Solaris 9 9/04 リリースへのアップグレード後に発生するバグ情報について説明します。
Solaris 9 9/04 オペレーティングシステムにアップグレードしても、次の CDE ローカリゼーションパッケージはアップグレードされません。
SUNWmeadt
SUNWnafdt
SUNWnamdt
SUNWneudt
SUNWseudt
SUNWweudt
この問題がシステムに影響するか判断するには、システムをアップグレードした後で、pkgchk -n コマンドを実行します。次のエラーメッセージが表示された場合、CDE ローカリゼーションパッケージを手作業で削除および追加する必要があります。
Checking Package SUNWmeadt ERROR: /usr/dt/config/he/Xresources.d/Xresources.ow pathname does not exist Checking Package SUNWnafdt ERROR: /usr/dt/config/ar/Xresources.d/Xresources.ow pathname does not exist Checking Package SUNWnamdt ERROR: /usr/dt/config/en_US.ISO8859-15/Xresources.d/Xresources.ow pathname does not exist Checking Package SUNWneudt ERROR: /usr/dt/config/da_DK.ISO8859-15/Xresources.d/Xresources.ow pathname does not exist ERROR: /usr/dt/config/fi_FI.ISO8859-15/Xresources.d/Xresources.ow pathname does not exist Checking Package SUNWseudt ERROR: /usr/dt/config/el_GR.ISO8859-7/Xresources.d/Xresources.ow pathname does not exist ERROR: /usr/dt/config/pt_PT.ISO8859-15/Xresources.d/Xresources.ow pathname does not exist Checking Package SUNWweudt ERROR: /usr/dt/config/en_GB.ISO8859-15/Xresources.d/Xresources.ow pathname does not exist ERROR: /usr/dt/config/en_IE.ISO8859-15/Xresources.d/Xresources.ow pathname does not exist ERROR: /usr/dt/config/nl_BE.ISO8859-15/Xresources.d/Xresources.ow pathname does not exist ERROR: /usr/dt/config/nl_NL.ISO8859-15/Xresources.d/Xresources.ow pathname does not exist |
回避方法: システムをアップグレードした後で、次の手順を実行して CDE ローカリゼーションパッケージをアップグレードしてください。
スーパーユーザーになります。
パッケージを削除します。
# pkgrm SUNWmeadt SUNWnafdt SUNWnamdt SUNWneudt \ SUNWseudt SUNWweudt |
Solaris 9 9/04 バージョンのパッケージが入っているディレクトリに移動します。
# cd path_to_image
たとえば、Solaris 9 9/04 SOFTWARE 1 of 2 CD 上にあるパッケージにアクセスするには、Solaris 9 9/04 SOFTWARE 1 of 2 CD をメディアドライブに挿入します。そして、次のコマンドを入力します。
# cd /cdrom/cdrom0/Solaris_9/Product
パッケージをシステムに追加します。
# pkgadd -d . SUNWmeadt SUNWnafdt SUNWnamdt SUNWneudt \ SUNWseudt SUNWweudt |
次のいずれかの操作を実行すると、SAM-FS/QFS デーモンが起動せず、ファイルシステムがマウントできない状態になります。
Solaris 9 4/04 リリースにアップグレードする。
Solaris 9 推奨パッチ群 (Solaris 9 パッチ ID 112233-11) を適用する。
このエラーは、デーモンが通常使用するシステムコール 181 を、異なるモジュールが使用しているために発生します。これらのモジュールは、上記操作で適用したパッチによって導入されます。次のエラーメッセージが /var/adm/messages に記録されます。
/var/adm/messages Jan 5 13:28:46 host genunix: [ID 147998 kern.warning] WARNING: system call entry 181 is already in use Jan 5 13:28:46 host samfs: [ID 798779 kern.warning] WARNING: SAM-FS: modload(samsys) failed. |
さらに、次のエラーメッセージも /var/adm/sam-log に記録されます。
/var/adm/sam-log Jan 5 13:30:08 host sam-fsd[355]: [ID 617651 local4.alert] Fatal error - samsys module not loaded Jan 5 13:30:08 host sam-fsd[355]: [ID 765074 local4.alert] Correct problem and 'kill -HUP 355' |
次の手順を実行してください。
スーパーユーザーになります。
modinfo の出力に grep 181 を実行して、システムコール 181 がほかのモジュールによって使用されているかどうかを判断します。
