マルチテラバイト UFS ファイルシステムのサポートは、64 ビットのカーネルを実行するシステムでのみ利用できます。この機能は、Solaris 9 8/03 リリースで追加されました。
今回の Solaris リリースでは、64 ビット Solaris カーネルを実行するシステム上で、マルチテラバイト UFS ファイルシステムがサポートされます。これまで、UFS ファイルシステムの容量は、64 ビットシステムでも 32 ビットシステムでもおよそ 1 テラバイト (T バイト) に制限されていました。今回、マルチテラバイト UFS ファイルシステムをサポートするため、すべての UFS ファイルシステムコマンドとユーティリティが更新されました。
newfs -T コマンドを使用していれば、1T バイト未満の UFS ファイルシステムを作成したあとでも、ファイルシステムを 1T バイト以上に拡張できます。このコマンドにより、マルチテラバイトファイルシステムに適切な i ノードとフラグメントの密度が設定されます。
マルチテラバイト UFS ファイルシステムのサポートは、マルチテラバイト LUN が利用可能であることを前提にしています。これらの LUN は、Solaris ボリュームマネージャまたは Veritas VxVM のボリュームとして提供されるか、1T バイトを超える物理ディスクとして提供されます。
以下に、マルチテラバイト UFS ファイルシステムの機能の一部を紹介します。
最大 16T バイトの UFS ファイルシステムを作成できます。
最初に 16T バイト未満のファイルシステムを作成し、あとで最大 16T バイトまで拡張できます。
マルチテラバイトファイルシステムは、物理ディスク、Solaris ボリュームマネージャの論理ボリューム、および Veritas の VxVM 論理ボリュームに作成できます。
1T バイトを超えるファイルシステムで、UFS ロギングがデフォルトで有効になります。マルチテラバイトのファイルシステムでは、UFS ロギングが有効になっているとパフォーマンスが向上するというメリットがあります。また、ロギングが有効なときは fsck コマンドを実行しなくてもよい場合があるというロギングのメリットもあります。
以下は、マルチテラバイト UFS ファイルシステムのいくつかの制限事項です。
32 ビット Solaris カーネルを実行しているシステム上に、1T バイトを超えるファイルシステムをマウントすることはできません。
64 ビット Solaris カーネルを実行しているシステム上の 1T バイトを超えるファイルシステムからブートすることはできません。つまり、マルチテラバイトファイルシステム上にルート (/) ファイルシステムを配置することはできません。
個々のファイルを 1T バイトよりも大きくすることはできません。
UFS ファイルシステムの 1T バイトあたりの最大ファイル数は 100 万です。100 万に制限されているのは、 fsck コマンドでファイルシステムを検査するのに要する時間を減らすためです。
マルチテラバイト UFS ファイルシステムの割り当ては、1024 バイトブロックの最大 2T バイトに制限されています。
現時点では、fssnap コマンドを使ってマルチテラバイトの UFS ファイルシステムのスナップショットを作成することはできません。
詳細は、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の「Solaris 9 Update リリースの新しいファイルシステム機能」を参照してください。