Solaris 9 4/03 リリース以降、Solaris ボリュームマネージャは、64 ビットカーネルが動作しているシステム上で、1 テラバイト (T バイト) より大きな記憶装置や論理ボリュームをサポートします。
64 ビットカーネルがシステムで動作しているかどうかを知るには、isainfo -v を使用します。 「64bit」という文字列が表示された場合、64 ビットカーネルが動作しています。
Solaris ボリュームマネージャを使用すると、システム管理者は次のことができます。
1T バイトを超えるサイズの論理記憶装置ユニット (LUN) で (あるいは、LUN から) 構築された論理ボリュームを、作成、変更、および削除できます。
1T バイトを超えるサイズの論理ボリュームを、作成、変更、および削除できます。
大容量ボリュームは自動的にサポートされます。つまり、1T バイトを超えるデバイスを作成すると、Solaris ボリュームマネージャによって適切に構成されるため、ユーザーは何もする必要がありません。
Solaris ボリュームマネージャが大容量ボリューム (1T バイト超) をサポートするのは、Solaris 9 4/03 以降の 64 ビットカーネルが動作しているシステムでのみです。 これより前の Solaris 9 リリースの 32 ビットカーネルが動作しているシステムで大容量ボリュームを扱うと、Solaris ボリュームマネージャの機能に影響が出ます。 特に、次の点に注意してください。
大容量ボリュームを持つシステムを Solaris 9 4/03 以降の 32 ビットカーネルでリブートした場合、大容量ボリュームは metastat の出力では見えますが、その大容量ボリュームにアクセス、変更、または削除することはできず、新しい大容量ボリュームを作成することもできません。 この状況では、大容量ボリューム上のボリュームまたはファイルシステムも利用できません。
大容量ボリュームを持つシステムを Solaris 9 4/03 より前のリリースでリブートした場合、Solaris ボリュームマネージャは起動しません。 大容量ボリュームに対応していない Solaris プラットフォームで Solaris ボリュームマネージャを実行する前には、すべての大容量ボリュームを削除する必要があります。
Solaris ボリュームマネージャのトランザクションボリュームは大容量ボリュームをサポートしません。 どのような場合でも、UFS ロギングを使用する必要があります。 詳細については、mount_ufs(1M) のマニュアルページを参照してください。
32 ビットの Solaris ソフトウェアを実行する予定がある場合、あるいは、Solaris 9 4/03 より前の Solaris OS を使用する予定がある場合は、大容量ボリュームを作成しないでください。
Solaris ボリュームマネージャのすべてのコマンドは大容量ボリュームで機能します。 大容量ボリュームのサポートを活用するために特別な構文や作業は必要ないため、Solaris ボリュームマネージャを使い慣れているシステム管理者であれば、すぐに Solaris ボリュームマネージャの大容量ボリュームを使用できます。
大容量ボリュームを作成したあとで、Solaris 9 4/03 より前のリリースまたは Solaris 9 4/03 以降の 32 ビットカーネルで Solaris ボリュームマネージャを使用する必要ができた場合、大容量ボリュームを削除する必要があります。 Solaris 9 4/03 より前のリリースまたは 32 ビットカーネルでリブートする前に、64 ビットカーネルで metaclear コマンドを使用して、Solaris ボリュームマネージャ構成から大容量ボリュームを削除してください。