インストールサーバーとブートサーバー (必要な場合) を作成した後、ネットワークからインストールする各システムを設定する必要があります。インストールする各システムは、次の情報にアクセスできる必要があります。
インストールサーバー
ブートサーバー (必要な場合)
sysidcfg ファイル (sysidcfg ファイルを使用してシステム構成情報を事前設定する場合)
ネームサーバー (ネームサービスを使用してシステム構成情報を事前設定する場合)
プロファイルサーバー上の JumpStart ディレクトリにあるプロファイル (カスタム JumpStart インストールを使用する場合)
インストールサーバーとクライアントの設定には、add_install_client を使用して以下の作業を実行してください。次の手順の例も参照してください。
DHCP を使用してインストールパラメータを設定する場合は、例 15–6 を参照してください。
インストールサーバーとクライアントが同じサブネット上に存在する場合は、例 15–7 を参照してください。
インストールサーバーとクライアントが同じサブネット上に存在せず、DHCP を使用していない場合は、例 15–8 を参照してください。
x86 クライアントのインストールパラメータの設定に DHCP を使用する場合は、例 15–9 を参照してください。
x86 ベースのシステムのインストール中に特定のシリアルポートに出力を表示したい場合は、例 15–10 を参照してください。
x86 クライアントのインストール時に、特定のネットワークインタフェースを使用するように設定したい場合は、例 15–11 を参照してください。
このコマンドで使用できるオプションについての詳細は、add_install_client(1M) のマニュアルページを参照してください。
ブートサーバーが存在する場合は、インストールサーバーのインストールイメージを共有しているか確認してください。「インストールサーバーを作成する方法」の手順 6 を参照してください。
インストールサーバーまたはブートサーバー上でスーパーユーザーになります。
NIS、NIS+、DNS、または LDAP のネームサービスを使用する場合、インストールするシステムについての次のような情報がネームサービスに追加されていることを確認します。
ホスト名
IP アドレス
Ethernet アドレス
ネームサービスの詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。
インストールサーバー上の Solaris 9 CD イメージの Tools ディレクトリに移動します。
# cd /install_dir_path/Solaris_9/Tools |
Tools ディレクトリのパスを指定します。
ネットワークでインストールするためのシステムを設定します。
# ./add_install_client [[-d]] [[-s install_server:install_dir_path]] \ [[-c jumpstart_server:jumpstart_dir_path]] [[-p sysid_server:path]] \ [[-t boot_image_path]] [[-b "network_boot_variable=value"]] \ [[-e ethernet_address]] client_name platform_group |
クライアントが DHCP を使用してネットワークインストールパラメータを取得することを指定します。-d だけを使用した場合、add_install_client コマンドは、同じクラスに属するすべてのクライアントシステム (たとえばすべての SPARC クライアントマシン) のインストール情報を設定します。特定のクライアントのインストール情報を設定する場合は、-d と -e を併用します。
x86 クライアントの場合、このオプションを指定し、PXE ネットワークブートを使用してネットワークからシステムをブートしてください。
DHCP を使用した特定のクラスのインストールの詳細は、Solaris インストールパラメータ用の DHCP オプションとマクロの作成を参照してください。
インストールサーバーの名前とパスを指定します。
install_server は、インストールサーバーのホスト名です。
install_dir_path は、Solaris 9 CD イメージの絶対パスです。
カスタム JumpStart インストールの JumpStart ディレクトリを指定します。jumpstart_server には JumpStart ディレクトリがあるサーバーのホスト名を指定します。jumpstart_dir_path は、JumpStart ディレクトリへの絶対パスです。
システムの構成情報を事前設定するための sysidcfg ファイルのパスを指定します。sysid_server は、このファイルを持っているサーバーの有効なホスト名または IP アドレスです。path は、sysidcfg ファイルを含むディレクトリの絶対パスです。
Solaris 9 ネットインストールイメージ、CD、または DVD 上の Tools ディレクトリにあるブートイメージ以外のブートイメージを使用したい場合、別のブートイメージへのパスを指定します。
x86 システムのみ: ネットワークからクライアントをブートするとき使用するブートプロパティ変数の値を設定できます。-b は、-e オプションと組み合わせて使用してください。
ブートプロパティの詳細は、eeprom(1M) のマニュアルページを参照してください。
インストールするクライアントの Ethernet アドレスを指定します。このオプションを指定すると、特定のクライアントのインストール情報を設定できます。
DHCP を使用した特定のクライアントのインストールの詳細は、Solaris インストールパラメータ用の DHCP オプションとマクロの作成を参照してください。
ネットワークからインストールするシステムのホスト名を指定します。この名前はインストールサーバーのホスト名ではありません。
インストールするシステムのプラットフォームグループを指定します。プラットフォームグループの詳細は、付録 C 「プラットフォーム名とプラットフォームグループ (リファレンス)」を参照してください。
次の例に、DHCP を使用してネットワーク上でインストールパラメータを設定しているときに、インストールクライアントを追加する方法を示します。インストールクライアントは、basil という名前の Ultra 5 システムです。ファイルシステム /export/home/cdsparc/Solaris_9/Tools には、add_install_client コマンドが入っています。
