Solaris ボリュームマネージャの管理

RAID 0 (連結方式) ボリューム

連結方式ボリューム (または単に連結) は、個々のコンポーネント内にデータを順番に隣接して配置し、1 つの論理記憶ユニットを構成します。

連結方式では、いくつかのコンポーネントの容量を結合することによって記憶容量を拡張します。 したがって、記憶容量の要件に応じてコンポーネントを追加できます。

連結方式では、記憶容量やファイルシステムのサイズをオンライン状態のまま動的に拡張できます。 連結方式ボリュームにコンポーネントを追加するときは、他のコンポーネントがアクティブであってもかまいません。


注 –

ストライプの容量を拡張するためには、ストライプを連結する必要があります。 詳細は、RAID 0 (ストライプ方式の連結) ボリュームを参照してください。


また、連結方式では、システムを停止しなくても、動作中の、マウントされている UFS ファイルシステムを拡張できます。 通常、連結方式ボリュームの合計容量は、すべてのコンポーネントの合計サイズと同じです。 ただし、このボリュームに状態データベースの複製を格納するスライスが含まれている場合には、連結の合計容量は、コンポーネントの合計から複製に予約されている領域を引いたものです。

連結方式ボリュームは、1 つのコンポーネントから作成することもできます。 後で記憶容量が必要になったら、新たにコンポーネントを追加することができます。


注 –

ルート (/)、swap/usr /opt、または /var ファイルシステムをミラー化する場合は、連結方式を使ってこれらのファイルシステムをカプセル化する必要があります。


シナリオ — RAID 0 (連結方式)

図 7–2 に、3 つのコンポーネント (スライス) からなる連結の例を示します。

データブロック (チャンク) は、ディスク A から始まる個々のコンポーネントに順次、書き込まれます。したがって、ディスク A には論理チャンク 1 から 4 が、ディスク B には論理チャンク 5 から 8 が、ディスク C には論理チャンク 9 から 12 がそれぞれ書き込まれます。ボリューム d1の合計容量は 3 つのドライブの合計容量です。 したがって、各ドライブの容量が 2G バイトであれば、合計容量は 6Gバイトになります。

図 7–2 RAID 0 (連結方式) ボリュームの例

最初のスライスからすべての幅、次のスライスからすべての幅という順序でスライス 3 つからとられた飛び越し幅が、単一ボリュームとしてまとめられています。