Solaris 9 9/04 インストールガイド

ブート環境へのフラッシュアーカイブのインストール

この節では、以下の場所に格納されているフラッシュアーカイブを、Solaris Live Upgrade を使用してインストールする手順を説明します。


注 –

アーカイブ記憶域に関連するパスの構文例については、archive_location プロファイルキーワード を参照してください。


フラッシュアーカイブをインストールすると、新しいブート環境上に存在する共有ファイル以外のすべてのファイルが上書きされます。

フラッシュのインストール機能を使用するには、マスターシステムをインストールし、フラッシュアーカイブを作成しておく必要があります。フラッシュの詳細は、第 19 章「フラッシュインストール機能 (トピック)」を参照してください。フラッシュアーカイブを作成するには、次の手順を参照してください。

ブート環境へのフラッシュアーカイブのインストール (キャラクタインタフェース)

  1. Solaris Live Upgrade のメインメニューから「Flash」を選択します。

    「Flash an Inactive Boot Environment」メニューが表示されます。

  2. フラッシュアーカイブをインストールするブート環境の名前と、インストールメディアの場所を入力します。


    Name of Boot Environment: Solaris_9
    Package media: /net/install-svr/export/Solaris_9/latest
    
  3. アーカイブを追加するために F1 を押します。

    「Archive Selection」サブメニューが表示されます。


    Location            - Retrieval Method
    <No Archives added> - Select ADD to add archives

    このメニューでは、アーカイブのリストを作成できます。アーカイブの追加または削除を行うには、次の手順を実行します。

    1. アーカイブをリストに追加する場合は F1 を押します。

      「Select Retrieval Method」サブメニューが表示されます。


      HTTP
      NFS
      Local File
      Local Tape
      Local Device
    2. 「Select Retrieval Method」メニューで、フラッシュアーカイブの場所を選択します。

      選択された媒体 

      プロンプト 

      HTTP 

      フラッシュアーカイブのアクセスに必要となる URL 情報とプロキシ情報を指定します。 

      NFS 

      フラッシュアーカイブが置かれているネットワークファイルシステムのパスを指定します。アーカイブのファイル名も指定できます。 

      ローカルファイル 

      フラッシュアーカイブが置かれているローカルファイルシステムのパスを指定します。 

      ローカルテープ 

      フラッシュアーカイブが置かれているローカルテープデバイスとテープ上の位置を指定します。 

      ローカルデバイス 

      フラッシュアーカイブが置かれているローカルデバイス、パス、ファイルシステムの種類を指定します。 

      次のような「Retrieval」サブメニューが表示されます。表示は選択されたメディアによって異なります。


      NFS Location: 
    3. 次の例のように、アーカイブのパスを入力します。


      NFS Location: host:/path/to archive.flar
      
    4. F3 を押してリストにアーカイブを追加します。

    5. (省略可能) アーカイブをリストから削除する場合は F2 を押します。

    6. インストールしたいアーカイブがリストに含まれた時点で F6 を押して終了します。

  4. F3 を押して 1 つまたは複数のアーカイブをインストールします。

    フラッシュアーカイブがブート環境にインストールされます。ブート環境上のファイルは、共有可能ファイルを除きすべて上書きされます。

    このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。ブート環境のアクティブ化 (キャラクタインタフェース)を参照してください。

ブート環境へのフラッシュアーカイブのインストール (コマンド行インタフェース)

  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 次のコマンドを入力します。


    # luupgrade -f -n BE_name -s os_image_path -a archive
    
    -f

    オペレーティングシステムをフラッシュアーカイブからインストールすることを示します。

    -n BE_name

    アーカイブを使用してインストールするブート環境の名前を指定します。

    -s os_image_path

    オペレーティングシステムイメージを含むディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。

    -a archive

    フラッシュアーカイブへのパス (ローカルファイルシステムでそのアーカイブが利用できる場合)。-s オプションと -a オプションを使用して指定するオペレーティングシステムイメージのバージョンは、同じでなければなりません。


    例 36–7 ブート環境へフラッシュアーカイブをインストールする (コマンド行インタフェース)

    この例では、アーカイブは second_disk ブート環境にインストールされます。アーカイブはローカルシステムに存在します。-s および -a オプションで指定するオペレーティングシステムバージョンは、どちらも Solaris 9 リリースです。second_disk 上のファイルは、共有可能ファイルを除いてすべて上書きされます。


    # luupgrade -f -n second_disk \
    -s /net/installmachine/export/Solaris_9/OS_image \
    -a /net/server/archive/Solaris_9 
    

    このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。


プロファイルを使用したフラッシュアーカイブのインストール (コマンド行インタフェース)

ここでは、プロファイルを使用してフラッシュアーカイブまたは差分アーカイブをインストールする手順を説明します。

プロファイルにロケールを追加した場合、ブート環境がディスク容量に余裕を持って作成されていることを確認してください。

  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. プロファイルを作成します。

    Solaris Live Upgrade プロファイルで使用可能なキーワードのリストについては、表 36–2を参照してください。

  3. 次のコマンドを入力します。


    # luupgrade -f -n BE_name -s os_image_path -j profile_path
    
    -f

    オペレーティングシステムをフラッシュアーカイブからインストールすることを示します。

    -n BE_name

    アップグレード対象のブート環境の名前を指定します。

    -s os_image_path

    オペレーティングシステムイメージを含むディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。

    -j profile_path

    フラッシュインストール用に構成されたプロファイルへのパス。プロファイルは、ローカルマシンのディレクトリに存在する必要があります。

    このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。


    例 36–8 プロファイルを使用してブート環境にフラッシュアーカイブをインストールする (コマンド行インタフェース)

    この例では、インストールするアーカイブの場所をプロファイルで指定しています。

    # profile keywords         profile values
    # ----------------         -------------------
     install_type              flash_install
     archive_location          nfs installserver:/export/solaris/flasharchive/solarisarchive
     

    プロファイルを作成した後、luupgrade コマンドを実行してアーカイブをインストールできます。-j オプションを使用して、プロファイルにアクセスします。


    # luupgrade -f -n second_disk \
    -s /net/installmachine/export/solarisX/OS_image \
    -j /var/tmp/profile 
    

    このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。プロファイルを作成する場合は、Solaris Live Upgrade で使用されるプロファイルを作成するを参照してください。


プロファイルキーワードを使用したフラッシュアーカイブのインストール (コマンド行インタフェース)

ここでは、プロファイルファイルではなく、archive_location キーワードをコマンド行で使用して、フラッシュアーカイブをインストールする手順を説明します。プロファイルファイルを使用せずに、アーカイブを取得できます。

  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 次のコマンドを入力します。


    # luupgrade -f -n BE_name -s os_image_path -J 'profile'
    
    -f

    オペレーティングシステムをフラッシュアーカイブからアップグレードすることを示します。

    -n BE_name

    アップグレード対象のブート環境の名前を指定します。

    -s os_image_path

    オペレーティングシステムイメージを含むディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。

    -J 'profile'

    archive_location プロファイルキーワードを指定します。キーワードの値については、archive_location プロファイルキーワード を参照してください。

    このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。


    例 36–9 プロファイルキーワードを使用したフラッシュアーカイブのインストール (コマンド行インタフェース)

    この例では、アーカイブは second_disk ブート環境にインストールされます。-J オプションと archive_location キーワードを使用して、アーカイブを取得します。second_disk 上のファイルは、共有可能ファイルを除いてすべて上書きされます。


    # luupgrade -f -n second_disk \
    -s /net/installmachine/export/solarisX/OS_image \
    -J 'archive_location http://example.com/myflash.flar'