Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)

NIS に戻す方法

N2L サービスを使用して NIS から LDAP に移行したサイトでは、すべての NIS クライアントを Solaris LDAP ネームサービスクライアントに徐々に置き換えていくことが求められます。 最終的には、NIS クライアントに対するサポートは不要になります。 ただし、必要に応じて、N2L サービスは、以下の 2 つの手順に示すように、従来の NIS に復帰するための 2種類の方法を提供します。


ヒント –

従来の NIS は、N2L バージョンの NIS マップが存在しても、それを無視します。 NIS に戻した後で、サーバー上の N2L バージョンのマップをそのままにしておいた場合でも問題を起こしません。 したがって、後で再度 N2L を有効にしたい場合に備えて、N2L マップを保管しておくことができます。 ただし、マップの保管はディスクスペースを消費します。


以前のソースファイルに基づくマップに戻す方法
  1. スーパーユーザーになります。

  2. NIS デーモンを停止します。


    # ypstop
    
  3. N2L を無効にします。

    このコマンドは、N2L マッピングファイルをバックアップして、移動します。


    # mv /var/yp/NISLDAPmapping backup_filename
    
  4. NOPUSH 環境変数を設定して、ypmake によって新しいマップが転送されないようにします。


    # NOPUSH=1
    
  5. 以前のソースに基づいて、NIS マップの新しいセットを作成します。


    # cd /var/yp
    # make
    
  6. (オプション) N2L バージョンの NIS マップを削除します。


    # rm /var/yp/domainname/LDAP_*
    
  7. NIS デーモンを再起動します。


    # ypstart
    
現在の DIT 内容に基づくマップに戻す方法

この手順を実行する前に、従来の NIS ソースファイルをバックアップします。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. NIS デーモンを停止します。


    # ypstop
    
  3. DIT に基づいてマップを更新します。


    # ypserv -r
    

    ypserv が終了するまで待ちます。

  4. N2L を無効にします。

    このコマンドは、N2L マッピングファイルをバックアップして、移動します。


    # mv /var/yp/NISLDAPmapping backup_filename
    
  5. NIS ソースファイルを再生成します。


    # ypmap2src
    
  6. 再生成された NIS ソースファイルの内容と構造が正しいことを手動でチェックしてください。

  7. 再生成された NIS ソースファイルを適切なディレクトリに移動します。

  8. (オプション) N2L バージョンのマッピングファイルを削除します。


    # rm /var/yp/domainname/LDAP_*
    
  9. NIS デーモンを再起動します。


    # ypstart