Solaris ボリュームマネージャの管理

RAID 1 ボリューム (ミラー) の再同期

RAID 1 ボリューム (ミラー) の再同期とは、サブミラーに障害が発生した場合、システムがクラッシュした場合、サブミラーをオフラインにしてから、オンラインに戻した場合、あるいは、新しいサブミラーを追加した場合に、サブミラーのデータを他のサブミラーにコピーする処理のことです。

再同期中も、ミラーの読み書きは実行できます。

ミラーの再同期は、すべてのサブミラーに同じデータを書き込むことによって (書き込みが進行中のデータは除く)、ミラーの有効性を保証します。


ミラーの再同期は必須の処理であり、省略することはできません。 ただし、ミラーの再同期を手動で行う必要はありません。 この処理は自動的に実行されます。


ミラー全体の再同期

ミラーに新しいサブミラーを接続 (追加) すると、別のサブミラーのすべてのデータが新しいサブミラーに自動的に書き込まれます。 ミラーの再同期が完了すると、新しいサブミラーは読み取り可能になります。 サブミラーは、明示的に切り離されるまでミラーに接続されたままになります。

再同期の実行中にシステムがクラッシュした場合は、システムが再起動してから、再同期が再開されます。

再同期の最適化

Solaris ボリュームマネージャは、システム障害後の再起動時や、オフラインのサブミラーがオンラインに戻ったときに、最適化されたミラーの再同期を実行します。 メタディスクドライバはすべてのサブミラー領域を管理しているため、どのサブミラー領域が障害によって同期の取れない状態になっているかを判定できます。 最適化された再同期は、同期が取れていない領域に対してのみ行われます。 ユーザーは、再起動時にミラーを再同期する順序を指定できます。また、サブミラーのパス番号を 0 (ゼロ) に設定することによって、ミラーの再同期を省略することができます。 (詳細については、「パス番号 」を参照してください)。


注意  注意

パス番号 0 は、読み取り専用としてマウントされているミラーに対してのみ設定します。


部分的な再同期

サブミラーを構成するスライスを新しいものに交換すると、Solaris ボリュームマネージャはデータの「部分的なミラー再同期」を実行します。 Solaris ボリュームマネージャは、別のサブミラーの有効なスライスから新しいスライスにデータをコピーします。

パス番号

パス番号 (0 から 9 の数字) は、システムの再起動時にミラーを再同期する順序を決定します。 デフォルトのパス番号は 1 です。再同期は、パス番号の小さいミラーから行われます。 0 を指定すると、ミラーの再同期はスキップされます。 パス番号 0 は、読み取り専用としてマウントされているミラーに対してのみ設定します。 同じパス番号をもつミラーの再同期は同時に実行されます。