Solaris 9 9/04 インストールガイド

用語集

3DES

Triple-Data Encryption Standard (Triple DES) の略。168 ビットの鍵を提供する対称鍵暗号化方法。

AES

Advanced Encryption Standard の略。対称 128 ビットブロックのデータ暗号技術。米国政府は、2000 年の 10 月に暗号化標準としてこのアルゴリズムの Rijndael 方式を採用した。DES に代わる米国政府の標準として、AES が採用されている。

begin スクリプト

ユーザーが定義する Bourne シェルスクリプト。rules ファイル内で指定され、Solaris ソフトウェアがシステムにインストールされる前に作業を実行する。このスクリプトは、カスタム JumpStart インストールでのみ使用できる。

bootlog-cgi

WAN ブートインストール時に、リモートクライアントのブートおよびインストールのコンソールメッセージを Web サーバーで収集し保存できるようにする CGI プログラム。

certstore

特定のクライアントシステムに関するデジタル証明書を格納しているファイル。SSL ネゴシエーションの際、クライアントは証明書ファイルをサーバーに提供するよう要求されることがある。サーバーはこのファイルを使ってクライアントの識別情報を確認する。

CGI

Common Gateway Interface の略。外部プログラムが HTTP サーバーと通信するためのインタフェース。CGI を使用するプログラムは、CGI プログラムまたは CGI スクリプトと呼ばれる。通常サーバーでは処理されないフォームや解析されない出力を、CGI プログラムが処理したり解析したりする。

DES

Data Encryption Standard の略。対称鍵暗号化方法の 1 つ。1975 年に開発され、ANSI により 1981 年に ANSI X.3.92 として標準化された。DES では 56 ビットの鍵を使用する。

DHCP

動的ホスト構成プロトコルは、アプリケーション層プロトコルであり、TCP/IP ネットワーク上の個々のコンピュータつまりクライアントが、中央管理を行なっている指定の DHCP サーバーから IP アドレスなどのネットワーク構成情報を抽出できるようにする。この機能は、大規模な IP ネットワークの保持、管理によるオーバーヘッドを削減する。

EISA

拡張 ISA (Extended Industry Standard Architecture)。x86 ベースシステムで使用されるバスの 1 つ。EISA バス標準は、ISA バスシステムよりも「洗練された」規格と言える。取り付けられたデバイスが、システムに付属の「EISA コンフィギュレータ」プログラムを使用して構成されている場合、デバイスは自動的に検出される。「ISA」も参照。

/etc

重要なシステム構成ファイルや保守コマンドが収められているディレクトリ。

/etc/netboot ディレクトリ

WAN ブートインストールに必要なクライアント構成情報とセキュリティデータが格納されている、WAN ブートサーバー上のディレクトリ。

/export

OS サーバー上のファイルシステムで、ネットワーク上のほかのシステムと共有される。たとえば、/export ファイルシステムには、ディスクレスクライアント用のルートファイルシステムとスワップ、それにネットワーク上のユーザーのホームディレクトリを収めることができる。ディスクレスクライアントは、起動と実行の際に OS サーバー上の /export ファイルシステムに依存する。

fdisk パーティション

x86 ベースのシステム上にある特定のオペレーティングシステム専用のディスクドライブの論理パーティション。Solaris ソフトウェアをインストールするには、x86 システム上に 1 つ以上の Solaris 9 fdisk パーティションを設定する必要がある。x86 ベースのシステムでは、1 台のディスクに最大 4 つの fdisk パーティションを作成できる。これらのパーティションは、個別のオペレーティングシステムをインストールして使用できる。各オペレーティングシステムは、独自の fdisk パーティション上に存在しなければならない。個々のシステムが所有できる Solaris fdisk パーティションの数は、1 台のディスクにつき 1 つに限られる。

finish スクリプト

ユーザーが定義する Bourne シェルスクリプト。rules ファイル内で指定され、Solaris ソフトウェアがシステムにインストールされてから、システムがリブートされるまでの間に作業を実行する。このスクリプトは、カスタム JumpStart インストールで使用する。

HMAC

メッセージ認証を行うためのキー付きハッシュ方法。HMAC は秘密共有鍵と併用して、MD5 、SHA-1 などの繰り返し暗号化のハッシュ関数で使用する。HMAC の暗号の強さは、基になるハッシュ関数のプロパティによって異なる。

HTTP

(Hypertext Transfer Protocol の略) リモートホストからハイパーテキストオブジェクトをフェッチするインターネットプロトコル。このプロトコルは TCP/IP にもとづいている。

