Solaris ボリュームマネージャの管理

ディスク移動の問題からの回復

この節では、Solaris ボリュームマネージャ環境でディスクを移動させた後に発生する予想外の問題から回復する方法について説明します。

ディスク移動とデバイス ID の概要

Solaris ボリュームマネージャでは、特定のディスクと対応づけられたデバイス ID を使用して、Solaris ボリュームマネージャ構成で使用されているあらゆるディスクを追跡します。 ディスクを別のコントローラに移した場合、または SCSI ターゲット番号が変更された場合、通常は Solaris ボリュームマネージャが移動を正しく認識して、関連するすべての Solaris ボリュームマネージャレコードを相応に更新するので、システム管理者の介入は不要です。 とはいえ、まれに、Solaris ボリュームマネージャがレコードを正しく更新できず、起動時にエラーが通知されることがあります。

名前のないデバイスに関するエラーメッセージを解決するには

新しいハードウェアを追加したり、ハードウェアを移動させると (あるコントローラから別のコントローラに一連のディスクを移動させた場合など)、Solaris ボリュームマネージャが、移動されたディスクに対応するデバイス ID を調べ、内部 Solaris ボリュームマネージャレコードの c*t*d* 名を適切に更新します。 レコードを更新できなかった場合、 /etc/rc2.d/S95svm.sync (/etc/init.d/svm.sync へのリンク) によって生成された起動プロセスが、起動時に次のようなエラーをコンソールに通知します。


Unable to resolve unnamed devices for volume management.
Please refer to the Solaris Volume Manager documentation,
Troubleshooting section, at http://docs.sun.com or from
your local copy."

この問題によってデータが消失したわけでも、特に何かが起きるわけでもありません。 このメッセージが示していることは、Solaris ボリュームマネージャの名前レコードの一部だけが更新されたため、metastat コマンドの出力に、以前使用されていた c*t*d* 名と、移動後の状態が反映された c*t*d* 名が混在する可能性があるということです。

この条件下で Solaris ボリュームマネージャ構成の更新が必要になった場合は、meta* コマンドを実行する際に、必ず metastat コマンドの出力どおりの c*t*d* 名を使用してください。

このエラー条件が発生した場合、次の方法のどちらかで解決できます。