# modinfo | grep 181 8 1181aa0 38c4 1 1 TS (time sharing sched class) 15 11b1092 181a 12 1 sad (STREAMS Administrative Driver ') 43 1295cd8 ce9 181 1 ssc050 (SSC050 i2c device driver: v1.4) 158 7813a87f 181c 95 1 cpc (cpc sampling driver v1.10) 158 7813a87f 181c 179 1 cpc (cpc sampling system call) 158 7813a87f 181c 179 1 cpc (32-bit cpc sampling system call) |
この例では、システムコール 181 がほかのモジュールによって使用されています。したがって、ほかの未使用のシステムコール値を使用するように samsys を構成します。
/etc/name_to_sysnum を編集して、samsys が使用するシステムコール値を 182 またはほかの未使用の値 (0 〜 255) に変更します。
samsys 182 |
システムをブートして、samsys を再構成します。
# shutdown -y -g0 -i0
OK> boot -r
/var/adm/messages にエラーメッセージがなく、すべての SAM-FS ファイルシステムがマウント可能であることを確認します。
次のような手順で操作した場合、WBEM リポジトリの Common Information Model (CIM) データベースが破壊される可能性があります。
Solaris 9 ソフトウェアを実行しているシステムに Solaris 9 リリースのパッチ 112945 のリビジョンを適用します。
上の手順で適用したパッチを削除します。
WBEM リポジトリが破壊された場合、Solaris 管理コンソールのログビューアに次のエラーメッセージが表示されます。
CIM_ERR_FAILED: /usr/sadm/lib/wbem/../../../../var/sadm/wbem/logr/ preReg/PATCH113829install/Solaris_Application.mof,18,ERR_SEM, ERR_EXC_SET_CLASS,CIM_ERR_FAILED:Other Exception: java.io.StreamCorruptedException: invalid stream header |
回避方法:次のいずれかを実行してください。
WBEM リポジトリの破壊を防ぐには、次の手順を実行します。
スーパーユーザーになります。
パッチを適用する前に、WBEM リポジトリのバックアップを作成します。
# cp -r /var/sadm/wbem/logr path/logr |
path には、バックアップ用 WBEM リポジトリのパスを指定します。
パッチのバックアウト後、WBEM リポジトリが破壊されたら、WBEM サーバーを停止します。
# /etc/init.d/init.wbem stop |
バックアップ用 WBEM リポジトリを復元します。
# cp -rf path/logr /var/sadm/wbem/logr |
WBEM サーバーを再起動します。
# /etc/init.d/init.wbem start |
次の手順で、新しい WBEM リポジトリを作成します。
この方法では、すでに破壊された WBEM リポジトリのデータを回復することはできません。インストール時にリポジトリに追加されたデータはすべて失われます。
スーパーユーザーになります。
WBEM サーバーを停止します。
# /etc/init.d/init.wbem stop |
/logr ディレクトリからファイルを削除します。
# rm /var/sadm/wbem/logr/* |
/notFirstTime ディレクトリを削除します。
# rmdir notFirstTime |
WBEM サーバーを起動します。
# /etc/init.d/init.wbem start |
独自の Managed Object Format (MOF) ファイルを手動でコンパイルします。
# /usr/sadm/bin/mofcomp MOF-filename |
Solaris 9 9/04 へのアップグレードを行うと、アップグレード時に設定したデフォルトロケールがシステムのデフォルトロケールに正しく設定されない場合があります。
Solaris 9 9/04 SOFTWARE 1 of 2 CD を使用したアップグレードの場合、SOFTWARE 1 of 2 CD の インストールの終了後、自動ブートしたシステムが英語環境で起動し、SOFTWARE 2 of 2 CD および LANGUAGES CD のインストール画面が英語で表示されることがあります。
回避方法: アップグレード終了後、システムのデフォルトロケールを /etc/default/init ファイルの LANG 環境変数に設定してください。
Solaris 8 および Solaris 8 アップデートリリースから Solaris 9 9/04 へアップグレードを行うと、古いフォント設定ファイル (ファイル末尾に :8 が付く) が残ります。
回避方法: 古いフォント設定ファイルは削除してください。
# rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.upr:8 # rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.scale:8 # rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.alias:8 # rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.upr:8 # rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.scale:8 # rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.alias:8 |