HTTPS

HTTP のセキュリティ保護されたバージョン。SSL (Secure Sockets Layer) を使って実装される。

IPv6

IPv6 は、現在のバージョン IPv4 (バージョン 4) から拡張されたインターネットプロトコル (IP) のバージョン (バージョン 6) である。定められた移行方法を使用して IPv6 を採用すると、現在の運用を中断する必要はない。また、IPv6 には、新しいインターネット機能用のプラットフォームも用意されている。

IPv6 の詳細は、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の「IPv6 (概要)」を参照。

IP アドレス

インターネットプロトコル (Internet Protocol、IP) アドレス。TCP/IP では、ネットワーク上の個々のホストを識別する 32 ビットの一意の数値。IP アドレスは、4 つの数をピリオドで区切った形式になる (例: 192.9.9.1)。通常、IP アドレスの各部は 0〜225 の番号であるが、最初の番号は 224 未満とし、最後の番号は 0 以外にする必要がある。

IP アドレスは論理的には、 ネットワーク (市外局番のようなもの) とネットワーク上のシステム (電話番号のようなもの) の 2 つの部分に分割される。たとえば、クラス A の IP アドレスは「network.local.local.local」となり、クラス C の IP アドレスは「network.network.network.local」となる。

クラス 

範囲 (xxx は 0 から 255 までの数字)

使用できる IP アドレス数 

クラス A 

1.xxx.xxx.xxx - 126.xxx.xxx.xxx

1,600 万以上 

クラス B 

128.0.xxx.xxx - 191.255.xxx.xxx

65,000 以上 

クラス C 

192.0.0.xxx - 223.255.255.xxx

256 

ISA

Industry Standard Architecture の略。x86 システムのバスタイプの 1 つ。ISA バスシステムは「ダム (dumb)」タイプで、システムがデバイスを自動的に検出して構成できるようなメカニズムは提供していない。「EISA」も参照。

JumpStart インストール

インストール方法の 1 つ。出荷時にインストールされている JumpStart ソフトウェアを使用することによって、Solaris 9 ソフトウェアをシステムに自動インストールできる。

JumpStart ディレクトリ

カスタム JumpStart インストールの実行に必要なファイルが含まれているディレクトリ。プロファイルフロッピーディスクを使用してインストールする場合は、フロッピーディスク上のルートディレクトリが JumpStart ディレクトリとなる。カスタム JumpStart インストール用にプロファイルサーバーを使用する場合、必要なカスタム JumpStart ファイルをすべて格納するサーバー上のディレクトリが JumpStart ディレクトリとなる。

Kerberos

強力な秘密鍵暗号方式を使用して、クライアントとサーバーが、セキュリティ保護されていないネットワーク接続で相互を認識できるようにするネットワーク認証プロトコル。

keystore

クライアントとサーバーとで共有される鍵を格納しているファイル。WAN ブートインストール時に、クライアントシステムは鍵を使って、サーバーから送信されるデータやファイルの完全性の確認と復号化を行う。

LAN

local area network の略。接続用のハードウェアとソフトウェアを介して通信できる、近接したコンピュータシステムの集まり。

LDAP

Lightweight Directory Access Protocol。LDAP ネームサービスクライアントとサーバー間の通信に使用される標準の拡張可能なディレクトリアクセスプロトコル。

MD5

デジタル署名などのメッセージ認証に使用する繰り返し暗号化のハッシュ関数。1991 年に Rivest 氏によって開発された。

NIS

SunOS 4.0 (以上) のネットワーク情報サービス。ネットワーク上のシステムとユーザーに関する重要な情報が収められている分散型ネットワークデータベース。NIS データベースは、マスターサーバーとすべてのスレーブサーバーに格納されている。

NIS+

SunOS 5.0 (以上) のネットワーク情報サービス。NIS+ は、SunOS 4.0 (以上) のネットワーク情報サービスである NIS に代わるもの。

/opt

Sun 以外のソフトウェア製品や別製品のソフトウェア用のマウントポイントが収められているファイルシステム。

OS サーバー

ネットワーク上のシステムにサービスを提供するシステム。ディスクレスクライアントにサービスを提供するには、OS サーバーは、各ディスクレスクライアントごとに、ルートファイルシステムとスワップ領域 (/export/root/export/swap) 用のディスク空間が必要である。

