL) がサポートされているため、出力では正確なテキストレイアウト (双方向のテキストの表示や形状決定など) もなされます。 PostScript の出力ファイルには、各ロケールの mp システムフォント構成にもとづき Solaris システム上のスケーラブルフォントやビットマップフォントのグリフイメージを組み込めます。

詳細は、『国際化対応言語環境の利用ガイド』の「mp による印刷フィルタの拡張」を参照してください。

新しい iconv モジュール

iconv モジュールを使用すると、ネイティブエンコードされたデータと Unicode 間の変換が可能です。 新しい文字セットをサポートするために、以下の iconv モジュールが追加されました。

Dtpad ファイルダイアログボックスへのコードセット変換機能の追加

Dtpad のファイルダイアログボックスにコードセット変換機能が追加され、 iconv ユーティリティによるファイルエンコーディングの変更がサポートされるようになりました。 このオプションにより、ファイルを UTF-8 や UTF-16 などのさまざまなエンコーディングで開いたり保存したりできます。

iconv(3C) のマニュアルページを参照してください。

新しい中国語 GB18030-2000 文字セットのサポート

Solaris プラットフォームでは、GB18030-2000 の全文字セット (約 30,000 文字) の入力、表示、および出力が可能です。 これにより、Solaris プラットフォームで実行するどのアプリケーションでも、中国語の広範な文字セットを利用できます。 使用可能なグリフは主に漢語ですが、エンコーディングにはチベット、魏、李、モンゴルなどの少数民族の言語も含まれています。

Solaris 9 リリースの GB18030-2000 サポートは、以前の中国語コードセット GBK および GB2312 との下位互換性も保持します。 Unicode など、ほかのコードセットへの変換もサポートされます。 Solaris 開発者は、新しいエンコーディングを使用するために、 従来の手順を変更する必要はありません。 GB18030-2000 サポートは、標準ツールキットで使用できます。

GB18030-2000 サポートを必要とする Java アプリケーションについては、以下の Web サイトにある J2SE の情報を参照してください。

http://java.sun.com/j2se/1.4

zh_CN.GBK から拡張された新しい zh_CN.GB18030 ロケール

この新しい zh_CN.GB18030 ロケールは、新しい GB18030 規格をサポートするために提供されています。 これは、中国政府が制定した新法により要求されているエンコーディングです。

中国語と韓国語の新しい照合ロケール

照合ロケールは、画数と部首、読み、辞書のオプションなどのさまざまなオプションを提供します。

タイ語用の単語分割モジュール

単語分割モジュールを使用して、Motif を使用する際にタイ語の文章を正確に適切な段落、文、単語で区切ることができます。

新しいアジア UTF-8 (Unicode) ロケール

File System Safe Universal Transformation Format (UTF-8) は、X/Open® によって Unicode のマルチバイト表現として定義されているエンコード方式です。 UTF-8 は、ヨーロッパおよびアジア言語に対応する、従来の Solaris のシングルバイトおよびマルチバイトロケールで使用できた文字をほぼ網羅します。

新しいタイ語の入力方式

新しいタイ語の入力方式は、Thai Industrial Standards Institute の規格 TIS 1566-2541「Thai input/output methods for computer (コンピュータ用のタイ語の入出力)」(「WIT」と呼ばれる) の定義に基づいたタイ語の入力シーケンスチェックをサポートします。 この入力シーケンスチェックには、 レベル 0 (パススルー)、レベル 1 (基本チェック)、およびレベル 2 (厳密) という 3 段階のレベルがあります。

新しい中国語の入力方式

新しい文字セットと新しいロケール用に、繁体字中国語と簡体字中国語のロケールのより一般的で強力な入力方式 (IM) が追加されました。

中国語入力方式のための新しい補助ウィンドウ

入力方式のユーザーインタフェース (UI) に補助ウィンドウが追加されました。 これは、すべての中国語ロケールに対応する「親しみやすく」拡張性のある UI です。 補助ウィンドウによってサポートされる新機能を、以下に示します。

香港用の HKSCS をサポートする新しい zh_HK.BIG5HK ロケール

Hong Kong Supplementary Character Set (HKSCS) をサポートするために、新しい zh_HK.BIG5HK ロケールが提供されました。 HKSCS は、Big-5 および ISO 10646 コーディングスキーマの追加文字セットです。 HKSCS には、香港での中国語コンピューティングに必要な中国語文字が含まれています。 ただし、これらの文字は、Big-5 または ISO 10646 標準文字セットには含まれていません。

追加の日本語 iconv モジュール

日本語サポートに、Solaris 日本語ロケールコードセットと日本語メインフレームコードセット間の iconv コード変換が追加されました。 日本語ロケールコードセットには、eucJP、PCK、および UTF-8 が含まれます。日本語メインフレームコードセットには、富士通 JEF、日立 KEIS、および NEC JIPS が含まれます。

ヨーロッパおよび中東用の新しいロケールのサポート

Solaris 9 リリースでは、トルコ語 (Q タイプ)、トルコ語 (F タイプ)、およびアラビア語の Sun I/O キーボードサポートが追加されました。 また、トルコ語 (Q タイプ)、トルコ語 (F タイプ)、ベルギー向け、およびアラビア語の Sun Ray USB キーボードサポートも追加されました。

詳細は、『国際化対応言語環境の利用ガイド』を参照してください。

ヨーロッパおよび中東用の新しい Unicode (UTF-8) ロケール

Solaris 8 10/00 リリースでは、ヨーロッパおよび中東ロケールにロシア語、ポーランド語、およびカタロニア用の 2 つの新しいロケールが追加されました。 Solaris 8 4/01 リリースでは、トルコ語の UTF-8 コードセットとロシア語の UTF-8 コードセットの、2 つの言語が追加されました。

Solaris 9 リリースでは、ヨーロッパおよび中東の言語のサポートとして、トルコ、エジプト、ブラジル、フィンランド、およびベルギー (ワロン語) の UTF-8 ロケールも追加されました。

ロケール名は、次のとおりです。

ユーロ通貨のサポート

以下のロケールでは、各国通貨単位 (NCU) からユーロ通貨グリフに変更されました。