DHCP を使用してネットワークインストール用のインストールパラメータを設定する方法については、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の「DHCP サービスを使用した Solaris ネットワークインストールのサポート (作業マップ)」を参照してください。
sparc_install_server# cd /export/home/cdsparc/Solaris_9/Tools sparc_install_server# ./add_install_client -d basil sun4u |
次の例に、インストールサーバーと同じサブネット上にあるインストールクライアントを追加する方法を示します。インストールクライアントは、basil という名前の Ultra 5 システムです。ファイルシステム /export/home/cdsparc/Solaris_9/Tools には、add_install_client コマンドが入っています。
install_server# cd /export/home/cdsparc/Solaris_9/Tools install_server# ./add_install_client basil sun4u |
次の例に、ブートサーバーにインストールクライアントを追加する方法を示します。インストールクライアントは、rose という名前の Ultra 5 システムです。次のコマンドはブートサーバー上で実行します。-s オプションには、/export/home/cdsparc に Solaris 9 CD イメージを持っている rosemary という名前のインストールサーバーを指定しています。
boot_server# cd /export/home/cdsparc/Solaris_9/Tools boot_server# ./add_install_client -s rosemary:/export/home/cdsparc rose sun4u |
次の例に、DHCP を使用してネットワークのインストールパラメータを設定している場合に、x86 インストールクライアントをインストールサーバーに追加する方法を示します。-d オプションは、クライアントが構成に DHCP プロトコルを使用することを指定するために使用されます。PXE ネットワークブートを使用する場合には、DHCP プロトコルを使用する必要があります。DHCP クラス名 SUNW.i86pc は、このコマンドが単一のクライアントだけでなく、ネットワーク上のすべての Solaris x86 ブートクライアントに適用されることを意味します。 -s オプションを使用して、rosemary という名前のインストールサーバーからクライアントをインストールすることを指定します。このサーバーは、/export/home/cdx86 に Solaris SOFTWARE 1 of 2 CD (x86 版) イメージを保持しています。
DHCP を使用してネットワークインストール用のインストールパラメータを設定する方法については、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の「DHCP サービスを使用した Solaris ネットワークインストールのサポート (作業マップ)」を参照してください。
install server# cd /export/boot/Solaris_9/Tools install server# ./add_install_client -d -s rosemary:/export/home/cdx86 SUNW.\ i86pc i86pc |
次の例は、x86 インストールクライアントをインストールサーバーに追加して、インストール時に使用するシリアルコンソールを指定する方法を示しています。この例では、インストールクライアントは次のように設定されます。
-d オプションが指定されているので、クライアントは DHCP を使用してインストールパラメータを設定します。
-e オプションが指定されているので、Ethernet アドレスが 00:07:e9:04:4a:bf と一致するクライアントに対してのみ、インストールが行われます。
1 番目と 2 番目の -b オプションにより、インストールプログラムの入出力デバイスがシリアルポート ttya に設定されます。
install server# cd /export/boot/Solaris_9/Tools install server# ./add_install_client -d -e "00:07:e9:04:4a:bf" \ -b "input-device=ttya" -b "output-device=ttya" i86pc |
-b オプションで使用可能なブートプロパティ変数の詳細は、eeprom(1M) のマニュアルページを参照してください。
次の例は、x86 インストールクライアントをインストールサーバーに追加して、インストール時に使用するブートデバイスを指定する方法を示しています。インストールクライアントの設定時にブートデバイスを指定すると、インストール時、Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) はこの情報の入力プロンプトを表示しません。
この例では、インストールクライアントは次のように設定されます。
-d オプションが指定されているので、クライアントは DHCP を使用してインストールパラメータを設定します。
-e オプションが指定されているので、Ethernet アドレスが 00:07:e9:04:4a:bf と一致するクライアントに対してのみ、インストールが行われます。
1 番目と 2 番目の -b オプションにより、インストールプログラムの入出力デバイスがシリアルポート ttya に設定されます。
3 番目の -b オプションにより、インストールプログラムがインストール時に特定のブートデバイスを使用するように設定されます。
ブートデバイスパスの値は、使用するハードウェアによって異なります。
クライアントは x86 システムであるため、プラットフォーム名には i86pc を指定します。
install server# cd /export/boot/Solaris_9/Tools install server# ./add_install_client -d -e "00:07:e9:04:4a:bf" \ -b "input-device=ttya" -b "output-device=ttya" \ -b "bootpath=/pci@0,0/pci108e,16a8@8" i86pc |
-b オプションで使用可能なブートプロパティ変数の詳細は、eeprom(1M) のマニュアルページを参照してください。