RAID-0 ボリューム

ストライプ方式または連結方式のボリューム。これらはサブミラーとも呼ばれる。ストライプや連結は、ミラーを構築する基本構成ブロックである。

RAID-1 ボリューム

同じデータのコピーを複数保持しているボリューム。RAID-1 ボリュームは、サブミラーと呼ばれる 1 つまたは複数の RAID-0 ボリュームから構成される。RAID-1 ボリュームはミラーと呼ばれることもある。

rules.ok ファイル

rules ファイルから生成されたファイル。カスタム JumpStart インストールソフトウェアは、rules.ok ファイルを使ってシステムとプロファイルを照合する。check スクリプトを使用して rules.ok ファイルを作成しなくてはならない。

rules ファイル

自動的にインストールしたいシステムの各グループまたは単一のシステムのルールを含んでいるテキストファイル。各ルールは 1 つ以上のシステム属性に基づいてシステムグループを識別する。rules ファイルは、各グループをプロファイルにリンクする。Solaris 9 ソフトウェアをどのようにしてグループ内の個々のシステムにインストールするかを定めたテキストファイル。ルールファイルは、カスタム JumpStart インストールで使用される。「プロファイル」も参照。

Secure Sockets Layer

(SSL) クライアントとサーバーの間にセキュリティ保護された接続を確立するソフトウェアライブラリ。HTTP のセキュリティ保護されたバージョンである HTTPS を実装するために使用される。

SHA1

Secure Hashing Algorithm の略。このアルゴリズムは、長さが 264 未満の入力に対して演算を行い、メッセージダイジェストを生成する。

Solaris 9 DVD または CD イメージ

システムにインストールされる Solaris 9 ソフトウェア。Solaris 9 DVD や CD から、または Solaris 9 DVD や CD イメージをコピーしたインストールサーバーのハードディスク上から利用できる。

Solaris Live Upgrade

アクティブブート環境が稼動している間に複製ブート環境のアップグレードを行うことにより、稼動中の環境のダウンタイムをなくすことを可能にするアップグレード方法。

Solaris suninstall プログラム

システムを設定し、そのシステムに Solaris 9 ソフトウェアをインストールするために使用できるコマンド行インタフェース (CLI) で、メニューから選択可能な対話式のスクリプト。

Solaris Web Start

グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) とコマンド行インタフェース (CLI) を備えたインストールプログラム。ウィザードパネルに、Solaris 9 ソフトウェアやサードパーティソフトウェアをインストールする手順が示される。

sysidcfg ファイル

システムを事前設定する特殊な一連のシステム構成キーワードを指定するファイル。

truststore

1 つ以上のデジタル証明書を格納しているファイル。WAN ブートインストール時に、クライアントシステムは truststore ファイル内のデータを参照して、インストールを実行しようとしているサーバーの識別情報を確認する。

URL

Uniform Resource Locator の略。サーバーやクライアントがドキュメントを要求するために使用するアドレス方式。URL はロケーションとも呼ばれる。URL の形式は protocol://machine:port/document

たとえば、http://www.example.com/index.html は URL の一例。

/usr

スタンドアロンシステムまたはサーバー上のファイルシステム。標準 UNIX プログラムの多くが格納されている。ローカルコピーを保持する代わりに、大きな /usr ファイルシステムをサーバーと共有することにより、システム上で Solaris 9 ソフトウェアをインストールおよび実行するために必要なディスク容量を最小限に抑えることができる。

/var

システムの存続期間にわたって変更または増大が予想されるシステムファイルが格納されている (スタンドアロンシステム上の) ファイルシステムまたはディレクトリ。これらのファイルには、システムログ、vi ファイル、メールファイル、uucp ファイルなどがある。

WAN

wide area network の略。複数のローカルエリアネットワーク (LAN) または地理的に異なる場所にあるシステムを、電話、光ファイバ、衛星などの回線を使って接続するネットワーク。

wanboot-cgi プログラム

WAN ブートインストールで使用されるデータとファイルの取得と転送を行う CGI プログラム。

wanboot.conf ファイル

WAN ブートインストールに必要な構成情報とセキュリティ設定値を指定するテキストファイル。

wanboot プログラム

WAN ブートインストールの実行に必要な、WAN ブートミニルート、クライアント構成ファイル、およびインストールファイルを読み込む、二次レベルのブートプログラム。WAN ブートインストールでは、wanboot バイナリが、ufsboot または inetboot 二次ブートプログラムと同様の処理を実行する。

WAN ブートインストール

HTTP または HTTPS を使って広域ネットワーク (WAN) を介してソフトウェアをブートしインストールできるインストール方式。WAN ブートインストールでは、暗号化されたフラッシュアーカイブをパブリックネットワークを介して転送し、リモートクライアントに対してカスタム JumpStart インストールを実行できます。

