lucreate コマンドは、アクティブブート環境内のファイルシステムに基づいてブート環境を作成します。lucreate コマンドに -s - オプションを指定して実行すると、空のブート環境を短時間で作成できます。スライスは、指定のファイルシステム用に予約されていますが、ファイルシステムはコピーされません。このブート環境は、名前が付けられてはいますが、実際には、フラッシュアーカイブがインストールされる時にはじめて作成されることになります。空のブート環境にアーカイブがインストールされると、ファイルシステムは予約されたスライスにインストールされます。
スーパーユーザーとしてログインします。
空のブート環境を作成します。
# lucreate -A 'BE_name' -s - \ -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options -n BE_name |
(省略可能) ブート環境名 (BE_name) の説明を記述できます。記述の長さ、使用できる文字に制限はありません。
空のブート環境を作成します。
新しいブート環境のファイルシステム構成を指定します。-m に引数として指定されるファイルシステムは、同じディスク上のファイルシステムでも、複数のディスク上のファイルシステムでも構いません。このオプションは、作成したいファイルシステムの数だけ使用します。
mountpoint には、任意の有効なマウントポイント、またはスワップパーティションを示す - (ハイフン) を指定できます。
ディスクデバイスの名前。/dev/dsk/cwtxdysz の形式で表されます。
Solaris ボリュームマネージャのメタデバイス名。/dev/md/dsk/dnum の形式で表されます。
Veritas Volume Manager のボリューム名。/dev/vx/dsk/volume_name の形式で表されます。
キーワード merged。指定されたマウントポイントのファイルシステムがその親とマージされることを示します。
fs_options フィールドには、次のいずれかを指定できます。
ufs: UFS ファイルシステムを示す
vxfs: Veritas ファイルシステムを示す
swap: スワップファイルシステムを示す。スワップマウントポイントはハイフン (–) で表す
論理デバイス (ミラー) であるファイルシステムについては、いくつかのキーワードを使って、そのファイルシステムに対して実行するアクションを指定できます。論理デバイスの作成、論理デバイスの構成変更、論理デバイスの削除などを行うキーワードがあります。これらのキーワードの詳細は、RAID-1 ボリューム (ミラー) を持つブート環境の作成 (コマンド行インタフェース)を参照してください。
作成するブート環境の名前。BE_name は、システム上で一意となるように指定する必要があります。
この例では、ファイルシステムを一切含まないブート環境を作成します。「mydescription」という記述は、ブート環境名 second_disk に対応しています。
# lucreate -A 'mydescription' -s - \ -m /:/dev/dsk/c0t1d0s0:ufs -n second_disk |
空のブート環境の作成が完了したら、フラッシュアーカイブをインストールし、アクティブ (ブート可能な状態) にすることができます。第 36 章「Solaris Live Upgrade によるアップグレード (作業)」を参照してください。
空のブート環境の作成とアーカイブのインストールの例については、空のブート環境を作成してフラッシュアーカイブをインストールする例 (コマンド行インタフェース)を参照してください。
図 35–4 は、空のブート環境の作成の様子を示しています。