Solaris WBEM 開発ガイド

クライアント API の概要

WBEM クライアントアプリケーションは、javax.wbem.client API を使用して CIM オブジェクトを操作します。クライアントアプリケーションは、CIM API を使ってオブジェクトを構築したあと、そのオブジェクトのインスタンスを作成します。こうしたオブジェクトには、クラス、インスタンス、名前空間などがあります。アプリケーションは、クライアント API を使ってオブジェクトを CIM オブジェクトマネージャに渡し、WBEM 操作を要求します。たとえば、CIM クラスの作成、インスタンスの作成、名前空間の作成といった操作があります。


注 –

/usr/sadm/lib/wbem/cimapi.jar ファイルには、Solaris 8 オペレーティング環境を稼働しているサーバーと通信するために必要な com.sun.wbem クラスが含まれています。javax.com.sun.client API と RMI プロトコルを使用する WBEM クライアントを作成する場合、Solaris 8 オペレーティング環境を稼働しているサーバーにクライアントを接続するには、クライアントのクラスパス (CLASSPATH) に /usr/sadm/lib/wbem/cimapi.jar ファイルを含める必要があります。


クライアントアプリケーションの処理手順

クライアントアプリケーションは通常、次の手順で処理を行います。

  1. CIMClient を使って CIMOM に接続します。クライアントアプリケーションは、WBEM 操作を実行する必要があるとき、毎回 CIMOM に接続します。WBEM 操作には、CIM クラスの作成、CIM インスタンスの更新などがあります。詳細は、クライアント接続の開始と終了を参照してください。

  2. クライアントAPI を使用して、操作の要求およびプログラミング作業を実行します。アプリケーションの機能セットは、どの処理を要求すべきかを決定します。次に、ほとんどのプログラムが実行する一般的な処理を示します。

    • インスタンスの作成、削除、更新

    • オブジェクトの列挙

    • メソッドの呼び出し

    • クラス定義の取得

    • エラー処理

    クラスの作成と削除、名前空間の作成と削除、および修飾子の使用は、クライアントプログラムからも実行できます。詳細は、基本的なクライアント操作の実行を参照してください。

  3. CIMClient を使用して CIM オブジェクトマネージャへのクライアント接続を閉じて、クライアントセッションが使用しているリソースをすべて解放します。詳細は、クライアント接続の開始と終了を参照してください。