WAN ブートサーバー

WAN ブートインストールで使用される構成ファイルとセキュリティファイルを提供する Web サーバー。

WAN ブートミニルート

WAN ブートインストールを実行するために変更されたミニルート。WAN ブートミニルートには、Solaris ミニルートにあるソフトウェアのサブセットが格納される。

ミニルートも参照

アーカイブ

マスターシステムからコピーされたファイルの集合体。このファイルには、アーカイブの名前や作成した日付など、アーカイブの識別情報が含まれている。アーカイブをシステムにインストールすると、システムはマスターシステムとまったく同じ構成になる。

更新前のマスターイメージと更新されたマスターイメージの相違部分のみを含むフラッシュアーカイブを、差分アーカイブとして使用することも可能。差分アーカイブには、クローンシステムで保持、変更、または削除するファイルが含まれる。差分更新により、指定されたファイルだけが更新される。また、差分更新を使用可能なシステムは、更新前のマスターイメージとの整合性を保持するソフトウェアを含むシステムのみに限定される。

アップグレード

ファイルを既存のファイルとマージし、可能な場合には変更を保存するインストール。

Solaris オペレーティング環境のアップグレードでは、Solaris オペレーティング環境の新しいバージョンがシステムのディスク上の既存のファイルにマージされる。アップグレードでは、既存の Solaris オペレーティング環境に対して行なった変更は可能な限り保存される。

アップグレードオプション

Solaris Web Start プログラムと Solaris suninstall プログラムによって提示されるオプション。アップグレード時には、新しいバージョンの Solaris とディスク上の既存のファイルが結合される。前回 Solaris をインストールしてから加えられたローカルの変更内容は、できる限り残される。

暗号化

認められたユーザー以外は情報を使用できないように、情報を判読不可能にして保護する処理。暗号化は鍵と呼ばれるコードに基づいて行われ、この鍵は情報の復号化に使用される。

復号化も参照

インストールサーバー

インストール用に、Solaris 9 DVD または CD イメージをネットワーク上の他のシステムに提供するサーバー (「メディアサーバー 」とも呼ばれる)。Solaris 9 DVD または CD イメージをサーバーのハードディスクにコピーすることによってインストールサーバーを作成できる。

エンドユーザーシステムサポート

コアシステムサポートソフトウェアグループのほかに、エンドユーザーに推奨するソフトウェアが収められているソフトウェアグループ。これには共通デスクトップ環境 (CDE) や DeskSet ソフトウェアが含まれる。

開発者システムサポート

エンドユーザーシステムサポートソフトウェアグループのほかに、ソフトウェア開発用ライブラリ、インクルードファイル、マニュアルページ、およびプログラミングツールが収められているソフトウェアグループ。

データの暗号化および復号化に使用されるコード。

暗号化も参照

カスタム JumpStart

ユーザーが定義するプロファイルに基づいて、Solaris 9 ソフトウェアをシステムに自動的にインストールする方法。ユーザーやシステムの種類ごとに、カスタマイズされたプロファイルを作成できる。カスタム JumpStart インストールは、ユーザーが作成する JumpStart インストールである。

カスタムプローブファイル

rules ファイルと同じ JumpStart ディレクトリに存在しなければならないファイルで、 プローブと比較という 2 つのタイプの関数を含む Bourne シェルスクリプト。プローブ関数は作業を実行して、必要な情報を収集したり、定義に対応した SI_ 環境変数を設定する。プローブ関数はプローブキーワードになる。比較関数は、対応するプローブ関数を呼び出してプローブ関数の出力を比較し、キーワードが一致する場合は 0 、キーワードが一致しない場合は 1 を返す。比較関数はルールキーワードになる。「rules ファイル」も参照。

共有可能ファイルシステム

/export/home/swap のようなユーザー定義のファイルシステム。Solaris Live Upgrade の使用時に、アクティブブート環境と非アクティブブート環境によって共有される。共有可能ファイルシステムは、アクティブブート環境の vfstab 内と非アクティブブート環境の vfstab 内に同じマウントポイントを持つ。このため、アクティブブート環境内の共有ファイルを更新すると、非アクティブブート環境のデータも更新される。共有可能ファイルシステムはデフォルトで共有されるが、ユーザーが宛先スライスを指定することもできる。この場合、そのファイルシステムがコピーされる。

クライアント

通信用のクライアントサーバーモデルでは、計算機能や大容量のメモリーといったサーバーの資源にリモートアクセスするプロセスがクライアントに相当する。

クラスタ

パッケージ (ソフトウェアモジュール) を論理的に集めたもの。Solaris 9 ソフトウェアは 4 つの「ソフトウェアグループ 」に分割され、それぞれがクラスタと「パッケージ」から構成されている。

クリティカルファイルシステム

Solaris オペレーティング環境が必要とするファイルシステム。Solaris Live Upgrade を使用するとき、これらのファイルシステムは、アクティブブート環境と非アクティブブート環境それぞれの vfstab では独立したマウントポイントになる。root (/)、/usr /var/opt などがクリティカルファイルシステムの例である。これらのファイルシステムは、必ずソースブート環境から非アクティブブート環境にコピーされる。

クローンシステム

フラッシュアーカイブを使用してインストールされたシステム。クローンシステムは、マスターシステムと同一のインストール構成になる。

コアソフトウェアグループ

システムで Solaris オペレーティング環境を起動して実行するのに必要な最小限のソフトウェアが収められているソフトウェアグループ。これには共通デスクトップ環境 (CDE) を実行するために必要ないくつかのネットワーク用ソフトウェアとドライバが含まれるが、 CDE ソフトウェアは含まれない。

公開鍵

公開鍵暗号方式で使用される暗号化鍵。

公開鍵暗号化

2 つの鍵を使用する暗号方式。その 1 つは、全員が知っている公開鍵、もう 1 つは、メッセージの受取人だけが知っている非公開鍵。

更新

システムにインストールを実行して同じタイプのソフトウェアを変更することまたはそのインストール自体。アップグレードとは異なり、更新によりシステムがダウングレードされる場合がある。初期インストールとは異なり、更新を実行するには同じタイプのソフトウェアがあらかじめインストールされていなければならない。

コマンド行

コマンドで始まる文字列。多くの場合、コマンドの後には引数 (オプション、ファイル名、式などの文字列) が続き、行末 (EOL) 文字で終わる。

サーバー

資源を管理し、クライアントにサービスを提供するネットワークデバイス。

サブネット

経路指定を簡単にするため、1 つの論理ネットワークを小さな物理ネットワークに分割する方式。

サブネットマスク

サブネットアドレス指定のため、インターネットアドレスからビットを選択するために使用されるビットマスク。マスクは 32 ビット。インターネットアドレスのネットワーク部分と、ローカル部分の 1 個以上のビットを選択する。

サブミラー

「RAID-0 ボリューム」を参照。

差分アーカイブ

更新前のマスターイメージと更新されたマスターイメージの相違部分のみを含むフラッシュアーカイブ。差分アーカイブには、クローンシステムで保持、変更、または削除するファイルが含まれる。差分更新により、指定されたファイルだけが更新される。また、差分更新を使用可能なシステムは、更新前のマスターイメージとの整合性を保持するソフトウェアを含むシステムのみに限定される。

時間帯

グリニッジ標準時間を基準に地球の表面を 24 の地域に経度分割したもの。

システム構成ファイル

(system.conf) WAN ブートインストールで使用する sysidcfg ファイルおよびカスタム JumpStart ファイルの場所を指定するテキストファイル。

状態データベース

状態データベースでは、Solaris ボリュームマネージャ構成の状態に関する情報がディスクに保存される。状態データベースは、複製された複数のデータベースコピーの集まりである。各コピーは「状態データベースの複製」と呼ばれる。状態データベースは、既知の状態データベースの複製の格納場所と状態をすべて記録している。

状態データベースの複製

状態データベースのコピー。複製により、データベース内のデータの有効性が保証される。

初期インストール

現在実行中のソフトウェアを上書きするか、空のディスクを初期化するインストール。

Solaris オペレーティング環境の初期インストールでは、システムのディスクが Solaris オペレーティング環境の新しいバージョンで上書きされる。システム上で Solaris オペレーティング環境が稼動していない場合は、初期インストールを行う必要がある。

初期インストールオプション

Solaris Web Start プログラムおよびSolaris suninstall プログラムの実行時に提示される、新バージョンの Solaris でディスクを上書きするオプション。初期インストールオプションはアップグレード可能なシステムで表示される。初期インストールオプションを選択した場合、旧バージョンの Solaris ソフトウェア (ローカルの変更内容も含めて) が含まれるディスクの内容は上書きされる。

ジョブ

コンピュータシステムで実行されるユーザー定義の処理。

スタンドアロン

ほかのマシンからのサポートを一切必要としないコンピュータ。

スライス

ソフトウェアごとに分割される、ディスク領域の区分。

スワップ領域

再ロードが可能になるまでメモリー領域の内容を一時的に保持するスライスまたはファイル。/swap または swap ファイルシステムともいう。

全体ディストリビューション

Solaris 9 のリリース全体が含まれているソフトウェアグループ。

全体ディストリビューションと OEM サポート

Solaris 9 のリリース全体と、OEM のための追加ハードウェアサポートを含むソフトウェアグループ。Solaris を SPARC 搭載サーバーシステムにインストールする場合は、このソフトウェアグループを推奨する。

ソフトウェアグループ

Solaris ソフトウェアの論理グループ (クラスタとパッケージ)。Solaris のインストール時には、コアシステムサポート、エンドユーザーシステムサポート、開発者システムサポート、または全体ディストリビューションをインストールできる。また、SPARC システムのみ、全体ディストリビューションと OEM サポートもインストールできる。

チェックサム

一連のデータ項目を合計した結果。一連のデータ項目を検査するために使用される。データ項目は、数値でも、文字列でもよく、文字列の場合はチェックサム計算時に数値として扱われる。チェックサムの値から、2 つのデバイス間の情報交換が正しく行われたかを確認できる。

ディスク (disc)

磁気ディスク (disk) に対する光学式ディスク。CD (コンパクトディスク) 業界では共通の綴りを使用する。たとえば、CD-ROM や DVD-ROM は光学式ディスク。

ディスク (disk)

1 枚以上の磁性体の円盤から成るメディアであり、ファイルなどのデータを格納する同心トラックとセクターで構成される。「ディスク (disc)」も参照。

ディスク構成ファイル

ディスクの構造 (たとえば、バイト/セクター、フラグ、スライス) を表現するファイル。ディスク構成ファイルにより、単一システムから pfinstall を使用して、サイズの異なるディスクのプロファイルをテストできる。

ディスクレスクライアント

ディスク記憶装置を持たないためサーバーに依存するクライアント。

デジタル証明書

移転や偽造の不可能なデジタルファイルで、通信する両者によって信頼済みの第三者機関から発行されたもの。

電源管理システム

システムの状態を自動的に保存し、30 分間アイドル状態が続くと電源を切断するソフトウェア。米国環境保護庁の省電力 (Energy Star) ガイドライン第 2 版に準拠したシステム (sun4u SPARC システムなど) に Solaris ソフトウェアをインストールすると、デフォルトで電源管理ソフトウェアがインストールされる。リブート後、電源管理ソフトウェアを有効にするかどうかを確認するメッセージが表示される。

Energy Star ガイドラインでは、システムまたはモニターを使用していない場合は、自動的に「休眠状態」(30 ワット以下の消費) に入ることが要求される。

動的プロファイル

カスタム JumpStart インストール時に、begin スクリプトによって動的に作成されるプロファイル。

ドキュメントルートディレクトリ

Web サーバーにアクセスするユーザーに公開されるファイル、画像、およびデータが格納されている、Web サーバーマシン上の階層のルート。

ドメイン

インターネットのネーミング階層の一部。ドメインは管理ファイルを共有する、ローカルネットワーク上のシステムグループを表す。

ドメイン名

ローカルネットワーク上のシステムグループに割り当てられた名前であり、管理ファイルを共有する。ネットワーク情報サービス (NIS) のデータベースが正常に動作するためにはドメイン名が必要。ドメイン名は、ピリオドで区切られた一連の構成要素名から構成される (たとえば、tundra.mpk.ca.us)。ピリオドで区切られた各構成要素名は右側に行くにしたがって、全体的な (リモートな) 管理権限領域を表す。

認証局 (CA)

CA は、Certificate Authority の略。デジタル署名および公開鍵と非公開鍵のペアの作成に使用するデジタル証明書を発行する、公証された第三者機関または企業。CA は、一意の証明書を付与された個人が当該の人物であることを保証する。

ネームサーバー

ネットワーク上のシステムに対してネームサービスを提供するサーバー。

ネームサービス

ネットワーク上の全システムに関する重要なシステム情報が収められている分散型ネットワークデータベース。ネットワーク上のシステムは、これを利用して相互通信を行う。ネームサービスを使用することによって、ネットワーク全域にわたるシステム情報を保守、管理、または取得できる。ネームサービスを使用しないと、各システムはローカルの /etc ファイルにシステム情報のコピーを保持しなければならない。Sun では LDAP、NIS、および NIS+ のネームサービスをサポートしている。

ネットワークインストール

CD-ROM または DVD-ROM ドライブがあるシステムからCD-ROM または DVD-ROM ドライブがないシステムにネットワークを介してソフトウェアをインストールする方法。ネットワークインストールを行うには、「ネームサーバー」と「インストールサーバー」が必要。

ネットワークに接続されていないシステム

ネットワークに接続されていない、または他のシステムに依存しないシステム。

ネットワークに接続されているシステム

ハードウェアやソフトウェアを介して接続されているシステムのグループ (ホスト)。通信や情報の共有が可能。ローカルエリアネットワーク (LAN) とも呼ばれる。システムをネットワークに接続するには、通常、1 台以上のサーバーが必要。

ハードリンク

ディスク上のファイルを参照するディレクトリエントリ。複数のハードリンクから同じ物理ファイルを参照することができる。

パッケージ

モジュール形式でのインストールを可能にするソフトウェアの集まり。Solaris 9 ソフトウェアは 4 つの「ソフトウェアグループ 」に分割され、それぞれがクラスタと「パッケージ」から構成されている。

ハッシュ

入力よりもかなり短い数値を生成する処理によって得られる数値。同じ入力に対しては、常に同じ値が出力される。ハッシュ関数は、テーブル検索アルゴリズム、エラー検出、改ざん検出などに使用できる。改ざん検出に使用する場合は、同じ結果を生成する別の入力を見つけにくいようなハッシュ関数を選択する。1 方向のハッシュ関数の一例としては、MD5 および SHA-1 がある。たとえば、メッセージダイジェストはディスクファイルなどの可変長入力を受け取り、小さい値に変換する。

ハッシュ化

文字列を変換して、この元の文字列を表す値 (キー) を得る処理。

パッチアナライザ

手作業でも、Solaris suninstall プログラムや Solaris Web Start プログラム内でも実行できるスクリプト。パッチアナライザは、システムを解析し、Solaris 9 Update へのアップグレードを行うことで削除されるパッチがどれであるかを判断する。

パネル

ウィンドウ、ダイアログボックス、アプレットの内容を編成するコンテナ。パネルでは、ユーザーの入力をまとめて受け取り確認することができる。ウィザードでパネルを使用することで、正しい順序で操作を行い、目的の作業を完了することができる。

非公開鍵

公開鍵暗号方式で使用される復号化鍵。

ファイルサーバー

ネットワーク上のシステムに対して、ソフトウェアやファイルの記憶領域を提供するサーバー。

ファイルシステム

SunOSTM オペレーティングシステムにおいて、ユーザーがアクセスできるファイルおよびディレクトリから成るツリー構造のネットワークのこと。

ファンクションキー

F1、F2、F3 などの名前が付いた 10 個以上のキーボードキー。これらのキーにはそれぞれ特定の機能が割り当てられている。

ブート

メモリーにシステムソフトウェアを読み込んで起動すること。

ブート環境

Solaris オペレーティング環境を操作する上で重要な必須ファイルシステム (ディスクスライスおよびマウントポイント) の集まり。ディスクスライスは、同じ 1 つのディスク上に存在することも、分散された複数のディスク上に存在することもある。

アクティブなブート環境とは、現在ブートしている環境を指す。単一のアクティブなブート環境からだけブートできる。アクティブでないブート環境とは、現在ブートしていないが、次回のリブート時にアクティブ化できる状態にある環境のことを指す。

ブートサーバー

同じネットワークのサブネット上のクライアントシステムに、起動に必要なプログラムと情報を提供するサーバーシステム。インストールサーバーの存在するサブネットが、Solaris ソフトウェアをインストールする必要があるシステムと異なる場合、ネットワークを介してインストールするにはブートサーバーが必要。

フォーマット

データを一定の構造にしたり、データを保存できるようにディスクをセクターに分割したりすること。

フォールバック

以前に動作していた環境に戻すこと。ブート環境のアクティブ化の処理中や、ブート対象として指定されたブート環境に問題または望ましくない動作が発生する場合にはフォールバックを行う。

復号化

符号化されたデータをプレーンテキストに変換する処理。

暗号化も参照

フラッシュ

マスターシステムと呼ぶシステムからファイルのアーカイブを作成する Solaris インストール機能。このアーカイブを使ってほかのシステムのインストールを行うと、そのシステムの構成はマスターシステムと同じになる。「アーカイブ」も参照。

プラットフォームグループ

特定のソフトウェア用にベンダーが定義するハードウェアプラットフォームのグループ。たとえば i86pc や sun4c など。

プラットフォーム名

uname -i コマンドによって出力される情報。たとえば Ultra 60 のプラットフォーム名は、SUNW,Ultra-60。

プローブキーワード

インストールにカスタム JumpStart を使用する場合、システムに関する属性情報を抽出する構文要素。プローブキーワードでは、ルールに必要な一致条件の設定およびプロファイルの実行は必要ない。「ルール」も参照。

プロファイル

カスタム JumpStart を使用する場合に、Solaris ソフトウェアのインストール方法を定義するテキストファイル。たとえば、プロファイルでインストールするソフトウェアグループを定義する。各ルールは、そのルールが一致したときにシステムがインストールされる方法を定義してあるプロファイルを指定する。通常は、ルールごとに異なるプロファイルを作成するが、 複数のルールで同じプロファイルを使用することも可能。「rules ファイル」も参照。

プロファイルサーバー

すべての重要なカスタム JumpStart ファイルを JumpStart ディレクトリに持つサーバー。

プロファイルフロッピーディスク

すべての重要なカスタム JumpStart ファイルを、そのルートディレクトリ (JumpStart ディレクトリ) に持つフロッピーディスク。

ホスト名

システムがネットワーク上のほかのシステムから識別される名前。この名前は、特定のドメイン (通常、これは 1 つの組織内にあることを意味する) 内にある全システム間で固有でなければならない。ホスト名は、文字、数字、マイナス符号 (-) を任意に組み合わせて作成できるが、先頭と末尾にマイナス符号は使用できない。

ボリューム

システムで単一の論理デバイスとして扱われる、物理スライスやボリュームの集まり。アプリケーションやファイルシステムから見ると、ボリュームは物理ディスクと同じように機能する。

一部のコマンド行ユーティリティでは、ボリュームはメタデバイスと呼ばれる。標準の UNIX 用語では、擬似デバイスまたは仮想デバイスとも呼ばれる。

ボリュームマネージャ

DVD-ROM、CD-ROM、およびフロッピーディスク上のデータへのアクセスを管理および実行するための手段を提供するプログラム。

マウント

マウント要求を行うマシンのディスクまたはネットワーク上のリモートディスクから、ディレクトリにアクセスするプロセス。ファイルシステムをマウントするには、ローカルシステム上のマウントポイントと、マウントするファイルシステム名 (たとえば /usr) が必要。

マウント解除

マシンに接続されたディスクまたはネットワーク上のリモートディスク上のディレクトリへのアクセスを解除するプロセス。

マウントポイント

リモートマシン上に存在するファイルシステムのマウント先となる、ワークステーション上のディレクトリ。

マスターシステム

フラッシュアーカイブを作成するシステム。このシステム構成がアーカイブに保存される。

マニフェストセクション

クローンシステムの検証に使用されるフラッシュアーカイブのセクション。マニフェストセクションには、クローンシステムに保持、追加または削除されるシステム上のファイルが一覧表示される。このセクションは、情報提供専用。このセクションは、ファイル一覧を内部形式で保存するため、スクリプトの記述には使用できない。

ミニルート

起動可能な最小の Solaris ルートファイルシステム。ミニルートには、カーネルと、Solaris 環境をハードディスクにインストールするために必要な最小限のソフトウェアが含まれる。ミニルートは、初期インストールでマシンにコピーされるファイルシステム。

ミラー

「RAID-1 ボリューム」を参照。

メタデバイス

「ボリューム」を参照。

メディアサーバー

「インストールサーバー」を参照。

矢印キー

数値キーパッド上にある方向を示す 4 つのキーの 1 つ。

ユーティリティ

コンピュータを購入すると通常無料で提供される、標準プログラム。

/ (ルート)

複数の項目から成る階層構造において、ほかのすべての項目を子孫として持つ唯一の項目を指す。階層内において、ルート項目より上位の項目は存在しない。 / は、直接的または間接的にほかのすべてのディレクトリの元となるベースディレクトリ。ルートディレクトリには、カーネル、デバイスドライバ、システムの起動 (ブート) に使用されるプログラムなど、システムの稼働に不可欠なディレクトリやファイルが含まれている。

ルール

1 つ以上のシステム属性をプロファイルに割り当てる一連の値。ルールは、カスタム JumpStart インストールで使用される。

連結

RAID-0 ボリューム。複数のスライスが連結された方式では、利用可能な最初のスライスがいっぱいになるまでそのスライスにデータが書き込まれる。そのスライスがいっぱいになると次のスライスに連続してデータが書き込まれる。ミラーに含まれている場合を除き、連結にはデータの冗長性はない。「RAID-0 ボリューム」も参照。

ロケール

同一の言語、風俗、慣習、文化などを共有する地理上または政治上の地域圏 (コミュニティ)。たとえば、米国英語のロケールは en_US、英国英語のロケールは en_UK。

論理デバイス

システムで単一のデバイスとして扱われる、1 つまたは複数のディスク上にある物理スライスの集まり。論理デバイスは、Solaris ボリュームマネージャではボリュームと呼ばれる。アプリケーションやファイルシステムから見ると、ボリュームは物理ディスクと同じように機能する。